淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

【コミケ】夏の風物詩に行ってきました。【C96】

そうだ、コミックマーケット96に行こう。

mantan-web.jp

 強い欲求を胸に抱えていても、行動までが遠い。

「できない理由を探して行動に移さないのは人生の負け組だ!人生行動あるのみ!」

 と成功者とか億万長者は口を揃えて言うのだけれど、やっぱり面倒くさいときは面倒くさいし、怠いときは怠い。暑いときは暑い。

結局今回も「いや暑いし」「この前アレで金使っちゃったし」と理由付けしてコミックマーケットの参加を見送ろうかと思っていたのだけれど、卒業してから心躍るイベントはめっきり減ったし、友達ともスケジュール合わなくなったし、そもそもモラトリアム延長線に仕事(バイト)を埋め込んで生活している私が日曜日を「休暇」として満喫するなんて片腹痛い。ならば「疲れそう」だの「臭そう」だのぶつぶつ言ってクーラーの元で涼むよりも、目の前のイベントに飛びついた方が楽しいかなと一抹の期待が湧いてきた。ということで

コミックマーケット96に参戦してきました!

(友達は予定が合わず一人参戦)

 

 

 

何のためにオタクの食祭へと赴くのか。

コミックマーケット(以降『コミケ』)に行くのはたぶん4年?5年ぶりくらい。ご無沙汰だ。

ここ数年はオタク熱がだいぶ冷めてしまって、同人誌やキーホルダーなどのキャラクターグッズに魅力を感じない…そもそも魅力を感じるキャラクターがいないこともあり、「これが歳を取っていくことなんだろうなぁ…」と感傷に浸っていた。

そんな私の元に突如現れた美少女が「一色いろは

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かわいい。

キャラデザ(茶髪毛先ハネ)、名前(語感のリズムが良い)、性格(あざとい)、立場(後輩)、口調(猫なで声)、声優佐倉綾音……素晴らしい👏

今回のコミケの目的は一色いろは」の書きおろしタペストリーセット。まだ暑さも顔を出す前に家を飛び出した私は天使が待っている東京ビックサイトへと向かった。

 

新築「東京ビックサイト青海展示棟」は快適すぎる。

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「めっちゃ涼しいやん…」

東京ビックサイト青海展示棟に着いた私は汗を拭いながら呟いた。天井を走る銀色のダクトから人工的な冷気がうねりをあげて吐き出されているおかげでコミケに似合わない快適な空間でお買い物を楽しむことができる。そしてこの会場は想像以上に人が少なく、気持ち的にも空間的にも足取りは軽かった。

この空間ほんと懐かしい。ぶくぶくに肥えたリュックが揺れる背中を見ながら流れにそって前へ進む。すれ違うたびに目が合うのは人ではなく、Tシャツにプリントされた少女、両手には用途不明のデカい紙袋がぶら下がっている。半裸状態の少女ポスターが整然と掲げられ、裸体同然の美少女に男たちが飛びつく。聞こえる早口、鼻腔に人がる人間の香り…ああ、間違いなくここはコミックマーケットだ。

地図が無いため、歩きながら目当てのブースを探す。大手の企業は相変わらず大人気だった。 バンドリの看板が見える。気づけば第一線で戦うコンテンツになってた。ハチナイって人気あるのかな?なぜかMIKASAが出展してるし…様々な思いを馳せながら奥へ進んでいくと見覚えある顔がこちらを見つめていた。

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「見つけた!ホビーストックブース!」

「売り切れ」の文字に冷っとしたが、欲しかったものは残っているようだ。由比ヶ浜結衣(ピンク)と雪ノ下雪乃(黒)のタペストリーは残念ながら既に売り切れてしまった。人気の2人が売り切れてしまったからだろうか、列自体も30人前後とかなり少なめだった。いや、一色いろはも人気キャラクターだけど。

そして無事購入(¥5000)……高い。

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片手に持った紙袋。これで私も4年ぶりにキモオタの最前線に復帰だ。

 

全くの偶然の再会

次の目的地は「西展示場」、目指す先は同人誌である。地図が示す徒歩十分程度の道のりを歩いていると、地獄はすぐに形を成して現れた。

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「うわっー!いい天気!」

と上を向けばカンカン照りの太陽とこんにちは。その烈火に晒されている人間共は成す術もなくただうなだれているだけだ。オタクトークに花を咲かせる者もここでは消え失せ、地面を擦るように進む足音だけが響く。

小さく肩を揺らせながら進む大移動の中に見覚えある後ろ姿を見つけた。

「おい、○○」

「うわっ」

振り返った顔を見て高校の同級生だと確信する。さっそく高校の同級生と奇跡の再会を喜ぼうかと思ったが、どうも顔色が悪い。急いでスポーツドリンクを差出し飲ませる。体が小刻みに揺れ、顎も上がっていたため脱水症状間際だったかもしれない。話を聞くと友達に荷物を全て持たせて末はぐれたとか…なにやってんねん。ほんとに熱中症で倒れる人は毎年後を絶たない。しっかりとした準備と訓練が必要です。

しかし、こっちとしては共に進む仲間ができて心強い。お互いに喉が渇ききらない程度に話をしながらじわじわ行進する。そして太陽はじりじりとオタクを焦がす。出た汗を飲めば永久機関ができあがるレベルで私の汗腺は今日も絶好調だ。

牛歩を長らく続けていた列が大きく右に曲がると、そこからは日影が消え去り俺たちは一切の逃げ場を失った。そして突然、強烈な既視感に襲われた。引っ張られるようにゆっくりと面を上げると、ソイツは見下ろすように昂然と佇んでいた。

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 入口まであと少し。早く入れてください。

 

これがコミックマーケット

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見ても分かる通り生き地獄だ。まず暑い。先ほどの展示棟と違って冷房設備がない上に風通しが悪い。多少の換気はされているけど、結局暑いことに変わりない。

臭いは汗臭いというよりも制汗剤臭い。まるで運動部の部室のようなにおいが充満している。ああ、青春の香りとこんなところで再会なんてほんと奇遇……ってなるか!単純に臭いわ!

そしてこの人の数である。汗ばんだ肌同士が接触するのは日常茶飯事だし、ポヨンとしたお腹に突撃されることも珍しくない。故意的に肩をぶつけてくる人もいる。身勝手な人もいる一方、優しく助けてくれる人も沢山いる。聖人からクレイジーボーイまで…オタクとはどうしてこうも極端なのか。まさにこのカオスっぷりがコミケって感じだ。

その中をかき分けながら、時に流されながらお求めの品を探し出す。西に南に西に大忙しだったが、なんとか欲しかったものはほぼ全て手に入った。落ち着ける場所に腰を据え買ったばかりの薄い冊子を手にするとふと懐かしさを覚え、毎週様々なアニメイベント奔走していた昔の自分を懐古する。

「またこっち側に戻ってきちゃいそう」

行き交う人々の疲労に満ちた最高の笑顔。心から好きなものがあるって素晴らしい。

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今日の戦利品。

ということで今日購入した品々です。

合計で大体1万円くらい。つーか床汚いな。

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 クリボー漫画でお馴染み?「たろ基地」さん

https://twitter.com/oratFFFF/status/1160348545540452352

水彩的な独特で塗りでとても可愛くキャラクターを描く「ろ樹」さん

https://twitter.com/roki_chouteikai/status/1159767441427193856

こんなサークルもあるのか「空耳アワー研究所」さん

 

 

 などなど。いやー久ぶりのコミックマーケット満喫なり。

 

終わりに

小学生の時に「人とは違った趣味が欲しい」と始めたアニメオタク。全く不純な理由でオタクデビューを飾った自分だったが、気づけばこの年までずっと近くにいたものだった。当初はストレートに「気持ち悪い」と言われていたこの趣味も歳を重ねるごとに理解と感染を広げいき、いまや恥ずかしくない趣味、さらには日本が誇る文化にまで成長してしまった。二次元コンテンツの成長はいまも止まることを知らない。ほんと凄い。この行く末を見届けたい。(ほんとはオタクについて色々書いてたけど多方面から怒られそうだから割愛)