歩いてみた。初台⇨新宿編
この距離なら歩こうかなって時、あるよね。
今日訪れたのは新宿から京王新線で二駅、そうここは『初台』。
行きは電車を使ったが(てかJR西口から京王新線の乗り場遠くない?)、いざ初台に到着して地図を確認してみると、縮小せずとも 同じページに表示されるくらい新宿と初台は近かった。
なので今日は、歩いて帰ろう。
走る街を見下ろして~♬
初台 新国立劇場がお出迎え。
日本が誇る劇場と言えばここ新国立劇場。
だけど、オペラとかバレエとか造詣が深い人向けのものが多いので観に来たことある人は少ないと思う。それに鑑賞料も高いしね、一度はオペラを生で聞いてみたいと思うけど、学割がなくなった今だとなかなか……。
ちなみに学生だと当日券が最大50%引きになったりと超お得です。
ああ、学生のうちにもっと色々見に行けばよかった…
NTT東日本
国道20号に沿って進むこと5分。目の前にバカでかいオフィスビルが。
ここは天下のNTT東日本の本社ビルだ!
東日本電信電話(実はこれが本当の社名)
資本金 3,350億
売上 1兆5,119億円(2017年度)
営業利益 2,427億円(2018年度)
従業員数 4,750人
あらためて数字を見ると恐ろしい会社ですね。なんだ1兆って。ちなみにNTTっていうのは『NIPPON TELEGRAPH AND TELEPHONE』の略だそうです。
一応、NTTの子会社って名目だけど。兆の数字を持つ企業に『子』の漢字は似合わないよ。
ちなみにNTTグループの総売り上げは11兆。凄い(小並感)
あいおいニッセイ同和損保…のビル
ここは『あいおいニッセイ同和損保』の本社…ではなくただのビル。ハイスペックな会議室を貸し出しているらしい。
ちなみに『あいおい』の意味って知ってますか?漢字で書くと『相生』で「2本の木が同じ根っこから生える」の意味から転じ、「共に生きること」を意味します。
なるほどね、保険屋さんにはぴったりの言葉だ。
新宿はモード学園と工学院大学だけじゃない!『文化学園大学』
ファッション系最強の大学「文化学園大学」
服装学部、造形学部、現代文化学部とユニークな学部が揃っている。
そしてキャンパスがとにかくデカい。
ビル群に混じってどこまでが大学が広がっているのかわからない。
謎の会社「Pfizer」
見上げてみるとPfizerの文字が。ぷ…プフィザー…??
主要商品は弱った男性の味方「バイアグラ」。この用語をクレヨンしんちゃんで覚えて、「バイアグラ!」を家で連発してたなぁ…そりゃ母親に怒られるわ。
ここは間違いなく日本を支えている製薬会社だ。
新宿南口に到着。
30分ほどで新宿に到着。おかげで電車賃126円は浮きました。
ただ歩くだけではなく、なにかネタを探しながら進んでいくと色々な発見がありますね。
文章乱切りするかの如く短く切って書き並べてしまいました。というのもノリノリで歩いて帰ってきたらがっつり風邪ひきました。つたない文章ですんまそん。季節の変わり目、風邪には気を付けてください~
【記憶にございません!】暴れている中井貴一をもっと見たかった【感想】
記憶にございません!を見て
アニメを除いて邦画を映画館であまり見ることがない私だが、三谷幸喜監督最新作『記憶にございません!』はやっぱり映画館で観たいとずっと思っていた。
三谷作品は欠かさずチェックしているくらい大ファン、ではない。逆に三谷作品の独特なテンポが少し苦手なくらいだ。
しかし、劇場CMで突然流れてきた荒ぶる中井貴一。
あのインパクトが強すぎて、ずっと頭にこびり付いていた。
「このクソヤローーー!クソーー!」
「だぁから、うるせぇなもう!記憶にねぇんだっ!」
「記憶にございません!」
ミクプルーンのCMを降ろされても文句が言えない暴れっぷりである。あんな中井貴一見たことない。しかし、たった10秒足らずの映像からわかるクズ役へのハマりっぷり。そしてその周りを取り囲むキャストも三谷軍団から個性派役者、えっあの人まで!?と豪華メンバーがそろい踏み。これは楽しみだ。
大人料金が1200円になるお得なファーストデイを見計らって、いざ映画館へ。
(10月1日に見に行きました)
少しネタバレ有です。
見た目は暴君映画、中身は結構ハートフルムービー
映画を観終わった感想は「物足りない」だった。
私がこの映画に求めていたのは「まだ見ぬ中井貴一の可能性」だったのだが、劇中の大半は記憶をなくして温厚になってしまった中井貴一で物語は進んでいく。
見たかった暴れん坊総理のシーンはCMで流れされたシーンが大半だった。
俺はもっと暴れている黒田総理、否、中井貴一を見たかったのに…
また、ストーリーの展開は記憶をなくした総理が日本を面白おかしく動かしていく、と思えば、スポットは国家レベルからかなり縮小して家族愛に向く。
その内容は総理に振り回されて崩壊寸前の家族との絆と記憶を取り戻すハートフルストーリー。確かにクスっとするシーンはあったけど爆笑とは至らなかった。なんとも中途半端なテンションで終始物語が進んでいって、とてももどかしかった。
落ちはしっかりと用意されているので、納得いく終わり方ではあるが「暴れている中井貴一」を期待して見に行くと、肩透かしを食らうだろう。
結論。ディーンフジオカと草刈正雄はカッコいい
注目した役者は二人。
怪しい首相秘書官を演じるディーンフジオカ(180cm)
めちゃくちゃ肌が綺麗。真面目腐った役柄が似合う整いすぎている顔。気だるそうな息を含んだ低い声がまたセクシー。怪しい雰囲気をむんむんにさせながらも「いいやつ」オーラ―が抜けきらない人の好さも👍
黒い怪しさをこれでもかとまき散らす官房長官をこれまたセクシーに演じたのは草刈正雄(185cm)
浅黒く焼けた肌に鼻筋が真っ直ぐ通ったハーフのおじさんはかっこよすぎるよ……。これぞダンディの権化。側近という立場を使って、総理の首を狙う意地悪な役柄を演じているのにどこか憎めないチャーミングさ。こんなおっさんになりたいな…
そしてディーンといい、この整った高身長。なぜ神は二物を授けるのか。
二人とも演じている役柄上スーツで登場することが多かったのですが、その皺ひとつないスーツ姿には男の人ほど惚れ惚れすると思います。いつか彼らのようにスーツを着こなしたい……けどそれは学歴とか収入とか努力じゃどうにもならない天性のもの(涙)
高身長は許そう。イケメンも許そう。
しかし、高身長でイケメンのやつら。
お前らは絶対に許さない(´;ω;`)ウッ…
台風の日は外に出たくなる
降りしきる雨の音を聞きながらこんばんは、私です。あ、いま風も吹いてきました。
東京は1日中雨が降っていましたね。いまだ止む気配もなく、終始ただただ降りしきる雨って本当に久しぶりな気がします。女心と秋の空なんて言葉に表される秋の天気がここまで素直だと逆に可愛いものです。つまり素直な女の子は可愛い。
本当は冒頭の入りを「歩みを止めない雨脚が街を~」で始めようと思ったのですが、さすがに今回は足音に形容されるほど生易しいものではなく、叩きつける雨がドッタンバッタン大騒ぎでただうるさいだけでした。ただこれでまだ台風は上陸していないのだから驚きです。
台風の上陸まであと少し。怖いなと思う反面、少しだけこの非日常感にドキドキと胸を高鳴らせているのは私だけでしょうか。不謹慎なのであまり大声では言いませんが、台風の日は外に出たくなる性根です。いつもはインドアなのに。これが俗にいう正常性バイアス(自分は平気だろと思ってしまう心理)に陥った人間ってやつなのかもしれません。
ボーッとした頭のまま書いたので本当に独り言って感じですね笑
台風+独り+雨音が響く個室……
= うっ、寂しい(;_・)
窓際はお気をつけて。
避難させた植物
サイゼリアの赤ワインのボトルはデカい。
ジョッキに触れてる唇はなんだか艶めかしいよね
1軒目のHUBでほろ酔い気分
天井に吊るされたテレビにはサッカーの試合が流れている。どうやらモンゴルと日本の試合らしい。日本の試合だというのに珍しく客足も疎らな池袋のHUBで、私と友人UZはお互いのグラスを合わせた。
私は甘さ控えめのレモンサワー『HUBレモン』。UZは青りんごの香り漂うクラフトビール『ドラフトサイダー』。どちらもジャンボサイズ。小さなハイテーブルの上に2つの大きなグラスが並んでいる。
HUBは開店から19時までハッピーアワーを設けており、人気カクテルが半額で飲める。一軒目の飲み屋としてとてもコスパがよいので、日が落ちる前に飲み屋に悩んだときはまずHUBを探す。
その後、2、3杯ジャンボサイズのなにかを飲んで2軒目に移動した。すでに記憶が曖昧ということからわかるように、私はお酒が弱い。
小雨が降る中、私たちはあるお店に向かった。
そこは年の経過と共に自然と遠のいていった懐かしのイタリアン店
「サイゼリア」だ。
サイゼリアのボトル(赤)は
サイゼリアは100円でワインが飲めると有名だが、果たしてボトルを頼んだことがある人は何人いるだろうか。
ほろ酔い気分で「安いし、ボトルでよくない?」と頭に出てきたバカみたいな私の提案を止める者もおらず、呼び出しボタンを押したひとさし指でメニューを指し「赤ワインをボトルで」と注文した。
1.5ℓ
……どうすんだよこれ。
1100円で1.5ℓの赤ワインが出てきた。お得すぎる、けどデカすぎる。
ボトルって普通700mlくらいじゃないの('_')
なお、私はグラス一杯でギブアップ満足しました。すまん、俺が強がったせいで…。
雑多な客層の中に昔の自分がいるような
店内を飛び交う様々な音が懐かしいBGMとなって自分の耳に届く。シルバーとデッシュがぶつかり合う固い音、パスタをお構いなしにすする音、6人掛けのテーブルで談笑する声。この雑多な感じがとても懐かしい。
中学、高校とよく足を運んだサイゼリアだったが、大学生になってからは急に行く頻度が減ったと思う。減ったというか行かなくなった。きっと大学生がサイゼリアに行くのはダサいみたいな風潮を肌で感じ取ったせいだろう。実際は全くそんなことはなく、誰もが認めるコスパ最強のファミレスとして貧乏学生は重宝すべき存在なのだが。(大切なデートで使うのはさすがにNG)
しかしやっぱりここは若い人が多い。20時を過ぎても店内にはシワが目立つ制服を着た高校生や私服でも幼さを隠し切れない顔をした中学生で溢れている。たしかに洒落た大学生や二十歳を超えた大人なら少し浮いてしまう空間。
自分のテーブルに目を移し、今日のメンツをあらためて確認する。UNIQLOのパーカーを羽織ったフリーター俺、hpのパソコン好きの大学生UZ、格安赤ワインのボトル1.5ℓ……
この雑多な空間に混じるには最高のメンツだった。
【VAPE myblu】眠気覚ましとして使い道【マイブル】
眠くて眠くて仕方がない!!!
温かい日の光が背中を包む。
睡魔と格闘するお昼過ぎ。
回らない脳みそ。
定まらない焦点。
脱力と緊張を何度も繰り返す頭部。
時の経過を忘れ熱戦を繰り広げる。
秋の訪れをほのかに感じる今は10月初旬。太陽は地上に向けて優しい笑みを向け、心地よいカラッとした風が肌を撫でる。
背もたれに寄りかかれば、意識すでにここにあらず。
なにをしても眠くて仕方がない!!
そんなあなたにおすすめ!
VAPE 『my blu(マイブル)』
my blu(マイブル)とは
電子タバコ?いいえ違います!!
ニコチン・タールが0!
なので体に悪い影響は一切ありません!
吸い込むのは煙ではなく、水蒸気!
吸うと喉が焼けるどころか喉が潤っちゃう。乾燥が気になるこれからの時期にも丁度いいですね。本来の用途は禁煙支援らしいですね。
レビューを見ると
「禁煙できそうです!」
「たばこがやめられそうです」
「こんどこそ…」
……意志が弱そうなコメントがレビューに並んでいますけど。
だが私は喫煙者じゃない方にこのマイブルをお勧めしたいのです。
タバコ吸わない人におすすめしたい理由
非喫煙者におすすめしたい理由は3つ。
①喫煙所コミュニケーションに参加できる。
とんでもなく重要な商談がタバコを挟んだ状態で行われることは少なくないですよね。タバコ休憩とかわけのわからん喫煙者の特権を認めている会社もあったり。タバコは確かに体に悪いですが、吸っていたほうが色々と「得」なことがあるのは確か。
喫煙所は社会人のリラックススペース(室外は冬地獄だけど)。
そこへの入場券はタバコ?いいえ、『煙が出るなにか』です。
マイブル―はその条件を満たします。
②眠気覚まし
エナジードリンク、ガム、目薬と様々な眠気対抗策を講じてきた私ですが、このマイブル―が一番効果がありました。
けして覚醒する危ない何かが入っているわけじゃないのになんでだろう。
その理由は考えてみれば至極簡単。
深呼吸をしているからである。
深く吸って、深く吐く。
ただそれだけで眠気は消えていく。脳内の酸素濃度がどーのこーのって聞いたことありますね、そういえば。
じゃあ別に買わなくても深呼吸したら眠気冷めるんじゃん!
ところがいきなり職場で深呼吸を始めてみなさい。
彼はどうしたんだ。怒りを抑えているのか、発作なのかと周りに心配されてしまいます。
そこでマイブルー。口に咥えれば堂々と深呼吸が可能なんです!
ま、家出もない限り吸える場所は副流煙まみれの喫煙所になってしまうが…('_')
③フレーバーで自分好みの煙を。
マイブルはフレーバーポットで様々な香りを楽しむことができるんです!
オーソドックスなミントから、禁煙者向けのタバコの香り、パインやレモン、青りんごといったフレッシュ果実まで。きっと自分好みの香りが見つかるでしょう!
個人的には火災現場体験コーナーに充満していたあのバニラの香りを販売してほしい。
つまり眠気対策だけではなく、ブレスケア的なリフレッシュ効果も期待できるのです。
プレゼントにマイブルを!
そういえば最近よくCMが流れていますね。
たばこじゃないからセーフなのか。なるほど。
↓のセットは必要なものが全て揃ってお手頃価格!
ぜひ大切な人へのクリスマスプレゼントに……いや、これは嫌だよな。
過去記事もどぞ
【考察】「いつかのメリークリスマス」は失恋ソングではない【歌詞】
4時間かけて放送する音楽番組って珍しい
歌のゴールデンヒット~昭和・平成・令和の歴代歌王ベスト100~が10月7日TBSで放送された。
その内容は株式会社オリコンがオリコンチャートとして売り上げ集計を開始した1968年から2019年までの51年間で最もシングルを売り上げた男性アーティストをランキング形式で発表するといったものだ。なるほど、だから歴代歌唱「王」なのか。
ランキングの結果は以下の通り。
1位 B’z
2位 Mr.Children
3位 嵐
4位 サザンオールスターズ
5位 SMAP
6位 GLAY
(なぜ6位まで書いたのかというとGLAYが好きだから)
シングル総売上数3598万枚を叩き出し、圧倒的な数字を持って堂々の1位を飾ったのはやはりB'zだった。これには文句なしの完全納得である。
(このアー写真、超カッコいい)
テレビから流れるB'zの映像を眺めているとなんだかじっくり稲葉の歌声を聴きたくなってきた。私は番組が終わると、ウォークマンを取り出して再生リストをスクロールし始めた。
ふと目に止まったのは「いつかのメリークリスマス」。私が1番好きな曲「ねがい」までリストをスクロールしていくつもりだったが、あ行でその曲を見つけて指が止まった。そのまま再生ボタンに人差し指が触れる。
秋に聞くクリスマスソングもまた乙なもの。来たる冬に期待を持たせる。
曲が紡ぎ出す今、昔、そして今
久しぶりに聞いた「いつかのメリークリスマス」。
なんど聞いてもこの曲はいい……。
なんと素敵な歌声と言葉達なのだろう。
たぶん歌詞をそのまま載せると著作権的にアウト?なので、抜粋して紹介する。
まず冒頭はこうだ。
ゆっくりと12月の明かりが灯りはじめ
慌ただしく踊る街を誰もが好きになる
12月の明かり、慌ただしく踊る街。クリスマスという言葉を使わずに12月の情景を作り上げる。その後、クリスマスを楽しみ過ごす様子が「僕」という一人称視点で歌われていく。そのサビはあまりにも有名である。
いつまでも手をつないでいられるような気がしていた
何もかもがきらめいて がむしゃらに夢を追いかけた
お気づきだろうか。
クリスマスの情景を作り出した冒頭以降言葉は全て過去形で歌われていく。忘れかけていた過去の思い出が切れぬようゆっくりと糸を巻き戻すように。
別れを漂わせる名曲だが、実はそこに後悔などの負の感情は全く感じさせない。
なぜなら今の「僕」が見ている景色は昔どこかにあった「いつかの」景色だからだ。
別れの余韻が残り続けている後悔のクリスマスじゃない。時間と共に薄れていく記憶、振り返ること少なくなってきたあの日。綺麗に飾られた冬の街の中にいつかの景色を見つけてふと思い出す。
そして最後はこうしめる。
立ち止まってる僕のそばを 誰かが足早に
通り過ぎる 荷物をかかえ 幸せそうな顔で
最後の視点は現在に戻ってくる。
実は現在の時間軸で行われた僕の動きは
「クリスマスの街並みを見て、ふと立ち止まってる」。たったそれだけである。
過去に思いを馳せていることなど誰知らず、みな特別な日を過ごすクリスマス。目の前を駆けていった誰かにいつかの自分を重ね合わせる。そしていつかのメリークリスマスよりも少し大人になった彼が自嘲気味に白い息を吐く姿が想像できる。
↓歌詞のフルは下からどぞ!
いつかのメリークリスマス B'z 歌詞情報 - うたまっぷ 歌詞無料検索
今年のクリスマスは誰かと過ごしたい!
高校生のころは「いい失恋ソングだなぁ泣」とクリスマスに1人佇む可愛そうな男だった。だが、今ならわかる。これは過去への鎮魂歌だ。
過去と現在の使い分け。「いつかの」と表現される特別な日。優しく背中から抱きしめてくれるような松本のアコースティックギター。静かな音の中で稲葉の声が切なく震え、人肌の暖かさで聞く者の心を包む。
いやーB'zには参りました。
最近捻くれた作品読みすぎじゃない?/『anego』(林真理子)
『anego』(林真理子)
今、私の中で女性作家ブームが来ている。
読書に関してかなり雑食家な私は定期的にブームを迎える。三島由紀夫を傾倒していたかと思えば、異世界転生に現を抜かし、現代日本を新書を通して批評し始めた翌月にはメンタリストdaigoの話を真面目に拝読している……これは飽き性というのかもしれないけど。
とにかくジャンルに縛られることなく自由に手を伸ばすのが私の読書スタイルなのである。
そして最近手を出しまくっているのは女性作家だ。(誤解を生みそうな表現)
きっかけは桐野夏生の『グロテスク』だった。
この本は私がこれまで読んだ中で一番恐怖を感じた作品と言っても過言ではない。それは内容的な意味ではなく、ここまで痛々しく救いがない残酷な話を想像で書ける作家の真っ暗な底深さにだ。
またストーリーも友人にお勧めできる内容ではけしてないため、詳しくは割愛。
そこに書かれていた女性の『意志』は男性の私にとって衝撃的だった。ページをめくるたびに生々しく爛れた言葉の皮膚が読み手の私と絡み合うような気分に陥る。
その新たな価値観との出会いを重ねるごとに女性作家が書く女性の姿はとても興味深いものになっていった。自我が暴走した女性の欲を遠慮なく書きなぐる桐野夏生、純愛という言葉に染まることがない恋を辛酸と共に綴る角田光代、細くて脆い若さ溢れる青春劇を皮膚感覚で色づける辻村深月、「僕は勉強ができない」の主人公時田秀美が来世の夢です山田詠美、社会に押し付けられた「女性」という役割に物語を通して疑問を呈す村田紗耶香……一概には言い切れない女性をそれぞれ自分色で書き表す。みんな違ってみんないい。
そして今回はお待ちかね『林真理子』
あらすじ
野田奈央子32歳、丸の内の大手商社社員、独身。上司からも、同僚からも、部下からも頼られる存在。…なのに自分の恋愛運だけにはなぜか恵まれない。そんな奈央子が次から次へと出会う恋愛の数々。合コン、お持ち帰り、セフレ、不倫、泥沼…。OLの性も、派遣社員の怒りも、そして結婚運に恵まれない女たちのいらだちも。すべてをリアルに描ききった、林真理子の代表作。
本作あらすじより
ドロドロの恋愛話は人生の参考書
あらすじを読んで分かる通りだいぶ、こう、「捻くれてそうな」作品であることは分かったと思う。若さと活気と性欲溢れる23歳男性の手にが自然と伸びる作品ではない。
しかし若年のうちにこういったドロドロした色恋沙汰を読むことには大きな意義があると思う。(大衆文学にたいして意義なんて言葉を使うのめちゃくちゃ恥ずかしいけど)
読書を通して自分の中に存在していなかった新しい価値観を取り入れ、新しい自分の意志を生み出す。それを繰り返しながら私たちは大人になっていく。その過程で出会った本は『人生の教科書』だ。いや教科書はエンタメ性に欠けて面白くないから……どちらかというと参考書か。そう、つまり『人生の参考書』のようなものである。
「出会いや運命っていうのを信じていて、そういうものに賭けようとする心って、やっぱり立派じゃないかって、この頃思うんですよね」
p.388
20代と30代の「差」
32歳。アラサーを迎えた大手商社勤めの野田奈央子。容姿端麗で人望も厚い。まさに「幸せな人生」を歩むべくして歩むスペックを兼ね備えた女性だ。しかし「結婚」というゴールにはいまだたどり着かない。
「ふーん、それはにわかに信じられない話だぜ。まさにフィクションだ。そういった「ハイスペック」な女性は私の周りで沢山見かけるけど、そのだれもが将来にたいして自分の成長と環境の変化を期待しながら20代を謳歌しているし。もちろん個々人で抱えている悩みもあるため幸せ純度100%とは言えないけど、充実している日々を過ごしているのは確かだ。そんなイケイケの彼女らが結婚できないなんてあるのかねー…まぁ歳をとるのが怖いってよく口にしているけど」
と穿った目で読み始めたが、読んでみて1つ大きなことを理解した。
『30代の女性が恐れているのは、自分の加齢ではなく、20代という存在』
若い女はちやほやされる。
そんな常識をいつ理解したのか定かではない。もしかしたら本能的に知り得ていたことなのかもしれない。ただ、この頃になって肌感覚で実感することが多くなってきた。
同年代で囲まれいた学生時代とは違って、やはり年齢制限がない社会(寿命というリミットはあるけど)に置いて、20代というのはやっぱりまだまだ若くて、未熟で、扱いやすい。
それは男性の支配欲が……とかと語りだすと「また捻くれが始まったよ」と言われそうだからこれ以上言わないけど、まぁ、たいしたことない女性がちやほやされていたりするよね。
若さという最大かつ最高の武器がいつ消えるのか分からないが、そこに陰りが指すのはやはり30歳。ただの数字でしかないのに、ここには大きな意味があるように思える。奈央子もまたそのギャップに苦しんでいた。自分はもっと幸せになれるはずだと高見を目指して過ごしていた20代。その無敵の自信と無垢な期待が熟されて32歳の奈央子を作り上げてしまったのかもしれない。
男性が実感できない女性の30歳の壁は確かにそこにある。
てか、そんなに20代と30代って変わるか?と自分に問いただしてみると
「まぁ確かに30代っておばさんだよなぁ…」
実感はできないがその壁はしっかり見えているようだ。
あんなつまらぬ、どこにでもいそうな男にかすかでも好意を抱き、
「もしかしたら好きになるかもしれない」
ではないけれども、
「もしかしたら好きになれるかもしれない」
とまで考えを持っていこうとした自分が悲しい…。
p.16
恋愛は一本の道ではない
奈央子はセフレ、お持ち帰り、そして不倫まで決して明るくない関係を一通り経験する。彼女は大人の余裕というベールで不安と孤独感を隠しながら何度も体を重ねる。
そしてその先に一つの愛を見つけエンディングを迎えた。それはとても歪んだ形だが、彼女が見つけた確かな希望だった。
私たちは恋愛⇒結婚⇒出産までが一本の道でできていると思いがちだ。しかし、それは違う。
20代で結婚という半ば常識のように押し付けられる価値観から疎外された30代独身の奈央子のが歩む道は混じってはほどけを何度も繰り返す。しかし一つの道になることはない。時には2本の別々の道を同時に歩むこともあった。途中で道が消えることもあり、土砂崩れに飲み込まれることもあった。そう、人のつながりは『出会いと別れ』で教えられるほど単純明快なものではない。
地獄の奥底で愛を見つけ、天国の入り口で首を絞められる。そんな話は腐るほどある。
奈央子は自分が本当に孤独だと思った。男と別れたばかりだ。そう愛していたわけでもない。体だけで繋がっている、独身女にとって便利で必要な玩具のように思っていた男だ。けれでもその男さえいないという、今の情況をどういったらいいのだろうか。ひとりなのだ。本当にひとりぼっちなのだ。
p.87
おわりに ~最近捻くれた作品読みすぎじゃない?~
男女の関係やら、夜を共にするやら、まぐわうだの、挙句の果てに「なかよし」とかわけのわからん表現でぼかされることが多いセックス。
歳を取り、回数をこなすと共にその行為の意味が変わってきたなと最近感じる。いや、もう20代ならばカコ付けずやりまくればいいのだけれど、天邪鬼すぎる自分の性格は本当に損だ。
頭でっかちの哲学者は寝ぼけ眼を擦りながら、今日も妖艶な夜の街へと赴く。
【ターリー屋】なんとナンをなん枚でも【西池袋店】
「お腹いっぱいカレーを食べたい」インド定食ターリー屋 西池袋店
毎日のようにお腹は空くけれど、空っぽの胃袋の気分は秋の天気のようにコロコロ変わる。「今日は豚骨ラーメンを食べようかな」と思って外に出たわけだが、食べようかな程度の軟弱な意思では食欲の矛先は安定しない。
結局、池袋についた私が探し始めたのは「カレー屋さん」だった。
インド定食ターリー屋 西池袋店
店舗情報
インド定食ターリー屋 西池袋店
住所:東京都豊島区西池袋3-26-6 サンサーラ西池袋1階
電話番号:03-5924-6477
席数:23席(カウンター7席 / テーブル16席)
営業時間:平日11:00~23:30(LO.23:00)
定休日:年中無休(年末年始除く)
調べてみてびっくり。都内に30店舗近く構えチェーン店だ。近年の店舗展開の勢いは留まることを知らず。今ノリに乗っているカレー屋だ。
店に入るといかにもカレー作りが上手そうなインド系の方がお出迎え。カウンター席に案内され、立てかけてあるメニューに手を伸ばす。
おお、結構種類が豊富だ。カレー屋ではなくインド定食と銘打っているわけがよく分かる充実のラインナップ。タンドリーチキンやサモサも魅力的…だが、今胃袋が欲しているのはカレーだった。
時間は昼をちょっと過ぎた平日の14時頃。お客さんは自分を含めて三組程度。店内にはインドの曲だろうか、あまり聞きなれないリズムの曲が流れている。
注文の雰囲気を察してか、愛想がとてもいい(そしてカレー作りが超上手そうな)店員がメモを片手にやってきた。そして私が注文したのは…
インドカレー定食 ¥690+税
クレジットカードが使えないので注意である。
(あぶねぇ…現金が1000円しかなかった…)
ということで注文したのは一番安い「インドカレー定食」。カレーの味は+100円してバターチキンカレーに。(カレーの種類一覧を写真に撮るの忘れた)
そして最後に「ライス or ナン」と聞かれたら、ここでは迷わず「ナン」と答える。
なぜならナン食べ放題だから。
ライスを選択しても大満足特盛500gまで増量できる。つまり3合くらい。え、さすがに多すぎない???
注文して5分ほどでカレーが運ばれてきた。甘さを含んだバターチキンカレーの香りが食欲をそそる。
バターが薄く塗られ店内の光を反射させるナンに手を伸ばす。
とても熱かった。
食べ放題に時間制限はないので少し冷めるのを待ってから実食。
うん、美味しい。期待していたバターチキンカレーそのものだ。「あー日本人向けに作られたインド系のカレーが食べたい」と思ったらここで問題ないだろう。きっと待ち望んでいたカレーが提供されることだろう。
ナンには食感のコントラストがしっかり付いている。これはいいナンだ。下手な人が焼くとまるでパンを食べてるんじゃないかと勘違いするほど単色なものになる。だがこの店のナンはちぎった場所によってしっかり食感が変わる。薄かったり、厚かったり、パリパリしていたり、もっちりしていたり…そう、これこそナンの真骨頂。
そしてなんにもつけなくても何枚でも食べることができそうな美味しさ。味も触感も完璧。この最高のナンが何枚でも食べることができるなんて。
さぁ食べるぞ!目標は5枚!
お弁当やタピオカもやってるよ!
壁に貼ってあった虎の巻。謎のテンションで語り掛ける文体に親近感を覚える
ナン3枚でギブアップ。だいたい食べ放題ってこんなオチ。
西池袋店とあるが、池袋駅から徒歩5分程度。池袋店と言っても差し支えない場所に位置している。近くには立教大学もあるため昼時は腹ペコの学生で溢れるだろう。
ちなみにここはタピオカにも力を入れている。マンゴーラッシータピオカなんてまさにここでしか飲むことができないだろう。コスパも350円前後と大変高い。行列ができないのが不思議だ。やはりカレー店のタピオカではあまり栄えないのだろうか。
お弁当の販売している。お店が混んでで入れない時はお弁当で持ち帰りも可能。
だけどカレーって匂いがきついから社内や教室で食べにくい。まぁ近くには西口公園もあるので工事の音を聞きながら外で食べるカレーも乙なものでしょう。池袋の濁った景色と下を向いて行き交う人々の姿はいいおかずになる。
お腹いっぱいの満足感
お腹を抱えながら大満足で店を後にした。空は快晴、うなじを撫でる風は秋の涼しさ。駅へと歩みを進めるたびに少しだけ苦しさを覚える。食べすぎたという感覚は久しぶりだ。多少なりとも年を取ると食事には量よりも質を求め始める。大盛、食い放題、お替り自由という文言に魅かれることは少なくなった。今ではオシャレな空間で提供される「作品」を求めて、星の数が多い店を訪れることが多い。果たして私はそこで「食事」をしたのだろうか。そもそも私はなにをしにその店を訪れたのだろう。
久しぶりに感じる胃袋の膨らみが本来の食事を思い出させてくれる。