俺ガイル語りに行ってきた。
俺ガイル語りに行ってきた。
昨日、小学館の自社ビルにお邪魔してきました。
目的は『シリーズ完結記念!最終巻が100倍おもしろくなる「俺ガイル」語り』。Twitterに流れてきた『残り席わずかです!』に心が揺れて(ほんとこういう文言に弱い)スケージュールも空いていたのですかさず参加をぽちっと。東京メトロ神保町駅から直通のオシャンティーなビルにお邪魔してきました。
トークの内容は物語の総評から仕事術まで。ここでしか聞けない話ってやつを聞くことができるらしい。
開演10分前、会場はすでに多くの聴衆で埋まっている(9割男)。厚さで分かるッ…あれは絶対に14巻!を読みながら登壇を待っているファンも少なくない。
俺ガイルの面白いところは一巻時点の起点と最終巻が迎えた終点がどうやっても繋がらないところにある。ラブコメ作者が執筆途中で精神病んじゃったのかなーと思って心配していたら、病んだまま最終巻を迎えたような感じ。「この変化のきっかけは何だったのか聞ければいいなー」と思いながら遠くにある登壇ステージを眺めていると拍手が鳴り始め、いざ開幕。
とりあえずメモをまとめます。
1~3巻『出会いのシーズン』
とりあえず3巻までの構成があった。6巻まで組んだ時に最後まで着想。
①ラブコメ全部のせ
(自分の殻を破るためにも)臭いくらいのラブコメを書こう。
・ハプニング付の着替え
・一緒に料理(クッキー)など
⇒だが結局、②で自分が隠し切れなくなる。
②ガイルの方向性が決まった「ビターエンド」
結末から逆算⇒〇八幡のキャラクターがぶつかる壁に気づく。
〇方向性の確立。編集長との対立「(内容が)暗くない?」
〇この時点で雪ノ下に姉の存在をにおわす
③伏線回収、そして新たなる伏線
三人の出会いを語る過去編と新たなファクター、雪ノ下陽乃の登場
※この時点でドラマCD制作が決定(アニメ化も決定していたらしい)
⇒キャラソンを作りたいが故に歌わざるを得ない脚本を制作した。
ファーストシーズンまとめ
全力でラブコメをやりつつ、結局はラブコメと似て非なる『渡航』になっちゃった
2ndシーズン『八幡掘り下げシーズン』
④八幡キャンプに行くのか問題
・八幡と葉山の対比を通して「選択」を見せる。(なるほどねぇ)
⑤かなり悩んだ結果プロットなし!
・メインヒロインの一人である雪ノ下雪乃を出さないという軸。
⇒外から見たヒロインの姿が語られる。作者自身も好感触。
⑥学園もののラノベを書ききった。
・舞台は「文化祭」⇒八幡文化祭参加しなくない問題⇒教室に溶け込めなくても実行委員的なものなら。由比ガ浜、雪ノ下が八幡のやり方を目の当たりにする。⇔終始見ていた平塚静
・(現実の)仕事がうまくいっていない時期だったので私怨が文化祭実行委員に投射される。⇒相模南(めちゃくちゃ嫌われているが作者としては手ごたえあり)。
・大枠の中でのふわっとしたものはここで最後。
2ndシーズン
相手のことを「知る」ターンだった2nd。そして「疑う」ターンの3ndシーズンへ
3ndシーズン
⑦積み上げてきた6巻、掘り下げていく7巻
・既存のキャラを壊していく「いい人そうだけど、よく考えたらこいつクズじゃね?」
・八幡のやり方を周りが疑い始める。
⑧3ndシーズンから参加のくせに最重要キャラ『一色いろは』(キタ――(゚∀゚)――!!)
・疑われ始めた八幡側に寄り添えるキャラクター⇒クズに必要なのは分かり合えるクズだ!⇒一色いろはの誕生。
・いろははクズがクズのまま素敵なキャラクター。嫌な面すらもかわいく書く(つまりあざとかわいい)小説内の役割として八幡と雪乃下の掛け合い等で字面が重くなった時に、軽い言い回しでほどよく崩してくれる存在。バカそうに見えていろはも実際頭がいいから書きやすい。
⑨社会人経験が余すことなく活かされている。
・玉縄の進まない踊る会議
3ndシーズンまとめ
「知ること」から「疑うこと」へ。積み上げてきたものを壊すターンへ。
Finalシーズン
⓾始まる「青春群像劇」
・10巻から明確に八幡以外の視点が導入。「誰か」の視点で描いた冒頭?
⑪「諦め」から誰かに委ねる物語
・書いた量より消した量の方が多い。
・「諦め」では終われない。偽りのエンディング⇒ある種の諦めでも拭いきれない違和感を突き詰めていく。
⑫締め切り直前に後半を丸々変更する。担当編集もたじたじ
⇒当初から固い姿勢を見せいてたからこそ、「あいつなら仕方ない」と向こうから折れてくれる。⇒仕事がしやすい(これ重要)
Finalシーズンまとめ
自分だけの「言葉」を探す物語。答えを諦めきれない。
大人では使えない「言葉」、16,7歳だからこその「言葉」、自分が口にすべき今この瞬間だから生み出せる「言葉」⇒俺ガイルは『言葉』に振り回される物語。
お前らメモはどうした
汚い字を解読しながらざっと書き写しました。(これ読む人俺以外にいないでしょ……)いろは以降メモの量が極端に減ってて草。たぶん集中力が切れましたねここで。
会場でメモ取ってる人ぜんぜんいなくて、逆に「え、あいつ一生懸命メモ取っててガチ勢かよwww」と笑われているようでスゲー恥ずかしかった。え、録画録音が禁止されている講演会ってみんなメモ取るものだと思ってた……。
私が持っていた疑問は「抑えきれない渡航が出てきてしまった」という完璧な答えを知れたので大満足。物語の制作方法まで教えてもらっちゃって感謝感謝です。
ここまで書いて思ったんだけど講演内容って著作権とか平気なのかな?
ダメなら速やかに非公開設定にするので教えてください。
(物販はブロマイドを買いました)