淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

香る香

 街中で振り返ってしまうのは、なにも美しい女性に限らない。

 奇抜な恰好や不審な動きなど、不可抗力として目を軸にして首が回転してしまうこともある。

 

 そしてまた、香しい人とすれ違った時。目は追わずとも、その香りを追ってしまう自分がいる。

 

 見た目が素敵な人は、外見だけではなく内面もいいとはよく言われます。しかし、そこで留まらない。放つ香りにすら気を使っているんですね。そう気づくと自分の匂いにも敏感になってしまいます。

 しかし、不思議なもので自分の匂いってわからない。友だちの家に遊びに行くと「友達の家の匂い」を嗅ぐことができますが、帰宅した時に「自分の家の匂い」を嗅ぐことはできない。

 面と向かって人と話している時、(うわっこの人、口臭っ)って思っている昼にニンニクマシマシラーメンを食べた自分の口臭は分からない。

 自分の匂いは見えないし、分からないからこそ、容姿に比べて軽視してしまう要素ではありますが、めっちゃくちゃ重要です。なぜなら匂いは思い出と強く結び付くからです。

 

 例えばそれは故郷の香りであり、体育の後の酸っぱい汗臭さであり、それを打ち消すシーブリーズの爽快さ、鼻を突く冬の寒さ、初めて彼女の部屋に入った時、その高揚感を落ち着かせるアロマの香り。

 

 あの香りはいつか忘れる。だけどいつまでも取れない。

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