淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

やっぱり恋愛小説は…(一月読んだ本を振り返ろう ver1)

 読書というのは暇に浸れる時に味わえる最高の時間の無駄使いだと思う。

 

 

 モラトリアムも終わりに近づき、冬の寒さも私と一緒に卒業するのかなと想起させる暖かな日々を送る今日この頃。旅行という予定は立てても、四六時中旅行するとなるとそれは放浪に近いわけで、まぁ特に用事がないときは趣味やら勉強やら有意義な時間の過ごし方をしているわけです。

 

 しかし、今日みたいな早朝からどんより雲一色だとまぁ外に出るのも億劫になり、勉強に勤しむかと思っても「へあ!?租税公課所得税って入らないんだっけ!?(簿記三級)」と初歩というかほんと第一歩目レベルで詰んでいると、試験一週間前にも関わらずやる気は出てこないわけで。

 

 そんな現実から目を背けたいときは読書をするのが一番!

 

 

 と、今回は一月に読んだ本を簡単に振り返ろうかなと思います。読んでも結構内容忘れちゃったりしますからね。振り返り重要。

 

 

 

 

1.『半落ち横山秀夫

 

 ある日一人の現職警察官が「妻を殺した」と自首してくる。 彼が自供する内容はアルツハイマーに悩む老夫婦の葛藤の先の選択に思えた。しかしその中身にたった一つだけ不可解な点があった。一つの事件を舞台に様々な立場、思惑、正義がぶつかり合うベストセラーサスペンス。ちなみに「半落ち」とは警察用語で「一部自供した」ことを指すようです。

 ラストでまさに伏線回収。なるほどなるほど。となるが、少し駆け足だった気もする。正義の味方であるはずの警察が苦悶している姿を文字越しで読んでいると、なんか見ちゃいけないもの見てる気分になってくるよね。

 

『肥大しきった自己愛を抱きしめて「死」という安全地帯へ逃避する。』p.16

 

 

 

 

2.『塩の街有川浩

 

 肉体が綺麗な彫刻と化す。人が結晶化していく謎の病「塩害」が生命の終わりを促していく。社会崩壊しかけの日本を舞台に男と少女は世界を救うために立ち上がる。的な話。

 有川浩って女だったんだ…(n回目)

 まぁ有川三部作なんて言われる中の一つ目。デビュー作に当たる今作。ちなみに電撃大賞受賞作みたいですね。確かにライトノベルっぽいっちゃぽいか。

 個人的に有川さんの書く恋愛って言うのは世紀末を思わせながらもしっかりロマンチックに染まっている気がします。

 特に今回は思春期の時に抱く年上への好意がテーマでした。それは「異性」として好きなのか、「大人」として好きなのか、と狭間で揺れる恋心。鉄板ネタといえば鉄板ですが、使い方を間違えると変態おっさんのエロい妄想になってしまうわけで、そんな繊細なテーマでありながらも有川さんはとても大胆に乙女心を書いてるなぁと印象を受けました。女性は強い。まぁ、知ったようなふりして現実ではその乙女心とやらはさっぱり分からんのですが…

 

 『付き合っている人がいる、というのは告白するほうには安心の断り文句だ。恋人がいるという公然たる理由がないのに断られるのは要するに、異性として興味を感じないとばっさり切られることだから。』 p.320

 

 

 

 

 3.『冷静と情熱の間 Blu』辻仁成

 10年前に交わしたあの約束。彼女と別れてからもその約束を大事に抱えている、いやその約束に縛られながら今を過ごす主人公。今そこにある幸せにこれ以上何を求める。しかし、心に穴が開いている限り幸せで満されることはない。みたいな大人な恋愛小説。

 この作品の面白いところは一つの恋愛を男目線の「Blu(辻仁成」そして女目線の「Rosso(江國香織」と二作に分けているんですね。今ちょうどRossoの方を読んでいます。

 別れは必ずしも恋の炎を消すものではない。離別がガソリンとなって未練という轟々と燃える炎を上げている人もいるが、私は別れた先にある恋心は線香のようにゆっくりと煙を吐きながら燃焼していくものだと思う。付き合った期間の長短は関係ない、当時抱いていた深愛が、その形を消してもなおジワジワと熱を発し、胸の上にゆっくりと灰を落としていく。その灰がいくら積もったところで心境に変化はない。出会いの風がふと吹けば、散っていく程度のもの。それでも、灰は積もり続ける。いつまでも。

 

 

 まぁ簡単に言うと、色々あって別れたけど、なんかあの人大丈夫かなと心配しちゃう的な。気にしちゃうっていうかー、謎の心配しちゃう的なやつっす。「未練」とは違うのよ。マジで。だいぶカッコつけた表現で語ってるけどマジで違うんだって。

 

 て、俺の恋愛観の話になってしまった。けど、内容もそんな感じ。

 能力に目覚めるわけでもなく、大事件が起こるわけでもない。彼女は死なないし、急にモテだしたりもしない。探せばどこかに落ちてそうなラブストーリー。そんな話はチープな物語に感じるかもしれない。だけど、理想のフィクションで染まった恋愛界から転げ落ち、雑踏で佇む自己の感情に染まったエゴ恋愛話こそが一番生きてる物語だなって思わない?

 

 

 『男という動物の虚しさはここに心がないというのに女性を抱けるということだ、それは半ば同情のような行為でもあり、芽美を侮辱するものでもある。』p.145

 

 

 

 

 

 

 

 2000文字くらい一気に書いたから疲れた! とりあえずここで中断!