淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

2019年の総決算! 読書編

 なにかと言えば平成最後の…という文言が目と耳に入ってくる一年であった2019年。

 つまり2019年の終わりと共に平成も平静と幕を閉じる。と最近まで勘違いをしていました。こんにちは、私です。

 

 年の瀬も近づいてきたので恒例の今年を振り返ろうコーナーですね。みなさんどんな一年でしたか?

 大学四年生の方は卒論と就活で多忙を極めた一年だったのではないでしょうか。他人事のように言っていますが私も大学四年生です。

 四年生と言えば大学生活の総決算!でもあるわけで、なにかと旅行やら思い出作りやら、社会人になると時間が無くなるという確定事項を理由に色々と勤しむわけです。全く、浅はかな人たちですよね。他人事のように言ってますが、私も思い出作りに奔走していました。

 私が狂奔した先で作られた思い出は甘かったか、デスソースか。なんて甲乙を付けることはせず、まぁ「成長する思い出」になったとだけ総評しておきましょう。なんかSNSを覗くと極端に幸福に満ち満ちている人か、冥界のどん底まで落ちに落ちた人の二極化しているように感じましたが(特にクリスマス)、これはSNSの特性からでしょう。みな、幸せで平穏な日々を過ごしていたことを願います。

 

 前置きが長くなりましたが、そもそもここまで読んでる人いるんですかね?一言一句噛みしめて読め!とは毛頭考えていませんが、そのまま親指(人差し指でも可)を上下運動してくれると嬉しいです。

 

 

 

 ツイッターでもご存じの通り、私は本の虫となった一年でした。

 準定期的に臭いコメントと共に本の読了をツイートすることがありますが、あれは別に自己顕示ではなく…いやないことはないんですが、友達みなに様々な本を読んでほしいという気持ちが強いです。自己顕示の割合は4割くらいです。つまり四捨五入したら実質0。なので高尚かつ造詣があるわたくしには自己顕示欲ございません。証明完了。

 

 戯言はそこまでにしておいて。でまぁ、今年は盛ると100冊くらい読んだ気がするのでその中でもベストスリーを紹介しようかと思います。

 興味があったら読んでみてください。

 

 

 

3位  やはり俺の青春ラブコメは間違っている13巻  渡航

 

 

『おいおい、本の虫を自称する奴がいきなりラノベかよ。オタクらしいな。』

 ああ、幻聴が聞える…耳が痛い。

 だが侮るなかれ。このやはり俺の…(以下略は正統派群青青春物語なんかではない。

 ライトノベルと言えば、主人公が階段でこけた先で受け止めるのは女性の胸。録音スタジオもびっくりの人の気配すら遮る遮音性を兼ね備えたバスルームでの裸の邂逅。親は育児放棄をし、酒池肉林溢れる実家。学校には美男美女であふれ、都合よく鍵が壊れている屋上は入り放題。学園生活(めっちゃ広大な敷地)。ああ、まさに幻想的な青春。

 それがいい。

 

 しかし、この俺ガイルはそのような要素もがっつり含蓄しつつ、巻を重ねていくうちにラブコメという化けの皮を脱ぎ、豹変していった物語である。

 一巻の時点では言い回しが明朗快活なただのラノベである。そして主人公(男)とヒロイン(女)の距離が縮まっていくと共にそこには「気持ち」が生じる。落ち着かない微妙な距離感。艶めかしい息遣い。艶やかに伸びる太もも。ドギマギする主人公…それだけならありきたりな話である。ラブコメだ。

 しかし、12巻から「共依存」に言及し始めたことには驚いた。支え合える存在というのは聞こえはいいが、そこには依存性が入り込むことがある。それは「好き」とも「愛している」とも違った感情であるにも関わらず、気づかない人は多い。一方的な依存性が引き出す気持ちは「必要な人であって好きな人でない。」「大切な人であって愛している人ではない。」と言った曖昧なものだ。そして時が経てば好きだったのかもしれないと振り返ることもある。しかし、双方が依存性を持ってしまった場合、それは信頼という名のオブラートに包まれ韜晦し続ける。

 

 その葛藤に軸を置いた最新13巻。お見事でした。

 

 

 

 

 

 

二位 グロテスク 桐野夏生

 

グロテスク〈上〉 (文春文庫)

グロテスク〈上〉 (文春文庫)

 

  平成9年に起こった東電OL殺人事件を題材にして書かれたフィクション小説。

 東京電力という大手会社に勤めるエリートでありながら、夜は娼婦として夜を渡り歩いていた女性が殺された事件はその異様性から大きく取り上げられた。

 

 上下巻、頭から足の指先まで憎悪と醜悪と性交に染まった作品です。子供は読むのやめようね。二度と読みたくないと断言できる本は初めてだった。つまらないのではない。めちゃくちゃ面白い。いや「面白い」は適切な言葉ではない。ページをめくる手が止まらない。じゃあ面白いなのか。いやいやそれだと俺は異常性嗜好者になってしまう。とてもじゃないけど、今の私に対応できる語彙力はありません。

 てか「想像力」だけで執筆したのであればこの作家は相当変態だぜ。だって幼い○に○○○して○○になっていく○○を書ける?出来事だけでも吐き気を催すのに、そこに心情描写まで加えるんだぜ。常人じゃできないわ。

 作家になることが私の夢なのですが(厳密には印税生活をすることが夢なのですが)一流作家の圧倒的筆力には到底敵わないと頭を抱え、自分の実力に失望しつつも脱帽した作品でもあります。

 

 

 

 

 

 第一位 容疑者xの献身 東野圭吾

 

 

容疑者Xの献身 (文春文庫)

容疑者Xの献身 (文春文庫)

 

 『一位がまさかのミーハー!』

 とか言わないでね。これ傑作ですよ、傑作。

 ガリレオシリーズとしても有名であり、また直木賞受賞も受賞したこの作品。

 最後のシーンは読んでて涙がでました。ここまで感極まったのは初めてだった思います。音でも映像でもなく、文字だけで頬に川が流れるなんて思いませんでした。

 正義のヒーローは時に救いようもないくらい不器用なこともあるのです。下手で醜い、けど一生懸命な「献身」。まだ読んでいない人はぜひぜひ。

 

 

 

 

 

 ま、ざっとこんなかんじでしょうか。一位は適当になった感あるのは否めないけど、許して、お兄さん。

 てか、読んでる人いる?これが独り言になっていないことを願います。

 

 みなさん今年も色々あったと思いますが、来年は…いや、来年もいい年になりますよ。俺が保障します。