淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

怒る私とヤクルト1000

ヤクルト1000をご存知だろうか。

口コミを見ると現代の合法ヒ○ポンと言っても過言ではないくらいその効果は絶大らしい。乳酸で腸の調子を調整すると超絶好調になるという研究も上がっている。なんとうつ病にも効果があるとかないとか。

SNSを中心に評判が広まり、今では入手困難の劇薬みたいな扱われ方をしているヤクルト1000。ヤクルトレディに『例のアレ』で通じるあたりマジでヒ○ポンだろ、はだしのゲン思い出したわ。

ミーハーな私の興味がそそられないわけがない。これまで様々なサプリメントを試してきたが効果を実感できたのは鉄分だけでそれ以外は『よくわかんないけど勿体無いから全部飲もう』と半ば義務感で胃に下してきた。

ヤクルト1000。飲めば、体の疲れが取れてリフレッシュできて意欲に溢れる。『しかし悪夢を見やすくなる…』そこだけ切り取るとやっぱり完全にアウトなんだよなぁ…

話を聞く限り、これはヤクルト1000のというよりは乳酸菌の効能っぽいから代替可能だろうということで、乳飲料界のいぶし銀でお馴染みのピルクルを手に取った。

1000個なのか1000万個なのか、はたまた億なのか兆なのか知らないがピルクルだって1000くらいの乳酸菌は入っているはず。そもそも"1000"が乳酸菌の数を示しているかさえ不明だが。本当なら同量の乳酸菌を摂取するために必要本数を飲むべきなのだろうが、割り算が世界一嫌いな私は『とりま寝る前に乳酸菌を飲んでおけばいいわけでしょ』と"乳酸菌押し並べて劇薬自論"を出して、とりあえず一気に飲み干し、甘ったるさが喉元に残ったまま眠りについた。

夢に落ちるまでは早かった。ただそれは絶対に読書疲れによるもので間違いない。てかそもそも寝つきはいい方だから、いつも通りである。

 

そして噂通り私は悪夢を見た。

一人称視点の景色だ。後輩と思われるスーツ姿の若者に怒ってる。怒ってる理由は生意気な言葉遣いとか太々しい態度とか些細なことで。顔を俯かせて説教を聞く後輩。畳み掛ける説教の中に一呼吸の間があった。ボソッと何か呟いて後輩らしき男性はその場を離れていった。わざとらしくため息をつく私。そこからは断片的で、ほとんど忘れた。

 

そんなわけで、『乳酸菌パワー全開!爽やかな朝!1日頑張ろう!ムキムキ!』からほど遠い場所で朝を迎えた。登り切った激情が滑落した疲れと気持ち悪い後悔を抱えながら。

さてこれはピルクルのせいだろうか。多分それはない。現実の疲れが空想の疲れを呼んだきただけだろう。なにその地獄のような悪循環。夢見る三十路じゃいられないってこと?

今でもはっきり覚えている怒りの感情と、もう一つ。激昂する私の斜向かいにあった机に、ヤクルト1000があったことだ。

 

ヤクルト1000、間接的でも効果絶大とは恐るべし。

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