【全然読めなかった…】10月に読んだ本まとめ【3冊】
10月に読んだ本まとめ
時の速さに驚くことがなくなった。それは受け入れた証拠なのか、単に鈍感になったからなのか。季節の訪れは毎年さりげなくやってくるものだが、今年は風に吹かれながら寒暖入り混じる温度が忙しなく列島を走り回り、季節そのものをかき消しているようだった。
観測史上最大という看板を背負ってやってきた暴力的な強風(もう素直に台風と言えばいいんだろうけど)によって、生き生きと呼吸していた緑葉が地に広がり、今年は紅葉を見ることができないかもと危惧していたが、木もまた自然。緑々とした葉を蓄えた力強い木々の姿が窓から見える。
同じことを繰り返す日常。いつもの景色の些細な変化が時間の経過を実感させる。葉が色付くころには次の季節がもうすぐそこに来ている。変わりゆく風景の中で、変わらない何かを求めるようにふと足を止めて振り返りたくなる。
何が言いたいかって、なんでも言えばそれっぽくなるオシャレな季節。それが、秋だ。
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『りゅうおうのおしごと!10』白鳥士郎
竜王、遂に小学校の教壇に立つ!「澪たち、くじゅるー先生に鍛えてもらいたいんです!」小学生の将棋大会『なにわ王将戦』で優勝を目指すJS研。しかしあいの新しい担任にJSとの同居を問題視された八一は、自らの潔白を証明するため小学校で将棋の授業を受け持つことに。一方、女流名跡リーグ進出を目指すあいの前には謎の女流棋士が立ちはだかり、そして銀子は地獄の三段リーグで孤独な戦いを始めようとしていた―。それぞれの戦場で繰り広げられる魂の激突。決意と別離の第10巻!小さな背中に翼が生えたとき、天使は自らの力で羽摶き始める!!
あらすじより
1年前まで「歩」の動きすら知らなかったドドド素人が、今では空き時間に眺めるスマホの画面には将棋が写ってるんだから驚きだ。その実力は小学生相手にもボロ負けするくらい弱いんだけど……(先日、小学2年生に負けました
もちろん将棋に興味を持ったきっかけは「りゅうおうのおしごと!」。ここまでどっぷりハマり、影響されて将棋を始めてしまうなんてほんとアニメに影響されやすい男である。(けいおん!きっかけでギターを始めた過去有)
何度もここでべた褒めしているので、もう言わずもがなだと思うがあらためてお勧めしたい。
あらすじを読むとキモオタ専用ロリコン特化型ライトノベル臭がキツいが、その中身は魂を揺さぶるに熱に満ちたスポーツ小説。
万人に勧めたい作品なのだが、ラノベ特有の一般的に見てキモいと称される展開、表現、挿絵もあるのでうーーん、なんとも大声では進めにくい。小学生要素が薄かったらまだ…いや、他者を踏みにじる圧倒的な子供がいてこその物語世界だしな…うーん。
もしこうした二次元作品に抵抗がないようでしたら、5巻までぜひ読んでみてください。5巻が激熱です。
弟子が死ぬ寸前まで追い込み、相手の尊厳を踏みにじる。
俺がやっていることは結局、そういうことだ。
たかが将棋のためだけに。
p.231
『りゅうおうのおしごと!11』白鳥士郎
「私を殺して…」奨励会三段リーグで三連敗を喫し心が折れた銀子は、八一に懇願する。「俺が連れて行ってあげますよ。絶対に死ねる場所へ」こうして二人は将棋から逃げた。それは同時に、なぜ将棋を指すのか問い直す旅でもあり―なぜ、八一は銀子を『姉弟子』と呼ぶようになったのか?なぜ、銀子は女流タイトルを求めたのか?八一と銀子の出会いと修業時代の日々、そして“浪速の白雪姫”に隠された最大の秘密が遂に明かされる告白の第11巻!将棋の神が定めし残酷な運命は、誰に微笑むのか?
あらすじより
またこれかよ!
ということで、既存巻全て読み終わりました👏
今回は過去編。物語が長期化すると取って付けたような思い出話で尺を伸ばしますが、流石りゅうおうのおしごと!一巻から撒かれ放置されて続けていた様々な伏線を回収していきます。え、これいつの段階から構想を練っていたの。
そして驚くべきはこの評価。
評価157件で☆☆☆☆☆!
ここまで読み続けてきたファンの意見が大半だろうから好意的評価になるのは当たり前なんだけど、それでも☆5は凄くない?11巻に達してもなおファンの期待に応え、さらにはその期待を超えてくる作品って凄いなぁ。
へぇ?
持って生まれた才能が足りない?
「だったら私にはそれが必要なかったというだけのことよ」
p.329
『anego』林真理子
野田奈央子32歳、丸の内の大手商社社員、独身。上司からも、同僚からも、部下からも頼られる存在。…なのに自分の恋愛運だけにはなぜか恵まれない。そんな奈央子が次から次へと出会う恋愛の数々。合コン、お持ち帰り、セフレ、不倫、泥沼…。OLの性も、派遣社員の怒りも、そして結婚運に恵まれない女たちのいらだちも。すべてをリアルに描ききった、林真理子の代表作。
本作あらすじより
だれが好き好んでアラフォー手前のやり手OLの生活を覗き見しなきゃならんのか。と思うかもしれませんが、読んでみるとこれまた面白い。
ライトノベルは甘さ、辛さといった味覚みたいに分かりやすい感想を持つけど、やっぱり文学的な?小説がくれる興奮や息苦しさは得も言われぬ気持になるけど癖になる。その時に感じる快感が、捻くれていく合図なのかも。
幸せというのは、なんてわかりやすい形なんだろうと奈央子は思った。それを複雑にしているのは自分なのだ。
p.457
まとめ『3冊しか読めなかった…』
今月はTOEICに加えて新しい勉強を始めた影響もあって読書に回せる時間が少なかったです。のくせに本屋の前を通るとつい買っちゃうもんだから、積読だけが増えていく。だけど今めくらなきゃいけないのは小説じゃなくて英単語帳だし、書かなきゃいけないのはブログじゃなくて履歴書だし、空き時間は基本バイトぶち込んで稼がなきゃだし……充実はめちゃくちゃしているんですが、趣味に浸れる時間が少なくなってきたと実感しています。贅沢な悩みですね。
学生の頃…守ってもらえていた頃は本当に自由だったんだなぁ。「住」だけは未だ守ってもらってる立場ですが(笑)
読書を通じて得ることは沢山ありますが、それが身になるのは未熟で不完全な若者だけ。他者の言葉に耳を傾けず、凝り固まった大人にこの吸収力はない。だからこそ、みなさん今のうちに沢山読書(あと勉強)をしましょう!