淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

【劇場版SHIROBAKO】人生は永遠に”俺たたエンド”【ネタバレなし】

放送から早5年ですか……

f:id:lovelive-yuki:20200301145953j:image

『みなさん、五年ぶりのこんにちは。』

パンフレットに書かれていた監督の挨拶に驚く。えっ、SHIROBAKO(以下シロバコ)が放送されてから5年が経ったってこと?ほんとに?

shirobako-anime.com

シロバコはアニメーション制作現場を舞台にした群像アニメ。

ブラックな業界を取り上げる題目に”シロ”が付くなんて皮肉にも受け取れるが、これは制作会社が納品時に使用する白い箱(通称”白箱”)からきている。

実際のアニメ製作の流れを汲みながらトラブルや人間模様などを一生懸命働く大人の姿をコミカルに描き人気を博した。

その続編がついに公開。楽しみにしてないわけがない。

 

アニメの今を、よりリアルに。

f:id:lovelive-yuki:20200301150442j:image

5年前は新人制作進行の宮森あおい(21)も5年経てばラインプロデューサー(26)に大出世。勤め先の武蔵野アニメーションも勢いそのまま絶好……調とはいかないようで、開始早々、擦り傷が目立つ営業車と閑散とした職場が映し出される。

ヒット作を生み出したからと言って永年安泰になるわけはなく、愉悦に浸る暇もなくまた次なるヒットを狙い続けなければいけないアニメ業界。

クリエイティブな仕事の大変なところは”正解”を作業化できないところ。だから個々の力を蓄えた人は独立するし、会社に限界を感じた人は退職するし……

仲間たちが足並み揃えて歩み続けることはない。そんなリアルな現状から物語はスタート。

 

「いいよねー、やりたい仕事で忙しいんだから」

f:id:lovelive-yuki:20200301150451j:image

アニメ放送当時は自分はまだ高校3年生。働くとか仕事とか労働とかそんなものずっと遠くにあると思っていたけど、あっという間に追いついてしまった。

仕事に追われる中でふと思うのは「好きなことを仕事にしてる人っていいな」これは他愛もない嫉妬だ。

お金を稼ぐだけの単純作業にドラマはないし、熱もない。人生そんなものだ諦観することは容易だけど、目と汗を輝かして働いている同年代の姿が見えてしまう小さくて無力な自分と重ね合わせ、羨ましいな、楽しそうだなと思ってしまう。

だが好きなことを仕事にしている人達も当たり前だが苦労している。その苦労はきっと”好きなこと”だからこそきつく重くのしかかってくる

 

作中、宮森の姉が電話越しにこう言う。

「いいよねー、やりたい仕事で忙しいんだから」

その言葉にはなんの嫌味節もない。しかしその言葉を聞いた宮森の表情は曇る。クリエイティブ系の仕事に就く人は耳タコの言葉なのだろう。

やりたくない仕事の最終選択は簡単だ。辞めればいい。だが好きな仕事が抱える葛藤はとても深いところにありそうだ。

 

まとめ「人生は永遠に”俺たたエンド」

f:id:lovelive-yuki:20200301150625j:image

アニメ的演出やご都合主義感は否めない。それこそ実際にアニメーション制作現場で働いてる方は脚色しすぎだ!美談にするんじゃねぇ!と激怒するかもしれない!

ともあれただのアニメファンのわたしは大満足でした!終わり方も見事に仕事人ENDって感じで気持ちいい締め方でした。

 

最後にぬいぐるみのロロが呟いた言葉が胸に残りました。

「人生は永遠に”俺たたエンド”だからね」

※俺たたエンド/「俺たちの戦いはこれからだ!」に代表されるアニメ・漫画などの最終回のパターンの一つ。

f:id:lovelive-yuki:20200301150640j:image

1370文字 1時間

過去記事