淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

あの素晴らしい“うぇーい”をもう一度

SNSで覗き見る友達の日常は、意図的に切り取られた一部であるとは分かっていても、自分の世界とはあまりにも遠すぎて嫉妬の域を超える。いやだってさ、こっちは仕事があんなに大変なのにさ、今日だって朝からクライアントが〜なんて呪詛のように仕事の愚痴を書くことは今回しないけども、現状としては指癖で開いてしまったストーリーに旅行の映像が笑い声と共に流れてくると「いいなぁ」と電車に揺られながらひとりぽしょっと呟いているとだけ報告しておく。この「いいなぁ」は「3兆円ほしいなぁ」と同等の期待値であるから、嫉妬にも羨望にも当てはまらないことはお分かりだろう。だけど不思議だ、同級生だった彼ら彼女らがとても遠くに感じる。

そうした「いいなぁ」はSNSに限らず、帰宅途中の駅前でもよく見かける。大声でジャレ合う学生の集団。パーカー姿の男性が私の肩にぶつかって「あー、すいません。おい!お前のせいで迷惑になっただろ!」と半笑いで叫ばれるその言葉が1番迷惑なのだがと思いながらそそくさとその場を後にする。背中で学生たちの談笑を浴びながら、ふと物思いにふける。大学生だったころ、私はあんなふうに大人に煙たがられながら楽しい夜を過ごしていただろうか。愚問か、答えはNOだ。周りの目を気にする臆病な私には、ついで酔った勢いに頼れない下戸の私には……いや、嘘です、めっちゃ迷惑かけてましたすいません。

フリーダムを体現化したような大学生たちの奇行。サイキョーって感じがひしひしと伝わってくるし、その勘違いっぷりも清々しい。恥ずかしさと懐かしさが混在した甘酸っぱい記憶が蘇る。一瞬だけ現実から足が浮いた私は、それでもわかっている。私には縁がない世界なんだと。

だけど不思議なものだ。こちら側と向こう側、そこの間に年齢差なんて川は流れてないのに渡れないのはなぜだろう。

まだあの声が聞こえてくる。声はどんどん遠ざかっていく、ゆっくりと。

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