淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

【空の青さを知る人よ】余韻を残さない終わり方が最高【感想】

空の青さを知る人よ

f:id:lovelive-yuki:20191024180700j:image

『これは、せつなくてふしぎな、二度目の恋の物語』

soraaoproject.jp

 

映画は空間作品

 趣味は映画ですって語れるほどの映画好きってわけじゃないんだけど、人よりは結構映画を映画館で見ている方だと思う。視界を覆う鮮明な映像、鼓膜を遠慮なく揺らす巨大な音、そして現実から乖離させてくれる真っ暗な空間。それは決してレンタルや定額動画サービスでは体験することができない。

「映画は映像作品ではなく、空間作品なんだ!」

と声を大にして映画館での鑑賞を勧めているが、周りの反応は

「ああ、わかるわかる。けど高いじゃん」

う、うん…値段のことを言われると何も言い返せないよ……

 

シネマサンシャインアプリ会員

前置きが長くなった。

今日は木曜日。木曜日と言えばシネマサンシャインアプリ会員デー。シネマサンシャインのアプリからチケットを予約しスマホに表示されるQRコードをかざせば楽々入場。発券機に並ばなくてもいいので大変便利です。

さらに年額500円のシネマサンシャインアプリ会員になると

毎週木曜日にはなんと映画が¥1100円で見れちゃう!(昨日知った)

通常料金が¥1800だから……1回見に行けば元が取れるってわけ。

さらに2回見たら¥1100円鑑賞クーポンと交換可

さらにさらに6回見たら1回無料!

これは登録するしかない!

www.cinemasunshine.co.jp

やっと前書き

さてほんとうに本題に入りましょうか。

ということで、今ちょっとだけ話題になっている「空の青さを知る人よ」を見てきました。パチンコで人気台のとなった『あの日見た花の名前を僕たちはまだ知らない』、超人気声優水瀬いのり(ファンクラブに入ってます)が主演を務めた『心が叫びたがってるんだ。』。その系統を引き継いだ青春群像アニメ―ション第三作。もちろん舞台は秩父


映画『空の青さを知る人よ』予告2【大ヒット上映中】

入場者プレゼント……

貰えませんでした(´;ω;`)ウッ…

ゲジ眉JK相生あおいが可愛い

f:id:lovelive-yuki:20191024180918j:image

名前に隠された衝撃の事実!?

物語の語り手的立場を取るのがこの子。

『 相生あおい』

出席番号トーナメントで最強の苗字である「相生(あいおい)」。意味は『二本の木が同じ根から生えていること』。兄弟姉妹設定があるキャラにぴったしの苗字だね。

そして「あおい」。気づきましたか?なんと名前が全部「あ行」で構成されているんです!!衝撃の事実?ですね!厳密には「あ行のa,i,o音だけ」なんです!だからローマ字で書くと『aioioai』。だからなんだって話。

この「あおい」という名前は普通に「空」を連想させるだと思います。あおいのお姉さんの名前が「相生あかね」だしね。

「相生」「青空と夕空」まさに物語軸の対比を察せと言わんばかり名前です。

 

あおい役「若山詩音」あっぱれ

あおいは秩父で生まれ育った女子高生。意地っ張りで我が強いけど、強がりで繊細な一面を持つ年ごろの18歳の女の子です。可愛い。

そんな不安定な少女を演じたのが長編劇場アニメは今回が初めてという若山詩音。子役としてデビューし、役者活動は短くないが声優としてはまだ駆け出しの彼女。その彼女の演技がめちゃくちゃあおいとマッチしてる!

厳しいことを言うと特徴的な声ではないんですが、全力の演技そのものに彼女らしさを感じました。鈍く怒鳴る声ではなく、感情の振れ幅に合わせた叫びや嘆きは耳を通って胸に鋭く突き刺さります。

 

制服の上にパーカーすこ

天気の子ではショートパンツ(デニム)が好きだと語った私ですが、寒さ近づくこの頃はそんな姿を見かけることも少なくなりました。タイツに合わせた格好もいいけども。

こんな時期に私が大好きな女性の恰好はずばり「制服+パーカー」

ってこれ堂々と書いていいことなのだろうか。これ間接的にJK大好きみたいな意味になってるけど……整った限定的な柵と私的でラフな格好の不規則なコントラスト…いやこれ語るのやめよう、キモイわ。とにかく主人公の服装がいい。

あおいの魅力は表情の豊かさ

作中では喜怒哀楽全ての表情を惜しみなく見せてくれます。表情を作り上げる上でとても重要な箇所である眉の主張が激しいため、その時の感情がとてもわかりやすい。つまり顔に出やすいタイプってやつだ。

現実非現実問わず、表情が豊かな女性って「可愛い」と思う。

f:id:lovelive-yuki:20191024180922j:image

ほんといい顔してる。

交錯する思い。その物語の「主人公」

 で、ビックリなのが相生あおいは主人公ではないこと。映画館のエンドロールを見て初めて気が付きました。え、あおいが主人公じゃなかったの。けど確かにその通りだ。振り返って見るとこの物語の中心にいたのは可愛いJKあおいではなく、しゃがれた31歳であり、元気溢れる高校生の金室慎之介(あだ名・しんの)だった。(以下、しんの。

f:id:lovelive-yuki:20191024195524j:image

え、吉沢亮うまない?

f:id:lovelive-yuki:20191024195227j:image

(主人公 金室慎之介役 吉沢亮

「声優初挑戦」は死亡フラグ同然の売り文句である。この作品もいわば吉沢亮の声優初挑戦作品として少し宣伝された。おいおい、死ぬわこの作品。

さて、ここでまた違うバージョンのCMを見てみよう。今度は男性キャラの声に注目して。


映画『空の青さを知る人よ』予告【10月11日(金)公開】

「ええやん…」

なんか多才なイケメンを見てると逆に清々しいよね。(だけどやっぱりイケメンは気に食わないから画質は悪め)

 

ちなみにあおいのお姉さん、あかね役は吉岡里帆

ドラマとか舞台とか関係なしに、演技がうまい役者ってほんとにすごい。

最初、能登麻美子かと思ってた。

 

あの頃の憧れはこれからの好きへ

 話は予告編のとおり、「SF系ラブストーリー」……かと思ったが、これまたちょっと複雑に絡んだ人間ドラマになってました。

恋愛と結婚、学生と社会人、今と過去、そして青と赤の姉妹。その対比の真ん中にはそれぞれに呼応する「しんの」という存在、そこに第三者の感情まで入ってきて……結構お腹いっぱいになった。

 

あおいは13年前からやってきたしんのに「好き」という気持ちを覚えるが、最初この好きは「憧れ」の錯覚なんじゃないかなと思った。どうしても恋愛感情を抱く原因が分からない。強いて言うなら「昔の記憶」を思い出したことがきっかけになるのだろうが、回想シーンではそこに恋心があるようには思えなかった。今から13年前は、あかね5歳。しんの18歳。そのときあかねが彼に抱いた感情は確実に憧れだったはずだ。

ところがありえない出来事が起こって、あかねとしんのがおなじ18歳という目線に立った時、あかねの思い出にいたその気持ちは恋に変わるってことか。

いやいや、違う。

あの感情が恋だと気づいたのだろう。

幼心の憧れに気づきが加われば、それには恋と名が付くのかもしれない。

ところでいったいいつ人は恋心を学ぶんだろうねぇ……

もし過去の自分と対話できたら

 物語の終盤、今と昔のしんのが対峙するシーンがある。タイムスリップもので同一人物が向き合うのは意外と珍しい。なぜならタイムパラドックスを理由に出会うことを避けるのがセオリーだから。

しかし、31歳のしんの(α)と飛んできた18歳しんの(β)にも隠れた対比があった。

それは18歳の時に選んだ一つの決断。

しんの(α)=夢を追いかけるため秩父を飛び出して東京へ。

しんの(β)=夢に一区切りをつけ、秩父に残る。

単純に過去未来の関係ではなく、違う道を選んだ自分同士だったのだ。

α「色々なものを捨ててでも出てきた意味があるのか、俺にはわからない」

β「追いかけられねぇんだ……」

それぞれのセリフが双方の道に伸び続ける後悔を示す。

選ばなかった道の先にいる自分、選ばなかった道の前にいる自分。その二つの道が交わることはけしてない。

センスしか感じない登場機材

 あおいが使っているベース

Epiphone サンダーバード(の水色)

f:id:lovelive-yuki:20191024210801j:image

しんの(18歳)が使っているギター

Gibson ファイアーバード

f:id:lovelive-yuki:20191024210809j:image

あおいが使っていた便利なあれ。

VOX amPlug2 Bass ベース用ヘッドホンアンプ

f:id:lovelive-yuki:20191024210905j:image

無難にストラトとかに走らないのがいいよね。使用機材からもあおいが持っているしんのへの想いが分かる。あーけど、憧れだとしたらギターを選ぶか。もし一緒に演奏したいっていう気持ちが楽器を始めたきっかけだとしたら、それはしんのへの「憧れ」とも違うのかな。いかんいかん深読みしすぎだ。

ローケーションプロダクトには有名企業が多数。

実在のモノが向こう側の世界にも存在していると次元の差がグッと近くなる気がする。

終わりに ~「空、くそ青い」~

 ☆3.5

普通に面白い。

一番評価するのは作品の終わり方。

 

あおいが一言。

 

「空、くそ青い」

 

そして余韻の間を置かずにすぐにエンドロールへ。

そうこれでいいのだ。18歳のしんのが消えたあとの話は蛇足に過ぎない。非現実的なファクターが消えれば、物語は終わる。アフターストーリーはエンドロールで静止画として流す程度でいい。

なぜなら、余韻は作品が終わってから観客が勝手に感じるものだから。作中で長々と別れや悲しみの余韻を演出することは蛇足だと私は思っている。

エンドロール中の俺(いやー、あおいちゃん可愛かったな。)

 

最後に。

周りで映画を見る人全然いないから語れる人がいなくて寂しいです。みんな映画見ましょ( ;  ; )

f:id:lovelive-yuki:20191024213752j:image