淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

バンクシー展に行ってきた。

横浜と新横浜は違う。

車内アナウンスの声が告げる到着駅「横浜」。ヨコハマ、私はふとあの日を思い出した。

それは私がまだ高校生だったころ。学校行事で集合が9時ごろに「新横浜」を指定されていた。オチはもう分かったと思うが、私は「横浜」集合だと勘違いして1人ポツンと同級生たちを待ち続けていたのである。とめどなく額に流れる汗を学生服で拭いながら約8kmガンダしたなぁ…

 

こう浸っちゃってる時が一番乗り過ごしやすい。ここは横浜、うん大丈夫。目的地も横浜、大丈夫。忘れ物がないかポケットを上から触って確認する。今日の持ち物は財布と携帯だけ、OK。格好はエアジョーダンのパーカーとリーバイスジーンズ、まぁ妥協点。左手に巻いたSEIKOの時計が12時半を指している。約束の時間に難なく間に合いそうだ。

 

てことで「バンクシー展 天才か反逆者か」に行ってきました。

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入場には予約が必要。

特別バンクシーが好きというわけではない、なんなら最初はジバンシーの子会社と思ってたくらいだ。

では、なぜわざわざ横浜まで来てバンクシーの作品を見に来たのか。その理由は単純明快。私が好きな漫画「左ききのエレン」に登場してくるからだ。すごく影響されやすいからね私。

それにコロナ対策として様々なイベントが中止になってしまったせいで、休日に心を養うことができず極度の芸術不足に陥っていたというのもある。

横浜駅から徒歩5分。会場はアソビル。

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1階はオープンスペースの飲食店が並び、天井では色鮮やかな提灯が踊っている。

2階に上がると新築の匂いが漂ってきた。広がるレットカーペット。予約制ということもあって混雑具合はちょうどいい。入場待機列に並んで1時を待つ。

 

写真を載せてあえて語らない。

さて入場。

作品の写真をむやみやたらに撮ることを是としないので少しだけ。

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大量生産されてるんかい

ゲリラ的に壁画のみを描く正体不明の芸術家かと思えば、版画を中心に作品を展開してきたらしく、その作品は何百枚と生産されているものも珍しくない。だがその1枚に何百万という値が付いているのだから芸術の価値ってほんとよくわからない。

バンクシーが問いかける社会的メッセージは生粋の日本人である私には遠いものに思っていた。だがここでは額縁を挟んだだけの1番近い距離で彼の訴えを感じることができる。芸術作品に理解はいらない。理解ができる=答えがある作品に鑑賞はない。芸術は必ず余白を残している。その余白に自分は何を感じたか、それが大切なことだ。と一丁前に言ってみる。

 

だからこそスマホでカシャとしてすぐに立ち去る人々の姿を見ると少し悲しくなった。目の前に実物があるのにスマホを通して虚像を眺める人々の姿はまさに“現代”だ。