乾杯の言葉に友達への感謝を。
お盆休みが終わった。
20日ぶりの休日(それも連休!)を手に入れても、ぎゅっと握りつぶせばこぼれ落ちるの星の砂。さらさらと時は流れてゆくものだ。私の休日は終わった。
カレンダーを見返すと忌々しく書かれた"仕事"の文字が乱立している。だがこのお盆シーズンはいつも違った。憂鬱な文字の下には多くの友達の名前が刻まれていた。そうだ、私は今日に至るまでずっと誰かと会って、一緒に盃を交わす日々を過ごしてきたんだ。
私の発言、言葉を見れば分かる通り、私は変わり者だ。そこに一抹の才能というやつがあれば天才肌と称されこんなブログでちまちまなんやら言う暇もなく開放的で酒池肉林な20代を送れたかもしれないが、親譲の平均身長、平均体重、平均学歴、自慢と言えば東京(23区)育ちくらいの変わり者が導かれた現実は都内にあるビバ中小企業(それも限りなく黒に近いグレー)で汗水垂らす社畜生活だった。将来の夢とは程遠い普通の大人であることに嫌気が差す。普通であることの尊さもわかってるが自分自身納得しない。もしなにか才能があれば……はいはいそれもわかってる、そんな思い込みは自惚れというものだ。
私は自分が凡人だと気づくのに遅い人間だった。「〇〇って変わってるよね」の発言を最大の褒め言葉と勘違いして自分が可能性に満ち溢れていると無自覚のまま生活していて…そう、アホだった。過去の発言や行動を思い出すたびに羽毛が悲鳴をあげるまで枕に顔を埋めたくなる。そんな私を面白がってか憐れんだか蔑んでか、はたまた私からずいずいニヤニヤ近寄ったのかきっかけは今となっては不明だが、今、「なんか飲まない?」となんか誘える、なんか誘ってもらえる存在がなんかいて一緒にお酒を飲んだ日々を振り返ってはと思った。
私はこれから沢山の彼女と関係を結ぶだろう。そんな存在に出会うはずだ。出会う。出会います。なぜなら彼女の作り方は簡単だから。
「付き合いましょう」
「はいわかりました」
これで彼氏彼女という関係が出来上がる。
しかし友達はどうだろう。
「友達になりましょう」
これまでの人生で一度も口にしたことがない。目の前にある友達は、なんかそこにいて、なんか気があって、なんか仲良くなって、なんか一緒にいて、なんか今日になった、"なんか"だらけの曖昧な関係。そこに契りを交わす言葉も記念日も存在しない。故に友達という本当に尊い存在なのではないか。これから沢山女性と関係を持って「誰を選ぼうかなぁ」と余裕をかます野獣たる男、ついでにSNSでモテ男理論を語っちゃうまだ見ぬ自分に期待してる私だが、これからの私が歩んでいく道の上になんか気が合う存在と出会う…自信はない。
振り返ればこの1週間はほんと楽しかった。
高校時代バンドも組んでた友達。特段2人で遊んだ記憶はないけど、固い友情で結ばれてる、よね???昔の過ちを笑ってくれてとても嬉しい。コロナになっちゃったあやつも含めてまた飲もう。
幼馴染の男。あらためて言葉は必要としないだろう。元カノのことはいい加減忘れよう。
中学時代同じテニス部だった友達。ここまで縁が続くとは不思議なものだ。男女の友情はあるかもしれないが俺はいつだってワンチャンを狙ってる。
なんかよくわからないけどなんか仲良くなってしまった友人。まさに"なんか"を実感させる存在。一緒にカンボジアに行く仲になるなんて想像もしてなかった。またきっといい出会いがあるさ。
3年ぶりに会った友達。俺に劣らず変わり者。俺に劣らずブラック勤め。メイドが奉仕してくれるシーシャに行こう。てかタバコ吸わない??
中学卒業ぶりくらいに会った友達。保育園が一緒だった。不思議と長い縁を実感する。あと俺の第一志望高校に受かったことは一生根に持つ。
幼馴染の女。あらためて言葉は必要としないだろう。我が道を進め。
二十歳になったばかりの大学生。誕生日おめでとう。ベラベラと人生論を語っても笑顔で首を縦に振ってくれてありがとう。学生時代の後悔というが、そもそも後悔というものは……
高校時代なんか仲良くなった友達。挨拶は「転職したいね」になって久しい。パチンコは遊戯です。夏コミまた行きたいな。てかタバコ吸わない??
脚長おじさん。彼女とお幸せに。以上。
愛すべき後輩。牡蠣ほんと美味かったけどあれはもう実質パパ活の伝票なのよ。これからどんな素敵な日々を送って素敵な大人になっていくのだろう。
会えなかった友達にもあわせて感謝を。
一緒に過ごした時間の長さではなく共有できる思い出が結ぶ仲、友達。人生うまくいかないことだらけ、1番叶えたい夢にかすりもせずよくて第3志望くらいの獣道に迷い込み、それでももうちょっと頑張ろうかなと一歩踏み出せるのは同じように頑張っている存在がいるから。
感謝の意味をこめて、自慢の意味もこめて、この酔いが覚めないうちに文字に残しておこう。
ありがとう。これからもよろしく。