淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

へんなはこ

 


携帯電話 RADWIMPS MV

中三のクリスマスに買ってもらったipod nanoから流れてくる音楽は専らBUMP OF CHICKENRADWIMPSだった。それから10年経ったいまでも同じ曲がスマートフォンから聞こえてくる。”聞こえてくる”といった理由はバンプもラッドも選んで自分から聞くことがなくなったからだ。嫌いになったわけではないし飽きたわけでもないけど、ランダム再生でしかあの曲たちと出会うことはなくなった。

スマートフォンから再生される”携帯電話”ってなんか面白い』

Bluetoothで繋がれたイヤホンから流れてきた音に耳を傾け冷たい景色の中で柔らかく灯るイルミネーションにあの頃を投影する。携帯電話をポッケに入れて塾に向かってたころ、英語の先生がスマートフォンを自慢げに見せてきたころ、SNSなんてなかった時代だったのに過不足ない充実していた生活を送っていた気がする。携帯電話、通称”ケータイ”は思春期真っ只の中学生と非常に相性がよかった。そのせいで八百万の堕天使を降臨させてしまったり、メアドに愛の証明を記したり、難病のイケメンが恋物語の餌になってたり、色彩豊かなメールに千円とられたり……ケータイを通じて学ばせてもらったことはとても多い。そんな過去の遺物ケータイじゃ現代の神器スマホの役割は補えない。だけどケータイは文字や声だけで閉鎖的に繋がることができた。相手以外の他者が介在しないメールや電話はそれゆえに黒歴史を作り易かったけども、打つ文字や話す言葉の源泉は本心にあった気がする。

剥がれかけてるリンゴのシールはそのままに私の携帯電話は段ボールの奥底で眠っていた。何年ぶりに手にしたそれを何年ぶりの手癖でパカパカしたあと電源ボタンを長押ししてみたけど画面が明るくなることはなかった。

『中学のころ使ってた携帯がでてきた!懐かしい写真がいっぱいある!』

ツイートの文字に指を添えてちっぽけな歴史を刻む。ケータイと仲良くやっていたころより少しばかり大人になってしまったから、飾られた言葉で私は私の歴史を記録する。

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