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やるせない26歳が綴るこれは独り言

【7冊】7月に読んだ本を紹介します【ブックレビュー?】

雨の日は、本を読む。

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7月が終わります。うえーい。

というわけで、今月読んだ本を一気に紹介しようと思います。疲れててもやっぱり本はいいぞ。

 

 

 

 

『黒い家』 貴志祐介 

貴志祐介さんの代表作。結局怖いのは人間だってこと。

reyu.hatenablog.com

 

「『善意で踏み固められてた道も、地獄に通じていることがある……』」

引用 : 黒い家(貴志祐介)p.200 l.5

 

 

 

『身の下相談にお答えします』 上野千鶴子

 

日本ジェンダー論を代表する社会学者であり、現在は東京大学名誉教授としても名高い上野千鶴子さんが素朴な(下の)悩みや、切実な(下の)相談に答え、読者に希望や勇気?を与えてくれる一冊。頭のいい人の発言は一見ひねくれているように感じるけど、鋭い角度から切り込んでくる物の考え方は私たちに新たな気づきを教示してくれる。

 ⇩この切れ具合ほんと好き。

だから私は結婚をこう定義しています。

「たった一人の異性に排他的かつ独占的に自分の身体を性的に使用する権利を生涯にわたって譲渡すること」

この契約、守れますか?

引用 : 身の下相談にお答えします(上野千鶴子) p.88~89 

 

 

『愛がなんだ』 角田光代

恋愛小説の巨匠、角田光代。これが初角田光代でした。結構恋愛物は読んできたけど、実は読んだことなかった。

これはねぇ…余裕があるなら映画見た後に原作読むといいかも。異性(男性)から見たテルコの感情の答え合わせができるから。映画を観た時に自分が想像していた心の動きとだいぶ異なってて、女性ってわかんねーと頭を抱えました。

主人公のテルコのように生活を捨ててまで目の前の一方的な愛を取る人っているんですよ。ほんとに。結局その人自身が幸せならいいんですけど、現実は報われないことが多いので日に日に憔悴していく姿を見ると心が痛くなります。これも一つの「恋愛」なんでしょうけど……愛ってなんだろうね。

 

映画レビュー⇩

reyu.hatenablog.com

 

原作レビュー⇩

reyu.hatenablog.com

 

マイナスであることそのものを、かっこよくないことを、自分勝手で子どもじみていて、かっこよくありたいと切望しそのようにふるまって、神経こまやかなふりをしてて、でも鈍感で無神経さ丸出しである、そういう全部を好きだと思ってしまったら、嫌いになるということなんて、たぶん永遠にない。

引用 : 愛がなんだ(角田光代) p.150

 

りゅうおうのおしごと!(3)』 白鳥士郎

なんか面白くてシリーズで追い始めてしまった「りゅうおうのおしごと!」元々はこの作品に登場する夜叉神天衣(CV 佐倉綾音)がめちゃくちゃ可愛くてそれ目当てで読んでたんだけど、ロリ萌えの中にもしっかり生きている人を書いててその温度差が凄く新鮮に感じる。将棋という勝負の世界を物語の道具として軽視することなく、しっかり取材を重ねてスポットをおいている。特にヒロインをはじめとした女流棋士達の心情はシビアに描かれる。

 

将棋は単なるゲームに過ぎない。他人を癒したりすることはできない。社会の発展に寄与することもない。むしろ貴重なエネルギーを浪費しているだけで、無駄以下の存在かもしれない。

けれど、俺たちにとって将棋は全てだ。

引用 : りゅうおうのおしごと!3(白鳥士郎) p.170

 

『冷たい校舎の時は止まる(上)(下)』辻村深月

 

芦田愛菜も大好きな大人気作家辻村深月

本当は「凍りのくじら」を読もうと思ってたんだけど、ブックオフで¥200に値下げされてたからこっちを買っちゃった。キャラクター1人1人の背景を固めた上で心情と行動を連結させて、物語を動かしてくるので物語世界にとても入りやすい。キャラが皆立っているから、「あれ、こいつ誰だっけ」とページを戻ることは一度もなかった。

可愛らしい表紙とフォントからは想像できないが、意外とホラー描写が怖い。

 

「……お前ね、自分の痛みより先に他人の痛みに気付くようだとなかなか幸せになれねぇよ」

引用 : 冷たい校舎の時は止まる下(辻村深月) p,375

 

『百の夜は跳ねて』古市憲寿

 私が大好き古市憲寿さん。歯に衣着せぬ発言が痛快なエッセイも魅力的ですが、彼が書く純文学もなかなか味があって面白い(すごく抽象的な評価)。これは後々しっかりレビューを書こうと思います。ただ純文学のレビューってめちゃくちゃ難しいんだよね。

そういえば前作の「平成君、さようなら」と同じようにしょっぱなから純文学のエッセンス?を入れてきますが、これは古市さんの癖なのでしょうか。

 

格差ってのは上と下にだけあるんじゃない。同じ高さにもあるんだ。

引用 : 百の夜は跳ねて(古市憲寿)p.7

 

 

7月のまとめ

 というわけで今月は7冊読みました。参考書とかを含めるともっと読んでるのかな。読破した冊数を誇っても悲しいだけだからなんでもいいか笑

ほんとは読んだ作品全部しっかり感想を書きたいと思ってて、少しずつ書いては下書き保存はしているんだけど、7月中に間に合わなかった…。無念。読み終わってすぐパソコンの間に座らないと自分の感想を自分でも忘れてしまう笑。一応、読んでて気になった箇所には付箋を貼るようにしてるんだけど、読み返してみると「なんで俺ここに貼ったんだ」って時もあるし、そもそも感想自体がその日のコンディションによって大きく変貌するし、感想が鮮度を持っているうちに書かないとダメみたいです。

扇風機を回しても頭は回らない夏がやってきました。気合入れて読書していきましょう。

 

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