犬山ってどこだよ【明治村】
この縁がなかったら、人生で一度も訪れることがなかっただろうなぁと思うことが多々ある。
営業を生業にしているため、さまざまな場所に移動しなければならず、そのたびに客先のビルはもちろんそのビルが建つ街、その街に向かうまでの道までも縁の賜物のように思える。
今回、たまたまの縁が結んでくれた街は岐阜県犬山市。なんとも言えない場所にある故になんとかして行こうとも思わない場所にあった。
「犬山城でも行ってくれば?」
とランドマークを勧めてくれたが、別にそんな城好きじゃないし、名古屋城の方がぶっちゃけ映えるし、そもそも犬山って名前から尊厳さが感じられなかったし(犬山の人すみません!)。
何かあるかなーと期待するフリをしながら何もないんだろうなと諦めつつGoogleマップを開くと、
"明治村"
ふーん、面白そうじゃん。
入場料¥2000となかなか強気な価格である。友達いわく「明治のなんかがいっぱいあるらしい」と施設名から予想できるレベルの紹介をいただいて入場門をくぐった。
わぁ!なんか明治っぽい!と日本史選択受験者とは思えない驚きは目の前の建物に向けられた。丁寧に彫られた紋様が厳かに外壁を囲む。ぶっちゃけ「西洋っぽい!」の方が反応として正しいのかもしれないが、立てかけてある看板に厳しい漢字があると一気に明治っぽくなる。
教科書で見たことあるような景色をこの目で見て、私は少し明治時代をなめてたなと思った。
江戸といえばそれこそお城。明治といったら代名詞になるようなモノはパッと思いつかない(ガス灯とか汽車とか?)。だけどオレンジ色の日本史の教科書には「明治維新は凄かったよー」とアピールしていた記憶が残っていた。さてあらためて当時の建築が目の前にあるわけだが、想像以上にちゃんと建物してて驚いた。外観もさることながら、内装も大変丁寧な造りで、禿げた手すりに触れる時でさえ緊張してしまう。平屋で質素な造りの木造住宅が大半を占める街の中にこんなかっちょいい西洋的な建物が混在していたと考えると、アンバランスというかけど、そのアンバランスさに興奮を覚えた平民の方々も沢山いたんだろうなぁと思いを馳せた。
西郷従道邸の目の前に喫煙所があったので小休止。まさか三島由紀夫の最後の大作"豊饒の海"の主人公の生家モデルとも言われる従道邸をこの目で見られるとは。てか、こんなところにあったんだ。殿上人の家を眺めながらタバコを飲むなんて当時の人はもちろん、三島ですらできなかったんじゃなかろうか。
ちなみに園内には喫煙所に不自由ないくらい設置されていてとてもありがたかったです。ただ正面に建物を構えてる喫煙所はここだけだったかな。
とにかく広いんだが!!!
門を通った先で「明治すげー」言ってた私も、2時間経てば「ああ、なんか混んでるしここはいいや」と取捨選択しながら回っていた。
とにかく広い。その後の予定もあったため自分の興味ある建物だけじっくり鑑賞していたが、頭からお尻までしっかり回るなら6時間は欲しいところだ。所々に茶屋も用意されていて、もちろんここでは明治に因んだオリジナルメニューを提供してくれる。私は明治時代のグルメ小説"食道楽"で紹介されているカレーライスのレシピを忠実に再現したという「食道楽のカレーライス」をいただいた。
ふつーにめちゃうまでした。ファーストインプレッションでレトルトを疑ってすみません。
お客さんの中にはハイカラさんを彷彿とさせる女学生衣装に身を包んでいる方もいた。これがめっちゃ可愛い。そんな姿でこの街を闊歩すればそれだけで映えだ。写真なんか撮ったら映え映えだ。映像にしちゃえばもうそれは映えを極めた活動写真だ。
どうも大人になると合法的に学生服を着られる機会もなかなかないので(別に成人が制服を羽織るのが非合法というわけじゃないけど)ぜひ機会があれば私も学生気分を思い出しながら明治村デートをしたいものだ。
つまりここ明治村は1日楽しめるテーマパークなのだ(歴史に苦手意識がないなら)。
名古屋から直通のバスも出てるのでぜひ一度行ってみてはどうだろうか。