淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

【きっかけは否定文】中学1年生が英語嫌いになるまで【疑問文】

中学1年生が英語嫌いになるまで

今週のお題「〇〇の成長」

そもそも勉強は得意ではないのだけれど、客観的な評価が下される偏差値から見ると、模試を受ける知識層にもよるが、普通よりちょっと勉強ができる程度の学力を持っているらしい。だからといって「頭がいい」なんて評価されることはこれまで一度もなく、そんな輝かしい肩書を手にする日は未来永劫やってくることはないだろう。まぁたまに「頭の回転が速い」と言われることがあるが、それはかこつけた言葉を無意味な音に乗せて吐き続けているだけだ。そう、「頭の回転が速い」と思わせる語りはいわば、普段は寡黙なのに好きなジャンルの時だけ饒舌になる「オタク語り」そのものである。(けど褒められると結構嬉しい)

そんな私が今、TOEICで『頭がいい』と呼ばれる高見を目指しているのだから、面白い。あえて具体的な目標点数は避けるが、『頭がいい』と思われる程度の点数である(当社比)。そもそも英語は偏差値40台を前後している苦手科目の代表格だったが、ある講師との出会いによって私は変わった。新しい気づきを与えてくれる授業は学びの根源となる英語への興味を掻き立て、英語に向き合う時間が増え、比例するようにめきめきと偏差値は上がり、センター試験では自己最高得点を記録(ここでも点数の明文は避ける)。「あれ、俺英語って得意なんじゃね」と勘違いする程度の自信を手に入れたのが4年前。大学入学後の私はその波に乗り続けることはしなかった。

自分語りはここまで。

ところで私は仕事の立場上、中学生に英語を教えることがあるのだが、そこで気づいた「英語の壁」について今回まとめようと思う。これは語りというよりも、自分へのメモとして書くようなものなのであまり期待しないでほしい。英語が苦手だと思っている中学生や高校生がこれを読んで……ってこのブログの読者にそんな若輩者がいるわけがないか。つまりこれは『オタク語り』なのである。

 

地獄の門番の双極 ’’否定文と疑問文’’

〇 I am Tom.

〇 You are my friend.

中学生の最初の文法はbe動詞を使ったSVCから始まる。

私は○○です。あなたは○○です。と言葉を交わす呼吸感を一切排除した機械的なコミュニケ―ションを理解することはまだ難しくない。

その後あっさりと、否定文疑問文が出てくる。

〇 I am not Tom.

〇 Are you my friend?

さぁ、ここからが地獄へ続く階段の一段目。

「否定のときは''not''を付けるよ」

「聞きたいときは’’Are~?’’にするよ」

こんな説明をしてしまう大馬鹿野郎教師が沢山いる。確かに間違ってはいないが……

この辺りで中間テストが発生する。

不器用なやつは一生懸命勉強してしまうのだ。

「否定はnot,疑問はAre~,否定はnot,疑問はAre~……」

と繰り返しながら。

初めての中間試験ならそこそこの点数は取れる。この期間はだいたい英単語の暗記量によって前後される。文法知識の差はほぼない。

だが「一般動詞」を目の前にしたとき明暗がはっきりと分かれる。

〇 I play the guitar.

〇 You eat an apple.

「楽器にはtheをつけるよー」

「一つのものにはaを付けるけど、a.i.u,e,oの前では~」

そんな知識も混ぜ合わせながら一般動詞が何気なく登場する。

そして「英語ができる人」と「英語をできない人」に明確に分けるターニングポイント。それは一般動詞の疑問文と否定文である。

〇 I don't play the guitar.

〇 Do you eat an apple?

上を否定文、下を疑問文にするとこうなる。

ところが、ここで以下の間違いが多発する。

× I not play the guitar.

× Are you eat an apple?

英語ができる人が見ればとんでもないミスだが、決して珍しいものではない。

彼らは前回の中間テストのために一生懸命暗記した知識「否定はnot,疑問はAre~」に従っているだけなのである。

be動詞と一般動詞の違いを軸にして文法を語らない先生が多すぎる。

be動詞の有無によって疑問文、否定文の作り方が変わるということをしっかり教えてあげるべきだ。

「え、notとdon'tどっちを使うの?」と混乱すると前回の中間テストで正解した問題でさえ

× I don't Tom.

× Do you my friend?

と間違え始める。

だが理解せずとも暗記をすれば50点程度の点数は取れてしまうから、危機感を覚えず曖昧な知識のまま学年を重ねていくと……

× I  am don't going to play tennis.

× Do you are interesred in English?

嘘のような本当の話である。はい私がそうでした。

なお、私が『be動詞と一般動詞の違い』を理解したのは高校2年生ごろになる。

私の教え方

be動詞は''am,are,is''の3種類と教えて

「be動詞がある文章の否定文はnot、ないときはdon't」

「be動詞がある文章の疑問文はそのbe動詞を先頭に、ないときは頭にDoを付けるだけ」

 

 

ここはそう、三単現地獄

頭が下がり始めたティーンエージャーに容赦なく追い打ちをかけてくるのが三人称単数現在形。通称『三単現』

『主語が三人称単数、動詞が現在形の時に動詞に’’s''を付ける』

法名がそのまんまだな。

ところが、「現在形」という言葉は中1にはまだ馴染みがない。

なぜなら時制はまだ扱っていないのだ。過去形も未来形も進行形もまだ先である。なのでこのあたりで和訳問題をさせると、

〇 I eat an apple.

「私をリンゴを食べていると訳してしまう子も少なくない。(習慣的に’’食べている’’なら正解なのだが、無意識に現在進行形として頭に浮かんでしまっている)

 

また学校の先生が行う「三人称」の説明が雑すぎる。

「主語がheとかsheだったとき~」

なんてクレイジーで適当な説明をされ、本質を理解しないまま文法を暗記する。

すると

〇 He plays tennis.

〇 She swims in the river.

こういった初歩的な問題は正解できる。

だが、主語がhe,she以外の時になると、おしまいだ。

× Taro run_ in the park.

× The earth turn_.

× It make_ me happy.

「主語が固有名詞のときのもsを付ける」と教えられることもあるが、それだけでは物や動物が主語になった時に対応できない。

実はこの三単現sの直前に『複数形のs』を習っているため、このせいでバカの頭の中がさらにややこしくなっている。

当時の私『複数あったらsを付けて……あれだけど三単現は単数のときにsだっけ。あれれ、なんだっけ』

そしてここに疑問文&否定文がやってくる。

〇 He doesn't play tennis.

〇 Does she swim in the river ?

無難なミスはdon't plays~や、Does she swims~?。これらは凡ミスなので問題はない。

だが、疑問否定の理解が曖昧なままの者は以下のようなミスをする。

× He not plays tennis.

× Are she smims in the river ?

嘘のようなホントの間違いである。否定はnot,疑問はAreから知識を更新できずにいる生徒は三単現以前の壁で引っかかる。「do⇒does」以前に疑問否定の文法を確立しなければ、間違いは二重にも三重にもなる。

このあたりで英語嫌いが発生しはじめ、英語の勉強をしなくなり、唯一の支えだった単語力も減少し、積み重ね教科の差がどんどん開き、英語が苦手科目に…とここまでが英語嫌いになるまでの王道なのだ。

私の教え方

三人称とは「Iとyou以外全部!」

「主語がI,you以外で複数じゃない時、動詞にs」

 

英語ってバカには大変なのよ…

このほかにも

主語⇒動詞の構造を理解していなかったり、what系の開いた質問でyes,noで回答してしまったり、受け身と完了形と分詞がごちゃまぜになったり、現在完了形を過去の話と勘違いしちゃったり……苦手の壁は連なっているわけです。

これは大変な教科だよ全く。てか教え方が下手すぎる学校の先生多すぎ。英語が得意で長く生きてきた人はできない生徒の考えが分からないんだろうなと霹靂してしまいます。

 

『え、こんなの普通にわかっただろwww』

と笑えるのであれば、あなたは私より「頭がいい」です。

p.s.英文にミスが合ったら教えてください…

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reyu.hatenablog.com

 

ターミネーターニューフェイトを語る。(ネタバレ有)

ターミネーター ニューフェイト

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出会いは運命の先で結ばれる。真っすぐに伸びていく一本の線を辿った先にそれはない。長さも太さも色も素材も違う存在が複雑に絡み合うところに出会いはある。

その出会いは人に限らない。様々な趣向を持つ者同士が接触したときにふとあがった「一言」が大きく人生を変える出会いになることがある。努力や頑張りを必要としない変化を望む現代人にアドバイスをするのであれば、やはりきっかけとなる出会いを探すことが一番の近道になるだろう。

だが、探さずとも出会いは目の前に現れることもある。肉体的にも精神的にも幼かった小学生の私を大きく変えるきっかけになった偶然の邂逅は、人間ではなく、一つの作品との出会いだった。それは「ターミネータ2」(以降T2)である。

 

まだ幼かった私がなぜターミネーターを見ることになったのか。そのきっかけは覚えていないが、初めてT2を見ていたあの日の光景、ターミネーター2が荒く映っているブラウン管テレビと隣に座る母がいるその景色だけははっきり覚えている。

母はターミネーターシリーズのファンである。仕事や家庭における性格はかなり慎重で堅物だが、エンターテイメントにおいてはかなり雑食で、アニメーションでなければジャンルを問わず様々なものに手を出す。俺が生まれる5年前の1991年。街にいても、家にいても、職場でさえうるさいと不快に感じるほどある作品の広告が放流されていた。それこそ「ターミネーター2」。母になる前の母はその広告に魅かれて劇場に足を運ぶ。たったそれだけの出来事がその後生まれる息子にまで影響してしまうんだから、つくづく出会いの力というのは恐ろしいものだと思う。

 

T2に関する話はまた別の時にするとして、今回はその正当な続編として公開された「ターミネーター ニューフェイト」についてしっかり語ろうと思う。ネタバレなしで勢いそのままフランクに書いた記事もあるので気になる方は以下のリンクからぜひ飛んでみてほしい。

reyu.hatenablog.com

 

CGの力に恐怖を感じる

精神病棟で問診を受けるサラ・コナーの映像から物語は始まる。T2を見た人なら懐かしさを覚え、これから始まる物語への期待感を抱くであろう。正当な続編と銘打っていることへの覚悟が伝わってくる。

しかし、本当のビックサプライズはここからだった。なんとT2当時の姿形をしたサラコナーとジョンコナーがスクリーンの向こう側に’’いる’’のである。けして昔の映像を編集加工しただけの使い回しではない。今、1991年のコナー親子が完全にそこに’’いる''のだ。肉体が引き締まった35歳のリンダハミルトンとあどけなさと美しさを持った14歳のエドワードファーロングが、いる。開いた口が塞がらない。映し出される審判の日を回避し、南国の海岸で佇むコナー親子。けして語られなかったなかった『後日談』そして作られることはなかったT2後の世界が目の前に広がる。あまりにも突然すぎて感動が追い付かなかった。私がここで目に焼き付けようとした構えていたのは老いたリンダハミルトンとアーノルドシュワルツェネッガーでだった。若かりしリンダはまだしも、まさか幼いエドワードが出てくるなんて想像もしていなかった。

さらに物語は一気に畳みかけてくる。幸せそうな二人の目の前に現れたのは、アーノルド・シュワルツェネッガー演じる殺戮ロボットT-800。これも、1991年の姿をしたシュワちゃんだ。そしてT-800はためらいなくジョンに向けて引き金を引く。ターミネーターはジョンを殺したのだ。殺そうとしたではない。殺した。床に倒れ、意識が果てていくなかで微かに目を開くジョンの色白な顔。その表情に全く違和感を感じさせない。死に至る人間に異常な生が宿っているような人工物の表情に私は恐怖を感じた。

ジョンは死んだ。ここがこれからのターミネーターのスタートラインになる。スカイネットの暴走により終焉を迎えるはずだった審判の日を回避した世界線ならば、抵抗軍のリーダーを務めるジョンコナーという存在は必要ではない。また神格化されてしまったT2を清算する必要があった。そこで取った手が「ジョンの退場」だったと考える。

この展開は賛否両論だろう。あまりにもジョンの最後があっけなさすぎるからだ。そしてまだ幼いジョンを退場させることは、T3、T4、T5と繰り返される戦闘によって大胆な整形手術を施されたとした思えないくらい顔つきが変わっていったジョンコナー達を全否定することにもなる。これまでのシリーズの全否定。『正当な続編』と宣伝しつつも、俺が正当なんじゃと言わしめんばかりの展開はかなり乱暴だとも思った。だが、このくらい一方的にかつ無理やり変革を起こさなければ、最高傑作の呪縛は解けない。

そのシーンを見て私は確信した。

本当にシュワちゃん達のターミネーターの終わりが始まったのだと。

 

これでいい、これがいい。

さて肝心なストーリーに言及していこう。ずばり言い切ってしまうが、ストーリー自体はかなりおざなりなものだったと思う。ご都合主義すぎる箇所が設定にもシーンにも多すぎた。最先端CGを駆使した戦闘シーンは手に汗握る展開になっていたが、あまりにも突拍子もない戦闘環境や目が回るほど縦横無尽に動き回るカメラワークにはただカッコいい演出がそこにあるだけだった。新型ターミネーターの圧倒的な力に恐怖を感じるが、T1、T2のような追われ続けることへの恐怖は一切ない。

ところで新型ターミネーターREV9はなんと日本人がデザインしたらしい。このREV9は液体型ターミネーターの特性も持ちながら、外殻と内殻の二体に分裂することが可能なターミネーターだ。確かに強そうだけども、やはりT2に出てきたの元祖液体型ターミネーターT1000と比べると性能的にも魅力的にも劣っている。同じ体から分裂した双子のような存在なのに戦闘ではコンビネーションを取らずに別々で戦い、その特性を生かせない。と機能面は酷評しながらも、そのふるまいは魅力的なものだった。REV9を演じたガブリエル・ルナの所作はまさに人間をまねるロボット。従来のターミネーターには見られなかった明るく軽口も叩けるコミュニケ―ション力を持ってターゲットに接近していき、冷酷な殺人鬼として命令を遂行する。人との接触を人よりも上手くこなす機械。積極的に人とのコミュニケーションを試みるAIはどんな命令を受けて私たちとのコンタクトを諮っているのだろうか。

作品内容はどこをとってもかなり単調だった。ご都合主義満載の想定内のエンディング。だが、これでいいのだ。そもそもT2を超える作品になるとは毛頭思っていない。CMを見た時点で察しは付いていた。ネット上では早くも爆死だの大ゴケだの酷評が目立つが、私は大満足の作品だったと思う。なぜなら私にとって一番重要なことはそこにサラコナーとt800がいること。私はこの二人を見に来たんだのだから。

シュワちゃん、リンダ、二人ともお疲れ様

 これはターミネーターの続編であり、一つの節目。同窓会でありお別れ会。

もしターミネーターをSF作品として期待して見に行ったのであれば、かなりの不満が残るだろう。さらにT1とT2を見ていない人にとっては、CGをふんだんに盛り込んだ勢いだけのB級映画にも見えるだろう。これは完全に’’ずっと二人を待っていた人向け’’の映画だ。

ラストシーンはまさに一つの終わりを告げるものだった。瀕死状態のT800がリンダを見上げ、満身創痍のリンダがT800を見下す。何度も見た構図。想定していたラスト。だが私の目からゆっくりと涙が溢れてきた。ターミネーターなのに年を取っちゃったシュワちゃん。ただの怖そうなおばあちゃんのリンダハミルトン。CG技術で若返らせることなく、今の姿で最後まで演じきったことには意味がある。じっとリンダを見つめるターミネーターの目には哀愁がにじんでいるように感じた。ターミネーターのエネルギーが切れ、そして物語は終わった。T2という最高傑作に縛り付けられていた私はようやく解放された。

お疲れ様、シュワちゃん達。ありがとう。

【ターミネーターニュー・フェイト】さよならシュワちゃん達【ネタバレなしで無理やり語る】

ターミネーター / ニューフェイトをネタバレなしで無理やり語る。

 

晴天が秋の涼しさを和らげる今日、2019年11月8日。

待ちに待ったSFシリーズの最新作が後悔されました!それは

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www.foxmovies-jp.com

ターミネーター/ニューフェイト

 

キタ━━━━(゚∀゚)━━━━!!

殺戮ロボット''ターミネーター''と人間との闘いを描いた大人気SF作品。なかでもターミネーター2(以降T2)は公開から四半世紀経った今でも映画史上もっとも完成された映画と評されています。(今見ても1991年公開の映画とは思えない)

ですが、

3、4、5とシリーズを重ねるごとに評価が……俺は4結構好きなんだけど。

あまりにもT2が完成されすぎてるのが原因。

シリーズを重ねるごとにアクションとCG技術のクオリティは確かに上がってて映像としては魅力的なんだけど、作品としては蛇足という…

さらには制作権利問題とかが絡んできたり、シュワちゃん州知事になったり、ジョンコナーに顎にエラが生えたり……あー、もうめちゃくちゃだよ。って感じにターミネーター界隈は荒れてました。

 

しかし今回!

なんとターミネーター1.2の指揮を執ったみなさんご存知の名監督ジェームズキャメロンが…!監督ではなく、制作とストーリーに携わることに!

さらにサラ・コナー(1と2の主人公)役のリンダハミルトンが復帰!

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さらにターミネーターと言ったらこの人、アーノルドシュワルツェネッガーも「最後の出演」と明言したうえでの参加!

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これはムネアツすぎるぅううう!

 

とまぁ1人のファンとして見終わった今。内容を賢しら口に語りたいのですが、ネタバレなしで魅力を語ることもある程度の需要もあるだろうと思い、今回はネタバレ一切なしで無理やり感想を語っていきます。

具体的なシーンへの一切言及はありません。これから見るみなさんもご安心を。

 

平日金曜日。このシアターはIMAX。客席の埋まり具合は……

 公開初日。平日ということもありチケットにはまだまだ余裕が。単純に人気がないだけかもしれないけど…。通常料金に+700円追加してIMAXシアターへ。(高画質高音質のシアター)仄暗い座席を見渡すと4割程度が埋まっている。平日の9時上映という条件を考えてみれば、なかなか多いんじゃないの。客層はやはり40~50代の男性多め。女性の姿もちらほら見えるが、やはり30代前後だろうか。落ち着きがゆっくり呼吸をしているような空気を感じながら、ど真ん中に陣取った自分の席に腰を下ろす。ふぅ、と息をつくとさらにその静寂が増したような気がした。『天気の子』のように大学生の団体やカップルの嬉々とした小声に囲まれることはない。ここにいるのはターミネーターファンだけ。最新作を待ち望んだ人だけがここに集まっている。そう静寂が告げていた。

つまりなにが言いたいかって、席の埋まり具合は4割程度でした。

開始早々……これは…。

 

さて始まった。開始早々事件は起こる。

(おーっ、ここから始めるってことは本当にT2の正当な続編を意識してるんだな)

というシーンから始まっ………

 

「え!?!?!?!?」

 

おおおおおお?まじか。え、はぁ、すげぇな。うわぁ……

他人に自分の気持ちを届けるブログという場では言葉を丁寧に使って伝えなきゃいけないのに本当に申し訳ない。開始早々心臓が胸骨どころかスクリーンをぶち破りそうなくらい激しく跳ねる。いやーすげぇな、お………

 

「は!?!?!?!?」

 

おおおおお!?まじか!え、あっ、ああー…うん。ああ、なるほど。確かにこうすれば…うん。なるほど。他人に自分の気持ちを届けるブログという場では言葉を丁寧に使って伝えなきゃいけないのに本当に申し訳ない。(二回目)あ、もちろん上映中は無言でしたよ。「」使ってますけどこれは心の声です。もちろん。

冒頭からかなり飛ばしてきます。油断してたら一気に来ます。

公演時間に間に合うようにポップコーンの購入やお手洗いを済ませましょう。

 ただ、このシーンは賛否両論になるよなぁ…。

私は「これもありっちゃありか」と肯定的な意見だけども。

 シュワちゃんとリンダが肩を並べるだけで。

リンダハミルトンとアーノルド・シュワルツェネッガー

この2人が2019年の今、ターミネーターに出演しているんです。これだけでもう感動。

「どう見ても爺さんと婆さんじゃんwww誰得www」

という意見もあるでしょう。確かにその気持ちはわかる。

だけど、このツーショットを再び見ることができるなんて思ってもいませんでしたから、スクリーンで再び会えた、それだけでもう感動。

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(11月5日来日記者会見にて)

 

お約束は忘れない。

ターミネーターに限らず、シリーズが続くと「お約束」が自然発生します。

ターミネーターと言えば「I'll be back.」みたいな。

様々なシーンでT1やT2を意識しているような演出が多く見受けられました。戦い方、セリフ、小道具……ファンならデジャブを感じてふふっと口元が緩んでしまうシーンも多々ありました。コアなファンの人とかまとめてくれないかなぁ…。

お馴染みとなった道交法をぶっ壊すアクションシーンももちろんあります。

さよならシュワちゃん達。

 もちろん映画なのでエンディングがあるわけなんですが、私は納得の終わり方でした。まさに、シュワちゃん達のターミネーター完結。

クライマックスでは思わず涙が出てしまいました。

「あー…シュワちゃんを見るのもこれで本当に最後なんだなぁ…」

そりゃ、ツッコミどころはありますが、わざわざしてきするなんてそんな野暮なことはしません。

これは長らく続いたターミネーターシリーズの一つの到達点。

そして次に繋げるバトンとしてしっかり役目を果たしたと思います。

劇場グッズは今回少なめ

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うーーん、少ない。前作の時はマネークリップとか孫の手とかユニークなグッズがあった気がするけど…。とぐちぐち言いながらもクリアファイルとパンフレットを購入。

パンフレットの中身はほとんどインタビュー記事。うーん、これまた前作?前々作みたいにキャラデザとか設定原画が載ってると嬉しかったかも。ただ、リンダやアーノルドを始めとしたインタビュー記事は読みごたえありそう。

 

IMAXで見ればポスター付いてきます!(先着)

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冒頭でも述べましたが通常料金に+700円してIMAXで見ました…高い。

けどやっぱりIMAX凄い。音の迫力が全然違いました。低音が座席を通って響いてきます。

けどやっぱり高いよ…。

ま、私は「映画は映像作品ではなく、空間作品である」と名言(自称)を掲げる男ですからケチケチできません。2回目はプレミアムシートで見ちゃおうかな~。

いやでもやっぱり高いって…

終わりに ~SFとして見るのか、同窓会として見るのか~

私の評価

★★★★☆ 

『ご都合主義も否めないが、1つの終わりとしては完成された作品』

 

ただ1と2を見ておかないとかなり不満が残るというかB級映画に感じてしまう人もいるかもしれない。※現在アマゾンプライムで「ターミネーター2」が見られるからみんな見ようね!

また高尚なSFファンだと…「え、ここおかしいじゃん」とツッコミどころ満載だと思う。だけど、いいんです、これでいいんです。私は満足です。

そもそもまず今作がT2を超えることは不可能だと私の中で分かっていたから。

T2は作品自体の力もめちゃくちゃ強力だけど、思い出の力も長い月日をかけて熟成され増強しちゃっている。どんだけ素晴らしい作品を見せられても、超えることはなかった。(だからこそ冒頭のシーンは本当に開いた口が塞がらない状態だったんだけど)

 

これはT2の同窓会。これが私のスタンスです。

私と似たような期待を持って劇場に訪れる人はきっと大満足すると思います!

ぜひ劇場へGO!

興奮冷めやらぬまま、勢いで書いたので記事のクオリティは許してね(笑)

あとでじっくり書いた感想を投稿します。↓

 

reyu.hatenablog.com

 

【全然読めなかった…】10月に読んだ本まとめ【3冊】

10月に読んだ本まとめ

時の速さに驚くことがなくなった。それは受け入れた証拠なのか、単に鈍感になったからなのか。季節の訪れは毎年さりげなくやってくるものだが、今年は風に吹かれながら寒暖入り混じる温度が忙しなく列島を走り回り、季節そのものをかき消しているようだった。

観測史上最大という看板を背負ってやってきた暴力的な強風(もう素直に台風と言えばいいんだろうけど)によって、生き生きと呼吸していた緑葉が地に広がり、今年は紅葉を見ることができないかもと危惧していたが、木もまた自然。緑々とした葉を蓄えた力強い木々の姿が窓から見える。

同じことを繰り返す日常。いつもの景色の些細な変化が時間の経過を実感させる。葉が色付くころには次の季節がもうすぐそこに来ている。変わりゆく風景の中で、変わらない何かを求めるようにふと足を止めて振り返りたくなる。

何が言いたいかって、なんでも言えばそれっぽくなるオシャレな季節。それが、秋だ。

(ちなみに画像をクリックしたらAmazonに飛びます)

 『りゅうおうのおしごと!10』白鳥士郎

竜王、遂に小学校の教壇に立つ!「澪たち、くじゅるー先生に鍛えてもらいたいんです!」小学生の将棋大会『なにわ王将戦』で優勝を目指すJS研。しかしあいの新しい担任にJSとの同居を問題視された八一は、自らの潔白を証明するため小学校で将棋の授業を受け持つことに。一方、女流名跡リーグ進出を目指すあいの前には謎の女流棋士が立ちはだかり、そして銀子は地獄の三段リーグで孤独な戦いを始めようとしていた―。それぞれの戦場で繰り広げられる魂の激突。決意と別離の第10巻!小さな背中に翼が生えたとき、天使は自らの力で羽摶き始める!!

あらすじより

 1年前まで「歩」の動きすら知らなかったドドド素人が、今では空き時間に眺めるスマホの画面には将棋が写ってるんだから驚きだ。その実力は小学生相手にもボロ負けするくらい弱いんだけど……(先日、小学2年生に負けました

 

もちろん将棋に興味を持ったきっかけは「りゅうおうのおしごと!」。ここまでどっぷりハマり、影響されて将棋を始めてしまうなんてほんとアニメに影響されやすい男である。けいおん!きっかけでギターを始めた過去有)

何度もここでべた褒めしているので、もう言わずもがなだと思うがあらためてお勧めしたい。

あらすじを読むとキモオタ専用ロリコン特化型ライトノベル臭がキツいが、その中身は魂を揺さぶるに熱に満ちたスポーツ小説。

万人に勧めたい作品なのだが、ラノベ特有の一般的に見てキモいと称される展開、表現、挿絵もあるのでうーーん、なんとも大声では進めにくい。小学生要素が薄かったらまだ…いや、他者を踏みにじる圧倒的な子供がいてこその物語世界だしな…うーん。

もしこうした二次元作品に抵抗がないようでしたら、5巻までぜひ読んでみてください。5巻が激熱です。

 

弟子が死ぬ寸前まで追い込み、相手の尊厳を踏みにじる。

俺がやっていることは結局、そういうことだ。

たかが将棋のためだけに。

p.231

 

りゅうおうのおしごと!11』白鳥士郎

「私を殺して…」奨励会三段リーグで三連敗を喫し心が折れた銀子は、八一に懇願する。「俺が連れて行ってあげますよ。絶対に死ねる場所へ」こうして二人は将棋から逃げた。それは同時に、なぜ将棋を指すのか問い直す旅でもあり―なぜ、八一は銀子を『姉弟子』と呼ぶようになったのか?なぜ、銀子は女流タイトルを求めたのか?八一と銀子の出会いと修業時代の日々、そして“浪速の白雪姫”に隠された最大の秘密が遂に明かされる告白の第11巻!将棋の神が定めし残酷な運命は、誰に微笑むのか?

あらすじより

またこれかよ!

ということで、既存巻全て読み終わりました👏

今回は過去編。物語が長期化すると取って付けたような思い出話で尺を伸ばしますが、流石りゅうおうのおしごと!一巻から撒かれ放置されて続けていた様々な伏線を回収していきます。え、これいつの段階から構想を練っていたの。

 

そして驚くべきはこの評価。

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評価157件で☆☆☆☆☆!

ここまで読み続けてきたファンの意見が大半だろうから好意的評価になるのは当たり前なんだけど、それでも☆5は凄くない?11巻に達してもなおファンの期待に応え、さらにはその期待を超えてくる作品って凄いなぁ。

へぇ?

持って生まれた才能が足りない?

「だったら私にはそれが必要なかったというだけのことよ」

p.329

 

anego林真理子

野田奈央子32歳、丸の内の大手商社社員、独身。上司からも、同僚からも、部下からも頼られる存在。…なのに自分の恋愛運だけにはなぜか恵まれない。そんな奈央子が次から次へと出会う恋愛の数々。合コン、お持ち帰り、セフレ、不倫、泥沼…。OLの性も、派遣社員の怒りも、そして結婚運に恵まれない女たちのいらだちも。すべてをリアルに描ききった、林真理子の代表作。

本作あらすじより

reyu.hatenablog.com

 だれが好き好んでアラフォー手前のやり手OLの生活を覗き見しなきゃならんのか。と思うかもしれませんが、読んでみるとこれまた面白い。

ライトノベルは甘さ、辛さといった味覚みたいに分かりやすい感想を持つけど、やっぱり文学的な?小説がくれる興奮や息苦しさは得も言われぬ気持になるけど癖になる。その時に感じる快感が、捻くれていく合図なのかも。

幸せというのは、なんてわかりやすい形なんだろうと奈央子は思った。それを複雑にしているのは自分なのだ。

p.457

 

 まとめ『3冊しか読めなかった…』

今月はTOEICに加えて新しい勉強を始めた影響もあって読書に回せる時間が少なかったです。のくせに本屋の前を通るとつい買っちゃうもんだから、積読だけが増えていく。だけど今めくらなきゃいけないのは小説じゃなくて英単語帳だし、書かなきゃいけないのはブログじゃなくて履歴書だし、空き時間は基本バイトぶち込んで稼がなきゃだし……充実はめちゃくちゃしているんですが、趣味に浸れる時間が少なくなってきたと実感しています。贅沢な悩みですね。

学生の頃…守ってもらえていた頃は本当に自由だったんだなぁ。「住」だけは未だ守ってもらってる立場ですが(笑)

 

 読書を通じて得ることは沢山ありますが、それが身になるのは未熟で不完全な若者だけ。他者の言葉に耳を傾けず、凝り固まった大人にこの吸収力はない。だからこそ、みなさん今のうちに沢山読書(あと勉強)をしましょう!

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【GLIDiC TW5000s】これは初めての人にピッタリ【レビュー】

TW-5000s?ワイヤレスイヤホン?なにそれ。

それは我が母校○○大学に遊びに行った日のことだった。

「なにそれ」

友人が耳から外した黒いなにかを指さす。

「え、これイヤホンだよ」

そう何気なく言い放った友人は、今度はバックから黒くて四角いものを取り出す。

(えっ、今のイヤホンはこんなに小さいのか。てかコードは?)

自分は全くオーディオに興味がない、いわば『壊れるまでイヤホンを使い続ける勢』だ。高校三年生の時に買ったzero-audio ZH-DX200-CT(わざわざ調べた)を使い続けて早5年。私が1つのイヤホンを愛で続けていた間にイヤホン業界は大きな成長を遂げていたようだ。

『パチン』

生協前の人気が少なくなった廊下に黒い物体の口が閉まる音が響く。

「へぇ、ケースも付いてくるんだ」

「うん、これで充電できる」

じゅじゅじゅじゅ充電!?!?ケースなのに充電!?

5年という歳月はあまりにも長かったようだ。

 買ったのは”GLIDiC sound air TW-5000s

その衝撃に圧倒された私は帰宅後すぐにワイヤレスイヤホンをポチろうとWEBを駆け巡ったのだが、

種類が多すぎる!!

違和感満ちる色彩と日本語の中国製なら¥3000から(デザインは結構かっこいい)。世界に誇るブランドものならその10倍¥30000とか(ブランド物になるとダサいの多い)

うーん、なにを買ったらいいか分からない。まぁレビューを参考にして……と考え抜いた結果、購入したのは!

GLIDiC sound air TW-5000s

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glidic.jp

友人とだだ被り!これ真似したって言われて嫌われるやつね。

買った理由は二つ。

ソフトバンク無理やり買わせてお勧めしてる製品だから。

②メルカリで安かったから☜これ重要。

気になる値段は

定価 10400円

売値 8600円(くらい)

メルカリ 3200円(新品未使用)

これは大勝利。

 

初めてワイヤレスイヤホンを使ってみて。

付けてみてあらためて分かるイヤホンの進歩。

感動した点を一気に上げてみる。

凄い軽い

まず思っていたよりも軽い。正直、多少の重さは覚悟していたので耳に引っ掛ける形で窮屈感ありきで装着するのかと思ったが、まったく重さは感じない。さらに装着も普段のイヤホンと同じように耳に差し込むだけ。なのにこのフィット感。曲に合わせて頭を強く上下させてもまったく落ちる気配がない。

「おお凄い! イヤホンが手に引っかかってウォークマンがベランダの外に飛んでいくこともなさそうだ!」

凄いボタン

このイヤホンには左右にそれぞれ1つずつボタンが付いていた。シャープなデザインに自然と納まっているボタン。そこを1回、2回、長押しと使い分けると!曲の再生や早送り、音量の大小まで手元ならず耳元で操作できる!

「おお凄い!ウォークマンをケツポケに入れたまま電車で座ってしまって、『うわ、今ウィーンのソラチネ第1番第4楽章の気分じゃないのに…』とランダム再生に辟易することもなくなりそうだ!」

凄いケース

充電をできる便利なケースにはなんとマグネットが仕込まれており、イヤホンを近づけると吸い込まれるようにケースに収納される。ケースを誤って逆さにしても落ちることなく、うまくハマらなくてイライラすることもない。

「おお、凄い。普通に凄い」

 

使ってみてわかるデメリット

とメリットは月並み程度の意見。音質も悪くないし、普通に便利である。

しかし、今私はコードのイヤホンを使う機会が多い。なぜか。それは使ってみて分かったデメリットが原因だった。

①街中では大混線でブッツブツ

Bluetoothを使っている人が近くにいると、接続が一瞬切れてしまいます。人が多い街中や駅中に入ると人がすれ違うたびにブツブツと音が切れてしまいます。ましてや満員電車になるととても煩わしい。イヤホンを外そうにも手が上がらないし、好きな曲を聞いているのにストレス感じちゃってるし…朝の通勤ラッシュ時に使用することはお勧めしません。

高いのを買えば解決するのかな。

②耳元を温める

カイロと書きましたがほんと言葉の綾みたなもので、「あ、少しだけ熱を持っているな」程度に暖かくなります

私は耳が敏感なのでちょっとだけ気になってしまいます。寒くなるこの時期、ちょっとした耳当てだと思うとちょうどいいんですが、夏は少し気になるかも。

③電源のオンオフがケースなしにはできない。

これはGLIDiC sound air TW-5000sだけなのかな。

ケースから取り出すと、自動的に接続を開始してくれるのでそこは便利なのですが、接続を切る(電源をオフにする)ためにはケースにしまう必要があります。イヤホン本体だけでオフにすることはできないんですね。なのでケースの持ち運びが必須になります。ケースは荷物になるほどの大きさじゃないから特に問題はないけども…

④フェードインやめれ

停止状態から再生すると曲がフェードインして耳に入ってきます

いきなりの大音量でビックリさせないための配慮なのかなと思います。

これが超不便に感じるとき。それはリスニング音声を聞いているとき

「あ、何時って言ってるのか聞き取れなかった」

と思い一時停止。その箇所まで巻き戻して再生すると

『………ock on weekdays.』

「うーーん(巻き戻し」

『……lock on weekdays.』

「うーむ(巻き戻し」

『…clock on weekdays.』

「ああ!まどろっこしい!聞こえん!」

終わりに ~こいつも5年~

つまり、ケースバイケースで使い分けろってことでしょう。

ギターの練習をするときや何か作業をしながら音楽を聴くときはワイヤレスイヤホンを、リスニング問題や人混みの中を移動するときは普通のイヤホンを、私はそんな感じに使い分けています。

このワイヤレスイヤホンとも長い付き合いになりそう。壊れるまで付き合ってくれよ。正直、片方無くしそうでめちゃくちゃ怖い。壊れるまで使い続ける主義が最もやってはいけないのは”わざと壊すこと”と”なくすこと”だ。

ま、これまでイヤホンは無くしたことがないから大丈夫だと思うけど。

(なお、携帯、財布、家の鍵等を無くした経験有)

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イエモンのシールを貼って少しおしゃれにしました。

 

 

reyu.hatenablog.com

 

【空の青さを知る人よ】余韻を残さない終わり方が最高【感想】

空の青さを知る人よ

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『これは、せつなくてふしぎな、二度目の恋の物語』

soraaoproject.jp

 

映画は空間作品

 趣味は映画ですって語れるほどの映画好きってわけじゃないんだけど、人よりは結構映画を映画館で見ている方だと思う。視界を覆う鮮明な映像、鼓膜を遠慮なく揺らす巨大な音、そして現実から乖離させてくれる真っ暗な空間。それは決してレンタルや定額動画サービスでは体験することができない。

「映画は映像作品ではなく、空間作品なんだ!」

と声を大にして映画館での鑑賞を勧めているが、周りの反応は

「ああ、わかるわかる。けど高いじゃん」

う、うん…値段のことを言われると何も言い返せないよ……

 

シネマサンシャインアプリ会員

前置きが長くなった。

今日は木曜日。木曜日と言えばシネマサンシャインアプリ会員デー。シネマサンシャインのアプリからチケットを予約しスマホに表示されるQRコードをかざせば楽々入場。発券機に並ばなくてもいいので大変便利です。

さらに年額500円のシネマサンシャインアプリ会員になると

毎週木曜日にはなんと映画が¥1100円で見れちゃう!(昨日知った)

通常料金が¥1800だから……1回見に行けば元が取れるってわけ。

さらに2回見たら¥1100円鑑賞クーポンと交換可

さらにさらに6回見たら1回無料!

これは登録するしかない!

www.cinemasunshine.co.jp

やっと前書き

さてほんとうに本題に入りましょうか。

ということで、今ちょっとだけ話題になっている「空の青さを知る人よ」を見てきました。パチンコで人気台のとなった『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない』、超人気声優水瀬いのり(ファンクラブに入ってます)が主演を務めた『心が叫びたがってるんだ。』。その系統を引き継いだ青春群像アニメ―ション第三作。もちろん舞台は秩父


映画『空の青さを知る人よ』予告2【大ヒット上映中】

入場者プレゼント……

貰えませんでした(´;ω;`)ウッ…

ゲジ眉JK相生あおいが可愛い

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名前に隠された衝撃の事実!?

物語の語り手的立場を取るのがこの子。

『 相生あおい』

出席番号トーナメントで最強の苗字である「相生(あいおい)」。意味は『二本の木が同じ根から生えていること』。兄弟姉妹設定があるキャラにぴったしの苗字だね。

そして「あおい」。気づきましたか?なんと名前が全部「あ行」で構成されているんです!!衝撃の事実?ですね!厳密には「あ行のa,i,o音だけ」なんです!だからローマ字で書くと『aioioai』。だからなんだって話。

この「あおい」という名前は普通に「空」を連想させるだと思います。あおいのお姉さんの名前が「相生あかね」だしね。

「相生」「青空と夕空」まさに物語軸の対比を察せと言わんばかり名前です。

 

あおい役「若山詩音」あっぱれ

あおいは秩父で生まれ育った女子高生。意地っ張りで我が強いけど、強がりで繊細な一面を持つ年ごろの18歳の女の子です。可愛い。

そんな不安定な少女を演じたのが長編劇場アニメは今回が初めてという若山詩音。子役としてデビューし、役者活動は短くないが声優としてはまだ駆け出しの彼女。その彼女の演技がめちゃくちゃあおいとマッチしてる!

厳しいことを言うと特徴的な声ではないんですが、全力の演技そのものに彼女らしさを感じました。鈍く怒鳴る声ではなく、感情の振れ幅に合わせた叫びや嘆きは耳を通って胸に鋭く突き刺さります。

 

制服の上にパーカーすこ

天気の子ではショートパンツ(デニム)が好きだと語った私ですが、寒さ近づくこの頃はそんな姿を見かけることも少なくなりました。タイツに合わせた格好もいいけども。

こんな時期に私が大好きな女性の恰好はずばり「制服+パーカー」

ってこれ堂々と書いていいことなのだろうか。これ間接的にJK大好きみたいな意味になってるけど……整った限定的な柵と私的でラフな格好の不規則なコントラスト…いやこれ語るのやめよう、キモイわ。とにかく主人公の服装がいい。

あおいの魅力は表情の豊かさ

作中では喜怒哀楽全ての表情を惜しみなく見せてくれます。表情を作り上げる上でとても重要な箇所である眉の主張が激しいため、その時の感情がとてもわかりやすい。つまり顔に出やすいタイプってやつだ。

現実非現実問わず、表情が豊かな女性って「可愛い」と思う。

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ほんといい顔してる。

交錯する思い。その物語の「主人公」

 で、ビックリなのが相生あおいは主人公ではないこと。映画館のエンドロールを見て初めて気が付きました。え、あおいが主人公じゃなかったの。けど確かにその通りだ。振り返って見るとこの物語の中心にいたのは可愛いJKあおいではなく、しゃがれた31歳であり、元気溢れる高校生の金室慎之介(あだ名・しんの)だった。(以下、しんの。

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え、吉沢亮うまない?

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(主人公 金室慎之介役 吉沢亮

「声優初挑戦」は死亡フラグ同然の売り文句である。この作品もいわば吉沢亮の声優初挑戦作品として少し宣伝された。おいおい、死ぬわこの作品。

さて、ここでまた違うバージョンのCMを見てみよう。今度は男性キャラの声に注目して。


映画『空の青さを知る人よ』予告【10月11日(金)公開】

「ええやん…」

なんか多才なイケメンを見てると逆に清々しいよね。(だけどやっぱりイケメンは気に食わないから画質は悪め)

 

ちなみにあおいのお姉さん、あかね役は吉岡里帆

ドラマとか舞台とか関係なしに、演技がうまい役者ってほんとにすごい。

最初、能登麻美子かと思ってた。

 

あの頃の憧れはこれからの好きへ

 話は予告編のとおり、「SF系ラブストーリー」……かと思ったが、これまたちょっと複雑に絡んだ人間ドラマになってました。

恋愛と結婚、学生と社会人、今と過去、そして青と赤の姉妹。その対比の真ん中にはそれぞれに呼応する「しんの」という存在、そこに第三者の感情まで入ってきて……結構お腹いっぱいになった。

 

あおいは13年前からやってきたしんのに「好き」という気持ちを覚えるが、最初この好きは「憧れ」の錯覚なんじゃないかなと思った。どうしても恋愛感情を抱く原因が分からない。強いて言うなら「昔の記憶」を思い出したことがきっかけになるのだろうが、回想シーンではそこに恋心があるようには思えなかった。今から13年前は、あかね5歳。しんの18歳。そのときあかねが彼に抱いた感情は確実に憧れだったはずだ。

ところがありえない出来事が起こって、あかねとしんのがおなじ18歳という目線に立った時、あかねの思い出にいたその気持ちは恋に変わるってことか。

いやいや、違う。

あの感情が恋だと気づいたのだろう。

幼心の憧れに気づきが加われば、それには恋と名が付くのかもしれない。

ところでいったいいつ人は恋心を学ぶんだろうねぇ……

もし過去の自分と対話できたら

 物語の終盤、今と昔のしんのが対峙するシーンがある。タイムスリップもので同一人物が向き合うのは意外と珍しい。なぜならタイムパラドックスを理由に出会うことを避けるのがセオリーだから。

しかし、31歳のしんの(α)と飛んできた18歳しんの(β)にも隠れた対比があった。

それは18歳の時に選んだ一つの決断。

しんの(α)=夢を追いかけるため秩父を飛び出して東京へ。

しんの(β)=夢に一区切りをつけ、秩父に残る。

単純に過去未来の関係ではなく、違う道を選んだ自分同士だったのだ。

α「色々なものを捨ててでも出てきた意味があるのか、俺にはわからない」

β「追いかけられねぇんだ……」

それぞれのセリフが双方の道に伸び続ける後悔を示す。

選ばなかった道の先にいる自分、選ばなかった道の前にいる自分。その二つの道が交わることはけしてない。

センスしか感じない登場機材

 あおいが使っているベース

Epiphone サンダーバード(の水色)

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しんの(18歳)が使っているギター

Gibson ファイアーバード

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あおいが使っていた便利なあれ。

VOX amPlug2 Bass ベース用ヘッドホンアンプ

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無難にストラトとかに走らないのがいいよね。使用機材からもあおいが持っているしんのへの想いが分かる。あーけど、憧れだとしたらギターを選ぶか。もし一緒に演奏したいっていう気持ちが楽器を始めたきっかけだとしたら、それはしんのへの「憧れ」とも違うのかな。いかんいかん深読みしすぎだ。

ローケーションプロダクトには有名企業が多数。

実在のモノが向こう側の世界にも存在していると次元の差がグッと近くなる気がする。

終わりに ~「空、くそ青い」~

 ☆3.5

普通に面白い。

一番評価するのは作品の終わり方。

 

あおいが一言。

 

「空、くそ青い」

 

そして余韻の間を置かずにすぐにエンドロールへ。

そうこれでいいのだ。18歳のしんのが消えたあとの話は蛇足に過ぎない。非現実的なファクターが消えれば、物語は終わる。アフターストーリーはエンドロールで静止画として流す程度でいい。

なぜなら、余韻は作品が終わってから観客が勝手に感じるものだから。作中で長々と別れや悲しみの余韻を演出することは蛇足だと私は思っている。

エンドロール中の俺(いやー、あおいちゃん可愛かったな。)

 

最後に。

周りで映画を見る人全然いないから語れる人がいなくて寂しいです。みんな映画見ましょ( ;  ; )

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気づくのが遅いから。

気づくのが遅いから。

「今更TOEICの勉強をしたところで何になるのだろう……」

今日もまた流れる英語の音声に集中し、聞こえてくる音を文字に書き起こす。

やはり私はいつだって気づくのが遅い。後悔してから手を伸ばすことがほんと多くて、そして結局なにも掴めない。その後悔に気づけただけでも立派だと過去の自分を正当化して、悔しいと思う気持ちに苛まれることなく納得してしまう素直さも昔から変わらない。

そんな私にとって大人の世界は厳しいようだ。なんて言っているけど、別に大人を軽視していたわけではない。ただ、もっと大人の世界はもっと大人しているものだと思っていた。実際は自分の人生を生きることに精いっぱいで、誰かを助けている余裕なんてないようだ。だから柵が外れた夜の街を跋扈する大人の姿を見ると、私利私欲のまま生きている下品な生き物に見えることがある。だけどその姿は生物として正しいのかもしれない。

強いものが弱者を食らう。弱肉強食の世界に平等なんてもの保障されない。すでにこの世は時間すら平等ではないのだから。だからこそ争いに勝ち抜くことが大切なんだと思った。そのために必要なことは、自負できる知識、自分にしかない経験、そして誰よりも自分を信じることができる自信。

って、やっぱり気づくのが遅い。そんなことはみんな知っている当たり前のこと。やっぱりみんなの一歩……いや何十歩も後ろを歩いているんだなぁと思いながら、耳に注がれ続ける英会話を止める。

繰り返し聞いたその音はゆっくりと私の身に沁み込んでいるのが分かる。だけど、それが芽を出すための水になっているのかはわからない。なにが自分のためで、何が正解で、どうしたら幸せになれるのか。なにもわからない。

 

微かに聞き取れるようになった「I'll」の音を何度も口ずさむ。

そんな些細な成長を喜んでいる私はやっぱりまだみんなの百歩後ろにいるんだろうな。

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10分 770文字

【ジョーカー】泣くように笑い続ける【感想】

話題の映画『JOKER(ジョーカー)』

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wwws.warnerbros.co.jp

 広告をあまり見た記憶がないけど、映画興行収入ランキングは2週連続1位を記録している話題の映画「ジョーカー」。

この映画はR15指定。だから絶対万人受けする内容ではないはずだ。そもそもアメコミヒーロー『バットマン』の番外編的立ち位置なので、入り口はあまり広くないようにも思える。

だが、公開から2週間たった今もその勢いは留まることを知らない。

うーん、なんでこんなに話題になっているんだろう。

R15指定ということは、愛と正義だけじゃ解決できない陰鬱な関係や遠慮なく噴き出す血みどろのGAMEは確約されたも同然だ。

え、それを見て「ジョーカーまじよかった!」と絶賛しているのだとしたら世も末じゃね。

私は「悪」にスポットライトが向けられたこの映画がなぜ好評なのか、その理由を確かめに劇場に向かった。(つまり単に見てみたかっただけ)

バットマンを一度も見たことないけど、大丈夫。


『ジョーカー』心優しき男がなぜ悪のカリスマへ変貌したのか!? 衝撃の予告編解禁

(↑木製看板でブッ叩かれるシーンが一番ビックリした)

私はバッマンなのかバッマンなのか曖昧なくらいバットマンに疎い。いやBADMAN,BUDMAN,BATMAN,BUTMAN,もちろんスペルも分からない。とりあえずBUDMAN(つぼみ男)ではないだろう。とても弱そう。

つまりバットマンの知識が「黒いよね」程度の私でもこの映画は十分楽しめた。

なによりまずバットマンは出てこない。超能力じみたアクションシーンもない。

 

その内容は単純明快で『一人の人間が闇に堕ちていく話』である。

コメディアンを目指す優しい男性アーサーがなぜ悪のカリスマジョーカーに堕ちてしまったのかを描くバットマンシリーズの番外編……と今、自分で打ってて思ったのだが、「堕ちていく」と表現するのは少し間違っているかもしれない。

そもそも主人公アーサーは光を浴びることがない陰鬱とした日々をこなしていた。つまり「堕ちる」ほど昇った場所に彼はいたことはない。冒頭シーンではあたかも「優しい人」として演出をされているが、演出を脱がせばそこにいるのは「空気を読めない迷惑で気弱な人」だ。不器用でも一生懸命に生きようとする姿と評価できるのは「主人公」というフィルターを通してアーサーを見ているからであって、実際に生身の彼を目の前にしてその惨めな姿に寄り添い、共感できる人間は少ないだろう。

だからこそこの映画は『負の成長記録』だと思う。

+⇒-の変化ではなく、-⇒-の成長だと思う。

言葉にするなら闇⇒悪みたいな。そんな感じ。

 

悪のカリスマを称賛するレビューが多いけど

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(こんな格好で犯罪に手を染めたらバレバレだろと思ったけど映画を見て納得)

だからこそ「ジョーカーまじよかった!」的な称賛には疑問が残る。

確かに一人の人間が染まっていくストーリーとしては筋が通ったものだったが、いくつものファクターがご都合主義的に用意されている気がしてならなかった。特に「拳銃」に関してはいろいろとツッコミたい。(なぜ銃を渡されたのか、なぜ病院という場所でポケットに入れっぱなしにしたのかなど)

面白い映画だったけど、面白いだけ。というのが私の感想である。

アーサーが不意に起こしてしまった殺人事件はゴッサムシティの貧民達を奮い立たせた。彼らは赤鼻のピエロのお面を被り、幸福を独り占めしている富裕層にたいして抗議運動を始める。

そこで崇め讃えられる人物がアーサーであり「ジョーカー」。それは負の群衆が一方的に作り出した悪のカリスマという偶像。

泣くように笑う

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(主人公アーサーを演じたホアキン・フェニックス

主人公アーサーは失笑恐怖症を抱えている。

ちょっとした気持ちの変化が生じると笑いが止まらなくなる失調症の一つである。

劇中でアーサーは突然笑いだすことが多々あるのだが、これがまぁー怖い。(小並感)

アーサーはずっと「泣くように笑い続ける」のだ。

泣き笑いとは全く違う。悲しくて、辛くて、苦しくて、泣くように笑うのだ。

この映画ではジョーカーの所作というよりも、その役者の演技力に恐怖を覚えた。

演技についての甲乙を語れるほどの身分じゃないけど、やっぱり邦画は洋画に勝てねぇやと確信させる作品だった。

まとめ 

 うーーーん、星は3つといったところ。

面白い映画だけど、面白いだけだった。バットマンシリーズを見てたらきっとこの感想は大きく変わってくるのだと思う。

そもそも自分は『羊たちの沈黙』と『SAW』をミックスした作品を(勝手に)期待してたせいもあって肩透かしを食らった気分でした笑。グロテスクなシーンはなくはないけど……まぁ頭を潰された人並みの流血量だからそんなに構える必要もありません。

とりあえずダークナイトを見てみようと思う〆

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てか絶対今年のハロウィンはジョーカーだらけになるよね