We are going to GO TO 小豆島 その2
We are going to GO TO 小豆島 その2
名古屋は西日本であって関西ではない。
朝コメダから始まった1日目。
大きなたまごサンドと甘いアイスコーヒーで腹を満たした私たちはもう一人の友達をピックアップするために大阪へと向かった。
この年になるまで名古屋と大阪は”関西”で近所さん同士だと思っていたが、どうやらそうではないらしい。ハンドルを握る名古屋在住の友達に
「やっぱ周りは関西弁ばっかりなの」
と聞くと、他に誰が聞いているわけでもないのに、
「それは禁句だ、名古屋は関西じゃない」と小声で注意された。
確かにその通りである。区分は中部地方と近畿地方だし、大阪と名古屋は結構距離があるし、そもそも名古屋は県じゃなかった。ナチュラルに愛知に喧嘩を売ってしまった。
田んぼ、静か、雨降りそう
温泉に憩う
三人集まれば文殊の知恵とはいうが、私たちは悩んでいた。長い付き合いの友達がノープランで集まってしまった時にありがちな命題「で、これからどうする」は何歳になっても悩ましい。
ここは大阪の高槻市、静かな空に電車の走る音、長閑な住宅街。昔なら「とりまラウンワンでも行きますか」の一声でその日が決まったが、今の私たちには限られた時間と引き換えに無限の移動手段(と多少のお金)がある。もうカラオケフリータイムで満足できるほど青くはないのだ。(体力もない)
「温泉行こう」
誰の提案だったか定かでないが、私ではないのは確かだが、温泉に決まった。目的地は有馬温泉。
「駐車料金払ってくるわ」
私は200円を投入しながら後ろの車を振り返る。運転が大人の権利だったころがとても懐かしく思えた。
途中のサービスエリア。賑やかでコロナはどこへやら
有馬温泉は大繁盛
コロナウイルスの脅威は終わっていないが、”自粛”は終わったようだ。車を走らせて何時間、ようやくついた有馬温泉だが、駐車場があいてない。
「おいおいマジかよ」
その焦りは駐車の先にある、全く別の意味を持っていた。
「もうだめだ」
尿意の限界を迎えたズッコケ三人組は人気のないところに車を止めて、自然に向けて立ちションをしながら次の策を練る。膀胱がすっきりすると頭もすっきりするもの、隣駅に車を止めて電車で有馬温泉まで戻ってくることにした。
意外と本数はある
再び有馬温泉に到着する。駐車場を求めて右往左往する車が後を絶たない。他県ナンバーの車も目立つ。車も多ければ人も多い。とにかく多い。比較的ではなく絶対的に多い。”ソーシャルディスタンス”の看板が意味をなしてない足湯を始め、全ての施設が人でいっぱいだ。もちろん目的の温泉も例外ではない。あらあら外まで列が伸びている。
「これは、むり」
カレーライスとサイダーをいただきました。雰囲気がとてもよかったです。
「で、これからどうする」
再びこの命題。「温泉に入ろう」ではなく「温泉に行こう」だったので目的は半分達成されたようなものといえばものだが、この不完全燃焼感をダラダラと炭化させていくのはどうも後味が悪い。タバコをふかしながら空を見上げると空が薄ら暗くなってきた。
「島いかね?」
誰の提案だったか定かでないが、私ではないのは確かだが、島に決まった。島…淡路島ならここ神戸から南下していけばすぐに着く。だけど淡路島って何があるんだろと思いながら、友達のスマホを覗くとそこには
『小豆島 観光』
「…あずき、しま?」
どこそこ。
つづく
白Tは基本被る
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