淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

【劇場版鬼滅の刃】これは桃太郎ではない【無限列車編】

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「劇場版鬼滅の刃の興行収益が…」

「今、大人気の鬼滅の刃……」

「ハロウィンのコスプレ会場には鬼滅の刃のキャラクターが…」

鬼滅の刃の人気の秘訣、それは…」

テレビから流れる紅蓮花だけでフルコーラス歌えるようになりました私です。

鬼滅の刃すごい人気ですね。最大瞬間風速を記録したサブカルチャーが”ブーム”として取り沙汰されることがあっても、ムーブメントになることはありませんでした。

劇場公開から1ヶ月たった今でも勢いは衰え知らず。止まらぬ人気にあやかった鬼滅コラボがいたるところで見られます。なんて浅はかな考えなんでしょう、そんなただ絵を貼り付けただけの見掛け倒しの量産型ではなんの意味も、、、と思えばなんと効果絶大なようで、鬼滅がラベリングされた某缶コーヒーの売り上げが2倍に伸びたとかなんとか。コロナで倒れかけている日本経済を先頭で引っ張っているのは鬼滅の刃と言っても過言ではないでしょう。

toyokeizai.net

でも不思議です。なぜ鬼滅の刃は「面白いアニメ」で止まることなく社会現象と化したのでしょうか。映画館で鬼滅の刃と向き合うことで新たな発見があるかもしれません。そう思って劇場に向かったのでありました。

 

予告編でドラ泣き。

少し脱線します。

私上映開始前に流れる予告編好きなんですよね。始まる前の仄暗いシアターも雰囲気も相まってあのこれから始まるぞ!って緊張感が好きなんです。

鬼滅の刃で流れた予告編は大半がアニメーションものでした。その中の一つ”スタンドバイミードラえもん2”。すみません不本意にも涙腺が刺激されてしまいました。数あるドラえもん名話の中でも今回映画化される”おばあちゃんの思い出”は名作中の名作です。これは同じく名作中の名作と名高い”のび太結婚前夜”に続くストーリーで……(割愛。

ネットでは結婚観と感動の押し売りとかなんとか言われて叩かれていますが、ぜひ観に行きたい一作ですね。

doraemon-3d.com

 

煉獄サンが凄いんでしょ

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それでは上映開始です。私は原作未読組なので展開も結末も知りません。ワクワクです。とりあえず今回の主役煉獄さんはクセ強めですね。けどアニメや漫画ではキャラが立つほど強い奴の法則があるので安心感があります。

序盤はギャグも含めながら緩急ある会話を展開して炭次郎ギルドの立ち位置を再確認する構図になっています。「鬼滅の刃?ああ、鬼を倒すんでしょ」くらいの理解度の人でも開始5分でキャラクターの性格と関係はつかめる初見さんにも優しい映画です。

 

クライマックスは突然に

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予告編で強敵感を醸し出してた鬼はやはり噛ませ犬だったようで(一応下弦の壱って立場の強い鬼らしいけど)、死因脱線という情けないやられ方で天に溶けていきました。

(あれ、終わっちゃった…)

と油断してたらいきなり、なんの前兆もなく、ほんと唐突に、上弦の参の鬼(つまりめちゃくちゃ強い鬼)アカザが現れました。いやいやいくらなんでもいきなりすぎる。101番目道路の草むらで野生のレジギガスが出てくるくらいのバグです。だって上弦の参ってことは上から三番目に強いわけで、だけど物語的にも無限列車編は序盤なわけで…うーんバグ。

けどたしかにこのままエンドロールを迎えたら煉獄さんは寝て食べて少し刀を抜いただけの強い変人で終わってしまうところだったのでナイスタイミングといえばそうだと思います。

『鬼にならないか?』

『断る』

交渉決裂は始まりの合図。紅の赤火と鬼の青火がぶつかり合う戦闘シーンは必見です。

 

白熱する最強同士の対峙は見ていて胸が熱くなります。煉獄さんの熱がこちらにまで伝わってくるようです。しかしその戦いは意外な形で幕を閉じました。ある意味”人間らしい”結末は私をほんとうに驚かせました。こんな終わり方ありですかと。王道の少年漫画と見せかけていい意味で期待を裏切ってきましたね…

最強同士の戦いをただ眺めることしかできなかった炭次郎。怒りと悔しさに満ちた叫びが観客と同調します。そしてLisaが歌う炎が流れ始めてエンドロールへ…

感想。

劇場版鬼滅の刃、とても面白かったです!

ストーリーは鬼を倒すお話と明快でありながら、だけど桃太郎のような一方的な鬼退治ではなく、人が正義の名の元で鬼の命を奪うように鬼にも鬼なりの生きる信念を持っていて、人と鬼が対話するように殺し合う構図が鬼滅の刃の面白いところだと思います。

カマホモ手首取れ太郎も人を喰らう作法に自分なりの”美”を持っている鬼でしたし、スカウトマンのアカザも人間をやめる”意味”に自分の意志を重ねていて、2人とも敵でありながらとても魅力的でした。

また炭次郎のような自分の弱さに気づく主人公って最近珍しいと思いました。成長は得ることだけじゃありません。手放すことで土から芽を出すこともあるのです。成功を繰り返して強くなる主人公もかっこいいですけど、挫折と後悔を繰り返しながら一歩ずつ成長していく少年漫画主人公がもっと増えてもいいと思うんですけどねー。

 

ではでは

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