【さわやか】ここは沼津、踏切越しのロマンスカー【丸勘】
今週のお題「わたしと乗り物」
月曜日空いてる？
シフト制の仕事は土日祝も仕事があって大変だと思うのは軽薄で、結局土日はどこも混み混みなので、しっかり休みを堪能できる真の休日とは平日である気もする。つまり休日＝平日。わけがわからん。
そんな真の休日をお盆休み明けで世の中が憂鬱となっている8月19日月曜日に持ってきたらしい私の友人。彼の一言「月曜日空いてる？」に誘われて、俺はラブライブサンシャイン！でお馴染み「静岡県沼津市」に行くことになった。ちなみに私は初代ラブライブ派です。（にこが好き）
お盆の締めくくりに相応しい小旅行が始まる
私の十八番事情
多々ある俺の十八番の中でも特にご年配層から好評なのは村下孝蔵の「ロマンスカー」だ。
おじさま、おばさまの前で腐るほど歌った村下孝蔵の「ロマンスカー」（と「踊り子」）だが、俺はロマンスカーに乗ったことがない。つまりロマンスカーが何者かもよく分からないまま、ちゃっかり十八番ですなんて自慢気に歌い切り最後には拍手を貰っていた（手前味噌だがそこそこ上手い）。
念願のロマンスカーを目の前にテンションがあがった。早速特急券を買って列車内へ。
おお、なんかオシャレな新幹線って感じ。周りのお客さんは制服を着た学生から肩を並べて眠る老夫婦まで様々だった。そしてなぜか特急券二枚綴りで購入したにも関わらず離れた席に座ることになった私たち。話し相手と離れてやることもないので少し不満げに英単語アプリを貪る俺。しかしその横、6D席に座したのはゴルフバックが似合う（超）美人なお姉さんだった。流れる風景をぼんやりと眺める自然な横顔は常世から切り取られ映画のワンシーンのように輝き、そしてターゲット1900公式アプリの500倍俺を魅了する。なんだか気持ちが高揚してきた気がするが、それは近づく沼津への期待感からだろう。
俺の特等席は助手席
小田原についた俺たちは予約したレンタカーが待っている駐車場へと向かった。駅から徒歩5分の場所で佇む日産NOTEを見つけ、友人が慣れた手つきで手続きを終わらせる。スマホ一台で車が借りられるなんてほんと便利になったものだ。
そして俺は運転席……の状態を確かめるように助手席に座る。ほんと車に関してはペラッペラのペーパードライバーのため運転は基本任せっぱなしだ。さらにいうとデートの時女の子にまで運転を任せてしまうくらい、あの、その、小心者なのである。いや、ほんと練習しなきゃ…。全力で車内に吐き出される冷気が汗っかき二人組の発汗作用をくすぐり始めたのを合図に、友人はアクセルをゆっくりと踏み込んだ。レッツゴー
さわやか 沼津学園通り店
SNSでよく見かけるひらがな四文字「さわやか」。その文字の上には美味しそうに加工されたハンバーグが置かれている。さわやかなハンバーグ……ミントの味でもするのだろうか。
この大人気ハンバーグ店「さわやか」はめちゃくちゃ売れているにも関わらず、静岡県のみで店舗展開を広げている超静岡贔屓のハンバーグ店である。（実情は鮮度問題）せっかく静岡を訪れたならばそのさわやかなハンバーグを胃袋に詰めて帰りたい。というわけで「さわやか 沼津学園通り店」の駐車場に至る。
オープンは11時からだが10時から整理券の発行が可能だ。
10時ジャストに店を訪れた時に留まっていた車の数は三台、そして俺たちが手にした整理券番号は……
「1番」
なんかうれしい。車は従業員の車だったみたい。
平成ヒットソングを聞きながら過ごすこと一時間。開店時間が近くなり店の中に入るとすでに多くの人が整理券片手に自分の番号が呼ばれるのを待っていた。「1」と書かれた紙を握りしめている友人の背中を追うように私は幽遊とウェイティング集団の先頭まで進む。
「それではこれよりご案内いたします！整理券番号1番のお客様ー！」
刑事が手帳を見せるように紙切れ一枚を肩の高さまで持っていき「1」を証明すると店員は微笑んで「こちらへどうぞ」と先導していく。まだ誰も座っていない客席を眺めながらまだ静かな店内を闊歩することに優越感を感じた。肉の焼ける音も、咀嚼音も、談笑する声も聞こえない1番だけが歩けるほんのひと時の不思議な空間。俺の後ろでは整理券番号が順に読み上げられ、俺たちに次いでどんどん案内されていく。増えていく客の音に起こされるように店はゆっくり目を開けていく。先導していたお姉さんが一つの席に手を向けた。車が行き交う景色が広がる窓際の席。そこに俺たちはゆっくりと腰を下ろした。
可愛いランチマット
どうやらミント味はしないらしい。
ハンバーグとビーフカレーセット（￥1393）
（インスタ用にしか撮ってなかった……）
第一印象は「ハンバーグがなんかチープだなぁ」だった。ソースがかかっていないこともあるが、どう見ても大人気店のハンバーグオーラはない。
しかし、ジュクジュクと鉄板の上で熱されている音や牛肉の塊が焼かれる香り、そしてカレーの香りがとにかく食欲をそそる。だが実は看板メニューは奥に見切れてる「げんこつハンバーグ」（メニュー名はさわやさ皆無）。こちらのハンバーグよりも二倍近くボリュームがあり、その差はヘビー級とライト級。同じハンバーグという業界でもこいつには勝てねぇ感をげんこつは出していた。
しかし大きさの違いはあるにせよ、どちらも人気店のハンバーグであることに変わりはない。ナイフでハンバーグの真ん中を捌いてみると肉質はレアに保たれ、ナイフを伝うように薄く赤い肉汁が流れてくる。これは鮮度がよい証拠だ。
熱々の鉄板から自分のお口にハンバーグをバトンタッチ。熱を帯びた旨味はテイクオーバーゾーンを順調に駆け回り、舌にバトンが渡された。
「ううまい！」
パス成功。久々に食べた牛肉を実感できるハンバーグは懐かしのバイト先デニーズのビーフハンバーグを思い出した。ああ、賄いでよく食べてた味に似ている。けど、こっちの方がさっぱりしてて食べやすいな。
そしてアンカーにはビーフカレーという心強い仲間がいることも忘れてはいけない。スパイシーな味と一緒に疾走することで旨味がゴールテープを……
「あっつッッッ！」
このカレーが全然冷めなくて苦労しました。（結局ライスをお替りして食べ切った）
炭火焼チーズバーガー（￥810）
実はこれが一番おいしかった。
丸勘 at 沼津みなと新鮮館
こんなに食べたくせして俺らの胃袋はブラックホールと言わんばかりの食欲旺盛二人組は海鮮丼を求めて港を訪れた。
話が変わるが、ここ沼津が舞台となった大人気アニメはみなさんご存知の通りラブライブサンシャインである。その中でも私は一番好きなのは国木田花丸。
身長153cm👍茶髪で少し癖があるふわっとした髪型👍特徴的な方言👍茶色タレ目👍そして文学少女👍
ところで国木田って苗字を聞くと「武蔵野」でお馴染み明治の文豪、国木田独歩先生を思い浮かべてしまいますね。
（髭を生やした野村萬斎ではない）
同時期の作家で仲もよかった田山花袋から花丸の「花」を取ったのかなーなんて微かに残ってる知識を参考に色々考察したくなります。じゃあ「丸」はどこから取ってきたんだろう？
そんな謎の「丸」を解き明かすためにやってきたのがここ「丸勘」
うわお
推し方が凄い。アニメイトよりポップに力が入っている。店の前では7人程度のオタク集団がテンション高めにメニューを眺めていると思えば、貼られているPOPを吟味していた。ここはアニメイトか。
メニューがほんと豊富だ。安いものはワンコインの500円。港町で提供されるどんぶりだとはとても信じられない破格である。しかし安いものにはわけがある。それはマッドシティ東京で痛いほど経験してきた。過度に持ち上げられた期待は落ちるのも一瞬だ。なので「まぁサイズがラーメン屋の一口ライスくらいなんだろうな」とあんまり期待せず注文を口にした。
サーモンといくらの親子丼（￥800）
普通にどんぶりが出てきた。
サーモンを一枚つまんで口に運ぶ。ああ、溶けるようなサーモンだ。冷凍臭が全くしない刺身は久しぶりに食べたかもしれない。口の中で何かが勢いよくはじけた。どうやらイクラが一粒サーモンにくっついてきたらしい。
その一粒でイクラのコンディションを理解するのに十分だった。このイクラは強いイクラだ。一粒つぶれた時に口内で響き鼓膜を揺らした破裂音「プチっ」。「ブリュっ」と潰れるスーパーのイクラに慣れた私に喝を入れる。
米とサーモンとイクラを豪快に掻き込む。まずはサーモンのあぶらが溶け出し、そして米の甘みが優しく包み込む。咀嚼して広がっていくサーモンの味と米の旨味、そして顎のリズムに合わせてイクラは跳ねあがり味を完成形まで持っていく。三位一体のどんぶりここにあり。美味しかったです。
終わりに
結局食ってばっかりである。ボーナスお盆休みはこうして幕を閉じた。（レンタカーの時間もあったので早めの解散）どれも美味しかったな。沼津いい街だ。次回は時間がなくて行けなかった「沼津港深海水族館 シーラカンスミュージアム」にぜひ行ってみたい。
また一つ思い出ができた。大学時代の夏よりも充実していると思うのは錯覚だろうか。自分にお金と時間の余裕がある限り、仕事が決まるまで友達との思い出をドンドン作っていきたいと思っている。大人になれないガキの最後の悪あがきである。冷ややかな目と温かい心で俺の「遊び」に付き合ってくれると嬉しいな笑
とりあえずシーラカンスに興味がある人を募集しています👍
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