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やるせない26歳が綴るこれは独り言

【読書】この夏読んだライトノベルを紹介。【ブックレビュー】

8月に読んだライトノベルを紹介します。

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前回に引き続き、今回はライトノベル

私がオタクになったきっかけはあるライトノベルでした。

その名も涼宮ハルヒの憂鬱

小学5年生の時に「人と違う趣味」が欲しいと思って、なぜかオタクを目指してしまった俺は「ハルヒってやつ読んどけばいいんじゃね」という偏見の元、お母さんに買ってきてもらった「涼宮ハルヒの憂鬱」を読んだところドはまりして、学校の朝読書の時間にカバーも付けず堂々と読んでたから大した11歳だよね。当時はキモイキモイと言われたけど、結局キモイっていってた人の大半はオタクになった。つまり我は先駆者なり。

最近は落ち着いて大衆文学や純文学を読むことが多くいなったけど、未だにラノベはパラパラ読む。いい意味で頭が疲れないから単純に娯楽として楽しめる。人間の生々しい欲望や、猥雑なラブストーリーばっか読んでると疲れるから…心が。

私の救いでもあるライトノベル。今月は積読していたラノベを空き時間を使って読破したので、一気に紹介していきます。

ちなみにあらすじは裏表紙の要約なのであしからず…

 

転生したらスライムだった件1』伏瀬

 

何という事もない人生を送っていた三上悟は、通り魔に刺され37年の人生に幕を閉じた…はずだった。ふと気がつくと、目も見えなければ、耳も聞こえない…。そんな状況の中、自分があの“スライム”に転生してしまった事に気づく。最弱と名高いモンスターである事に不満を感じつつも、お気楽スライムライフを満喫する三上悟だったが、天災級のモンスター“暴風竜ヴェルドラ”と出会ったことで運命は大きく動き出すー。

 いま最も勢いがあるライトノベル通称「転スラ」

異世界転生ものは新しい世界で最強の力を付与された主人公が大勢の美女に囲まれながらも、人道を踏み外さない程度に乳繰り合いながら旅をする話が多い。

転スラに関しては最弱のモンスター「スライム」として転生する点がとても目を引くが、結局最後には人間の形になる。

「なーんだ、結局ハーレムルートじゃん」

冴えない男(イケメン)に変わるのかと思えば、なんと美少女の姿に。いいねぇ……まさに異世界異性転。

物語自体は面白かったのだけれど、物語が始まった冒頭転生前の主人公の印象が少し悪かったのがモヤモヤと残る。ウケを狙って空回りしたあとのフォローの下手っぷりから生じる暴走気味のウザさは変にリアリティがあって、滑り倒す彼の一人称視点で語られていく物語に序盤寄り添うことができなかった……

見た目は幼女、中身は(ウザい)おっさんというギャップを狙いすぎた名探偵みたいな設定だが、主人公リムルが可愛いのでOKです。そしてアニメのキャラデザがめちゃかわです。

www.ten-sura.com

『ひげを剃る。そして女子高生を拾う。』しめさば

5年片想いした相手にバッサリ振られたサラリーマンの吉田。ヤケ酒の帰り道、路上に蹲る女子高生を見つけてー「ヤらせてあげるから泊めて」「そういうことを冗談でも言うんじゃねえ」「じゃあ、タダで泊めて」なし崩し的に始まった、少女・沙優との同居生活。

作者の妄想垂れ流しラブコメ?いいじゃない、ラノベだもの。

高校生という立場から身を引いて早5年が経ったわけだが、この年になってやっと女子高生ブランドを理解してきた気がする。 別に女子高生に興味が湧いてきたとかというわけではない。制服は好きだが

ライトノベルに書かれるJKは都合よく美化された偶像的なキャラクターにすぎないが、その未熟な神聖っぷりがオタク心をくすぐるのかもしれない。青春という限られた日々を永遠のものだと思いながら楽しく過ごす屈託のない女学生の姿は、愚かな不完全さを伴っていても魅力として映るのだろう。つまり若い子は魅力的ってこと。

で、あまり好きじゃないのがその女子高生という肩書が作者の欲としてだけで使われている場合だ。ヒロインの価値を上げるためだけにJKブランドを使うのは成人向け小説でやってほしい。

つまりタイトルに堂々と女子高生なんて書いてある低俗な本は嫌いだ。

だが表紙絵が可愛いかったため購入した。

読んでみるとライトノベルの非現実性と女子高生の現実性をうまく折半した作品だと思った。作者が書きたい萌えシーンはしっかり表現していく中で、生きたセリフを重ねていく。話はラブコメご都合主義で進んでいくが、キャラクターそれぞれに信念がはっきりと見えるため冷めることはない。

ちょっと重いエロティックなシーンがあるため、処女性を重んじられるオタク界隈での評価は分かれるかもしれないが、まぁいいんじゃないかな。沙優(JKヒロイン)可愛いし。柚葉(主人公の後輩女性)も可愛いし。

てかヒロインが中学生3年生と聞いたら思いっきりアウト感あるが、高校1年生と設定された途端、許容されやすくなる印象を受けるが気のせいだろうか。「許されざる禁断の恋愛」が許される最大値は女子高生ということか。

通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』井中だちま

「これからお母さんと一緒にたくさん冒険しましょうね」「あり得ないだろ…」念願のゲーム世界に転送された高校生、大好真人だが、なぜか真人を溺愛する母親の真々子も付いてきて!?

 「うわぁ、JKを語ったと思ったら次はお母さんかよ、こいつマジモンの変態だぜ」って声が聞こえてきそう。

ライトノベル界は毎日新たな世界が誕生している。しかし世界を成すその設計はどこも似通っているため、目新しさが輝く世界は滅多にない。

いくら目新しさが消えたからって「お母さん」を持ってきた作者はクレイジーだなと思った。タイトルも意味不明ながら、ヒロインの立場に実母を持ってくるストーリーなんて、どこぞの純文学じゃあるまいし、禁忌を犯すエディプスコンプレックスなんてラノベでやる内容じゃないじゃん……と半ば恐る恐る読んでみると意外と内容は普通だった。

関係性は母親が子供にべったりで、子供は母をウザがるパターン。そっちか。

感想を一言でいうと「姉妹系のキャラに吐き気がするほどの嫌悪感を抱く姉妹持ちの友人の気持ちがわかった」である。真々子さん(母)は確かに可愛く書かれているのだが……気持ちがむかむかして落ち着かなかった。俺は一人っ子なので世話が焼ける妹キャラとか助けてくれる姉貴といった属性が萌えるポイントだったこともあったが、、、確かに身内をヒロインに昇格させるのは無理だわ。。。

okaasan-online.com

りゅうおうのおしごと!4』白鳥士郎

 

小学校が夏休みに入ったその日、あい達は東京を目指していた。目的はー最大の女流棋戦『マイナビ女子オープン将棋トーナメント』。女流棋士やアマチュア強豪がひしめくその大会を、あいと天衣は破格の才能を武器に駆け上がって行く。

 女子高生とお母さんを語った後に今度は小学生がヒロインの作品を語る。なんか俺も相当やばい奴かもしれない。

結局ドはまりしてシリーズの読破を狙っている「りゅうおうのおしごと!」相変わらず勝負の描写が暑い。あの「のうりん」の作者だとは思えない。緻密に取材された実在する環境や、記録された棋譜、実際のプロの手癖などを参考に書かれる天才同士の攻防は手に汗握るものとなっている。文字を読んでいるはずなのにまるで目の前で対局を見ているような錯覚を起こすくらいの熱量だ。こんな感じに萌えとリアルがしっかり書かれている作品大好き。そして相変わらず夜叉神天衣(CV.佐倉綾音)が可愛い。

ビブリア古書堂の事件手帖7~栞子さんと果てない舞台~』三上延

 

ビブリア古書堂に迫る影。太宰治自家用の『晩年』をめぐり、取り引きに訪れた老獪な道具商の男。彼はある一冊の古書を残していくー。奇妙な縁に導かれ、対峙することになった劇作家ウィリアム・シェイクスピアの古書と謎多き仕掛け。

普段は物静かな性格だが、本のことになると急に饒舌になる「篠川栞子」と本が読めない体質にも関われず古書店でアルバイトをしている「五浦大輔」。まさにデコボココンビのような二人が古書をめぐる問題をばっさばさと解決していビブリア古書堂の事件手帖も最終巻。シリーズの最後はいつもページをめくる手が遅くなる。好きな作品が「終わってしまう」はやはり嫌だ。ではキャラクターたちの老後、そして彼ら彼女らが死すまで書いてほしいかと言われれば全くそうではないけど。実写映画は絶対見ないぞと思いながら最後の一行に視線を移した…

読了後感傷に浸りながら、アマゾンを眺めているとショートストーリーを集めた8巻がつい最近発売したらしい。なんだよ。ストーリーが終わっても短編集のような形で世界だけでも続けてくれると嬉しいよね。

毎回作者の勉強量には驚かされた。参考文献が一つの論文並みに連なっているのを見ると実在する古書を物語の軸として使う難しさと奥深さがよく伺える。ビブリアに登場していたのがきっかけで読んだ本もいくつもあった。ほんと本との出会いをありがとう。完結お疲れ様です。

biblia.jp

博多豚骨ラーメンズ木崎ちあき

福岡は一見平和な町だが、裏では犯罪が蔓延っている。今や殺し屋業の激戦区で、殺し屋専門の殺し屋がいるという都市伝説まであった。福岡市長のお抱え殺し屋、崖っぷちの新人社員、博多を愛する私立探偵、天才ハッカーの情報屋、美しすぎる復讐屋、闇組織に囚われた殺し屋。そんなアクの強い彼らが巻き込まれ、縺れ合い紡がれていく市長選。

作者は絶対成田良悟好き。

腐女子向けの作品だと思って読んでみると、同性からみても魅力的なキャラクターが多かった。てかキャラクターが多い。そして表紙で片膝立てている女の子可愛いなと思ったら、こいつ男だった。ふざけるな。それがいいって人もいるんだろうけど…

福岡というアウトローな街を舞台にそれぞれの仕事を抱えた殺し屋たちがあやとりのように綺麗に交わっていく。一巻から遠慮なくキャラが濃い登場人物で埋め尽くすスタイルはバッカーノやデュラララ!!を彷彿とさせた。1ページ目の登場人物表に何度戻ったことか…

ちなみにこれもアニメ化してました。

hakatatonkotsu-anime.com

 

おわりに

キモイやつからまともそうなものまで、だってここは魑魅魍魎としているライトノベル世界。ライトノベルのいいところは読みやすい。読書が苦手ならぜひライトノベルを手に取ってみては。オタクじゃない人向けのものもたくさん出版されているから、ぜひチェックしてみてください。(書き疲れたからテキトーに締めたい)

reyu.hatenablog.com

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