淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

【池袋】一蘭の値上げが超強気【天然とんこつラーメン】

豚骨ラーメンの王者『一蘭

怪しい光が街を包む深夜3時。閉まったシャッターに寄りかかる大学生たちを横目に空腹が満たせるところを探す。

誘うようにコンビニの光が私を照らすが、私の歩みが止まることはない。胃袋が求めているのは「豚骨ラーメン」。カップ麺で満足するほどこいつは素直な奴じゃない。そして今日は給料日、いつもと違う特別なラーメンが赤い暖簾を垂れ下げて俺を向かい入れる。

そう、ここは天然とんこつラーメン「一蘭

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これが一蘭のサービスだ

食券を買っていざ店内へ。流行りの邦楽が和テイストにアレンジされて流れている。

味集中カウンター

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一蘭と言えば特徴的なのが仕切られたカウンター席。左右に壁を作るだけではなく、店員との間さえ簾で仕切ることによって「味に集中できる」という画期的なシステムだ。(なんと特許も取ってる)おもてなしと騒がれる世の中だが、飲食店はこれでいいと思う。食べて帰る。これが全てで、これで十分なのだ。

 

専用オーダー用紙

テーブルに用意されているオーダー用紙に自分の好みを丸していく。

・味の濃さ

・こってり度

・にんにく

・ねぎ

・チャーシュー

・秘伝のたれ(辛いやつ)

・麺のかたさ

 

記入を終えて呼び出しボタンを押すと、顔が見えない仕切りの向こう側で店員が深々とお辞儀をしてオーダー用紙も持っていく。

替え玉注文システム

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間違って「半替え玉×3」を注文してしまった友人

替え玉の食券を出すと、銀色のプレートがもらえる。これをお呼び出しBOXの上に載せると軽快なチャルメラが流れ、替え玉の注文が完了だ。一切声を出す必要がなく、味に集中できる環境が徹底されている。

 

透き通ったとんこつラーメン

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天然とんこつラーメン(¥890)

味濃いめ、油多め、麺固め。深夜に食べるのは確実にギルティ。

ラーメンのこだわりはぜひ公式サイトをチェックしてほしい。ラーメン業界のなかで一番ホームページに力を入れている。

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ここで初めて声を出す。

「いただきます」

味はすっきりとした豚骨味。豚の臭みが前面にでる九州のとんこつとは対極にある。ストレート麺はスープと絡みにくいので、できるだけ息を吹きかけて冷ますことなく啜る。角が立った麺の触感を感じながら豚骨の風味を口に満たす。うーん少ししょっぱい(笑)

濃いめが美味しいと感じたあのころにはもう戻れないことを実感しながら、麺を吸い上げる。箸で挟める量が少なくなってきたタイミングで銀のプレートを所定の位置に置く。チャルメラの音が深夜のラーメン屋の中で静かに響いた。1分後、顔の見えない店員が持ってきた替え玉をスープに入れて再度食す。感動するおいしさではないが、この豚骨ラーメンはここでしか食べることができない。そんな唯一無二のラーメンだ。器の底が見えた深夜4時。24時間営業のラーメン店の存在に感謝しながら、最後に一言残して店を出る。

「ごちそうさまでしたー」

増税を受けて値上げ……っておい。

ラーメン¥890ってだいぶ強気な値段だと思う。

近くにはワンコイン500円ラーメンもあるし、逆に一蘭より高いラーメンを探すのが難しい。それでも昼時は大人気で行列をなしているのが池袋店だ。なぜなら中国人のお客さんに大人気だから。有名なガイドブックに紹介されて以降、中国人の客足が絶えないと聞く。だからだろうか。この値上げは……

 

値上げをこっそり知らせているページを見つけた。

そこに書かれていた値上げ後のラーメンの価格は……

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980円!!!

うわ、たっけ!!

ほぼ100円の値上げするこの強気。すっげ!

この値上げ幅は店舗によって異なっています。人気店が集まる山手線沿線は軒並み980円に…つまり替玉も一緒に頼んだら約1200円。外国で食べるramen noodleかよ。

ちなみに他の店舗はこんな感じ。

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見事な差別化である。

 

それでも一蘭に行く理由

それでも客足は絶えないだろう。なぜならあの「空間」はあそこにしかないから。一蘭の味は確かに美味しい。だが、とんこつラーメンという枠組みは超えてはいないので、結局他の店でも代用が効くラーメンだ。唯一無二のラーメンではない。おいしいけど。

しかし、あの空間は一蘭でしかありえない。

言葉を一切吐き出すことなく、ラーメンをひたすら飲み込む。至極単純な「飲食店」。接客なんかどうだっていい。ただ満足するものを食べられるのであればそれでいいのだ。そんな「食べたい」という単純なニーズにこれからも一蘭は応えていくことだろう。