サイゼリアの赤ワインのボトルはデカい。
ジョッキに触れてる唇はなんだか艶めかしいよね
1軒目のHUBでほろ酔い気分
天井に吊るされたテレビにはサッカーの試合が流れている。どうやらモンゴルと日本の試合らしい。日本の試合だというのに珍しく客足も疎らな池袋のHUBで、私と友人UZはお互いのグラスを合わせた。
私は甘さ控えめのレモンサワー『HUBレモン』。UZは青りんごの香り漂うクラフトビール『ドラフトサイダー』。どちらもジャンボサイズ。小さなハイテーブルの上に2つの大きなグラスが並んでいる。
HUBは開店から19時までハッピーアワーを設けており、人気カクテルが半額で飲める。一軒目の飲み屋としてとてもコスパがよいので、日が落ちる前に飲み屋に悩んだときはまずHUBを探す。
その後、2、3杯ジャンボサイズのなにかを飲んで2軒目に移動した。すでに記憶が曖昧ということからわかるように、私はお酒が弱い。
小雨が降る中、私たちはあるお店に向かった。
そこは年の経過と共に自然と遠のいていった懐かしのイタリアン店
「サイゼリア」だ。
サイゼリアのボトル(赤)は
サイゼリアは100円でワインが飲めると有名だが、果たしてボトルを頼んだことがある人は何人いるだろうか。
ほろ酔い気分で「安いし、ボトルでよくない?」と頭に出てきたバカみたいな私の提案を止める者もおらず、呼び出しボタンを押したひとさし指でメニューを指し「赤ワインをボトルで」と注文した。
1.5ℓ
……どうすんだよこれ。
1100円で1.5ℓの赤ワインが出てきた。お得すぎる、けどデカすぎる。
ボトルって普通700mlくらいじゃないの('_')
なお、私はグラス一杯でギブアップ満足しました。すまん、俺が強がったせいで…。
雑多な客層の中に昔の自分がいるような
店内を飛び交う様々な音が懐かしいBGMとなって自分の耳に届く。シルバーとデッシュがぶつかり合う固い音、パスタをお構いなしにすする音、6人掛けのテーブルで談笑する声。この雑多な感じがとても懐かしい。
中学、高校とよく足を運んだサイゼリアだったが、大学生になってからは急に行く頻度が減ったと思う。減ったというか行かなくなった。きっと大学生がサイゼリアに行くのはダサいみたいな風潮を肌で感じ取ったせいだろう。実際は全くそんなことはなく、誰もが認めるコスパ最強のファミレスとして貧乏学生は重宝すべき存在なのだが。(大切なデートで使うのはさすがにNG)
しかしやっぱりここは若い人が多い。20時を過ぎても店内にはシワが目立つ制服を着た高校生や私服でも幼さを隠し切れない顔をした中学生で溢れている。たしかに洒落た大学生や二十歳を超えた大人なら少し浮いてしまう空間。
自分のテーブルに目を移し、今日のメンツをあらためて確認する。UNIQLOのパーカーを羽織ったフリーター俺、hpのパソコン好きの大学生UZ、格安赤ワインのボトル1.5ℓ……
この雑多な空間に混じるには最高のメンツだった。