淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

【ブックレビュー】11月に読んだ本まとめ【5冊】

もう今年もラストスパート

 早いものでもう……から始まる導入を何度繰り返したことでしょう。

そして1ヵ月後には「早いものでもう、新年…」とクリスマス気分のまま年を明かす自分の姿が目に浮かびます。凄い速さで流れているはずなのに、過去を振り返った時初めて実感できるのが時の速さ。進み続ける時間よ、たまには休むことを覚えてもいいんだよ。その時間は小学生のころと比べ物にならないくらい速度増し増しで疾走しているようで、4月から12月までまばたき一つで飛んできたような気分だ。気持ちは時を駆けるニート。できれば逆流したいのだが。

令和元年も12月に入り、鉄筋コンクリートの我がマンションは殺人的に寒くなったのでとうとう我が家でも暖房器具が解禁しました。今年は3年ぶりにこたつが登場です。ただいまぬくぬく気分で書いております。(12月5日現在)

 

11月に読んだ本は5冊です。冊数はピークに比べると半分になりました。なかなか一気に読む時間が確保できなくなった。

では毎月恒例の読んだ本まとめを始めていきます!

 『娼年石田衣良

恋愛にも大学生活にも退屈し、うつろな毎日を過ごしていたリョウ、二十歳。だが、バイト先のバーにあらわれた、会員制ボーイズクラブのオーナー・御堂静香から誘われ、とまどいながらも「娼夫」の仕事をはじめる。やがてリョウは、さまざまな女性のなかにひそむ、欲望の不思議に魅せられていく……。いくつものベッドで過ごした、ひと夏の光と影を鮮烈に描きだす、長編恋愛小説。

あらすじより

 池袋ウエストゲートパークでお馴染みの石田衣良氏。

石田衣良さんの本は『4TEEN』『6TEEN』『ブルータワー』に続いて4冊目。そうなんです。実は私まだ『池袋ウエストゲートパーク』を読んでなくて笑

この娼年。まずタイトルがいいですよね。男性の娼婦を示す男娼という言葉で称さずにあえて娼年(ショウネン)と造語で表するこの言葉遊び、好きです。

性別はある程度区分されているが、個人の肉体が求める「性」は無限に広がる。お客様の性を刺激し満たすことが主人公リョウの仕事だ。リョウは様々な女性と交じり合うことで日々の退屈を捨て去り、新しい気づきを手にする。純愛だけではない男女が重なる意義を示し肯定する作品。

約200ページで読みやすい作品なので、ぜひ寒く寂しいクリスマスに備えて熱く高鳴る小説はいかがでしょう。ちなみに松坂桃李君主演で映画化もしています。アマゾンプライムでどうぞ。実際に若い男性が女性に奉仕する仕事ってあるのかな。あまり聞かないけど絶対需要はあると思う。

「ほんとう。がまんするってすごくむずかしい。わたし、リョウくんと今すぐしたいな」

興奮でかすれたヒロミさんの声は、ぼくの背中のしたのほうまで鳥肌を立たせていた。

娼年』 p.82

娼年

娼年

  • 発売日: 2018/08/22
  • メディア: Prime Video
 

 

『友達の妹が俺にだけウザい』 三河ごーすと

馴れ合い無用、彼女不要、友達は真に価値ある1人だけ。青春の一切を「非効率」と切って捨てる俺・大星明照の部屋に入り浸るやつがいる。妹でも友達でもない。ウザさ極まる面倒な後輩。親友の妹、小日向彩羽。
「セーンパイ、デートしよーーっ! ……とか言われると思いましたー?」
血管にエナジードリンクが流れてそうなコイツは、ベッドを占拠したり、寸止め色仕掛けをしてきたりと、やたらと俺にウザ絡みしてきやがる。なのに、どいつもこいつも羨ましそうに見てくるのはどういうワケだ? と思ったら彩羽のやつ、外では明るく清楚な優等生として大人気らしい。
おいおい……だったら、どうしてお前は俺にだけウザいんだよ。

あらすじより

表紙絵とあらすじでもうお腹いっぱい。

そして『あんまり面白くなかった』考えられる理由は1つ。

友達の妹がヒロインの主軸じゃなかった

「友達の妹が俺にだけウザい件」あー、もうこれタイトルから内容がわかるよ。この物語は『ウザがらみをしてくるヒロインにヤレヤレ系主人公が振り回されるラブコメ』……ではなかった。

物語開始早々、友達の妹を差し置いて主人公の従姉妹が登場する。そして従姉妹キャラが軸になって話が進んでいく。その後最後まで友達の妹が際立つことなく、従姉妹キャラと主人公の友好距離が縮まってツンデレエンド。これじゃ「従姉妹が俺にとても冷たい件」だ。

 

けどキャラが可愛いかったからOKです!

ga.sbcr.jp

『やはり俺の青春ラブコメは間違っている 14』渡航

まちがい続ける青春模様、シリーズ完結。

季節はまた春を迎えようとしていた。
同じ日々を繰り返しても、常に今日は新しい。悩み、答えに窮し、間違えを繰り返しても、常に飽きもせず問い直すしかない――新しい答えを知るために。
言葉にしなければ伝わらないのに、言葉では足りなくて。いつだって出した答えはまちがっていて、取り返しがつかないほど歪んでしまった関係は、どうしようもない偽物で。
――だからせめて、この模造品に、壊れるほどの傷をつけ、たった一つの本物に。故意にまちがう俺の青春を、終わらせるのだ――。
過ぎ去った季節と、これから来る新しい季節。
まちがい続ける物語が終わり……そしてきっとまだ青春は続いていく。シリーズ完結巻。

あらすじより

 詳しくは↓で。

 

 

『20代で知っておきたいお金のこと』岡村聡

20代で貯金ゼロだと、一生お金が貯まらない。今知らないと必ず後悔する53のこと。

「BOOK」データベースより

就職、結婚、子育て、老後。愛と勇気だけではこの世を生きていくことはできない。必要なのはもちろんお金だ。そんなこと今更言われなくても知っていると鼻で笑う20代諸君、ではこの世を生きていくには具体的にいくら必要なのかご存知だろうか。

数字というのは恐ろしいものである。数字は現実を見せてくれる。物語のような受け手によって異なる印象を与える曖昧な表現は一切なく、慈悲も遠慮も一切排除し客観的なデータで脅してくる凶器、それが数字だ。

お金儲けをしよう!や簡単に稼げる方法!といった自己啓発的な内容ではない。私たちが今必要としている知識と数字を優しい言葉で説明してくれる、タメになる本。

「お金は稼いで半人前、賢く使って一人前」

p.173

 

『最後の秘境 東京藝大』 二宮敦人

 やはり彼らは、只者ではなかった。入試倍率は東大のなんと約 3 倍。しかし卒業後は行方不明者多発との噂も流れる東京藝術大学。楽器のせいで体が歪んで一人前という器楽科のある音楽学部、四十時間ぶっ続けで絵を描いて幸せという日本画科のある美術学部。各学部学科生たちへのインタビューから見えてくるのはカオスか、桃源郷か? 天才たちの日常に迫る、前人未到、抱腹絶倒の藝大探訪記。

あらすじより

表現の才能人達が多く在籍する東京藝大をテーマにしたエッセイが面白くないわけがない。そこに書かれていたことは生徒たちの熱量。優れた才能に身を委ねることなく目の前の作品と向き合う紳士な姿がある反面、学祭や趣味に全力投球する姿は他と変わらない大学生そのものだ。

高みにいる存在もまた人間なのだと、我々凡人は忘れてしまう。

あくまで自然に、楽しんで最前線を走っていく。

天才とは、そういうものなのかもしれない。

p.112

↓東京藝大の学生が作った卒業作品。上手い下手の話ではなく魅かれるものがある。


アニメーション「就活狂想曲」

 

終わりに ~漫画編~

今月の漫画は以下の通り。

ヒカルの碁(文庫) 1~12巻

五等分の花嫁(12)

アクタージュ(9)

citrus+(1)

 

インフルエンザにはお気をつけて~~。