淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

フレッシュな立場から放たれる"正論"はウザい

何度転職しようとも最初に入社した組織の価値観は抜けない

 

私が尊敬する人の言葉です。まだ学生だった私はその言葉を言葉のまま受け止めるだけでしたが、25歳を迎えその言葉の本質が分かってきた気がします。

 

ご存知の通り?私は残業代を払わない、いくら残業しても給与明細の残業時間が0と記載される企業に勤めています。

言葉にすると労働法すら守れないブラック企業なんですが、実は弊社がブラックだ!と実感したことは少ないのです。

なぜなら残業代が出ないことが会社の当たり前だったからです。

残業代という制度はもちろん知っていますし、入社当初は

「営業は残業代ないの普通だから」

「!?!?!?」

とはなったものの、会社全体で「不満だけどしょうがない」雰囲気があるとそれに飲み込まれてしまって最終的には

「まぁ、しょうがないよね営業だし」

と納得している自分が誕生しました。

 

しかし、この話を聞いた友達のドン引いた表情を見ておかしいことだと気付きました。私は不幸自慢でもなくただ

「社会ってこんなもんだよねー…はは」

と憂いを帯びた語り口で呟いただけなのですが

「いや、社会はそんなんじゃないから!普通にブラックだから!」

と怒られてしまいました。

それでやっと

「まあ確かに自分の力不足で仕事が遅くなるならまだしも、クライアント都合で残業せざるを得ない状況なんか多々あるし、道路混んでたら普通に帰社が定時過ぎになるし、てか早出をしなきゃいけない日の早出残業代も一切貰ってないぞ……これはブラックだ!」

と気づいたわけです。

 

外側から言われて初めて気づく。

知らぬ間に会社のカラーに染まっている自分に驚きました。入社当初は「おかしいですよね!?」と上司につっかかってた私も、今やその組織の当たり前を受け入れていました。

 

てことで転職活動を始めました。

残業云々はきっかけの一つにすぎなくて色々他にもあるんですが。

 

仮にホワイト企業というのが相対的なものだとすれば、私の尺度から測る限りホワイト求人が多さに驚きます。

当社比で考えると世界が真っ白になります。もちろん待遇面だけで職場環境は分かりませんけどね。ああ完全週休二日制のところで働きてぇ〜

 

あ、ちょっと話を変えますが完全週休二日制の罠についてお話します。

求人に完全週休二日制(土日祝)休みと書いておきながら実際は土日出勤が毎週のようにある会社が存在します。

「完全週休二日制って聞いてたのに休日出勤あるんだけど!!ここはブラックだ!」

実は限りなくブラックに近いグレーです。村上龍っぽさを狙いました。

完全週休二日制

これに恐ろしい但し書きを加えるなら

 

(休日出勤がないとは言ってない)

 

が加わります。

そう、ちゃんと休日出勤手当を出すなら休日に働かせてもなんら違法ではありません。悪質なトラックです。

年収例が極端に高い企業は休日手当込みの年収だったりするので気をつけましょう。

特に新卒のみんな!気を付けてくれよな!

 

閑話休題

 

入社当初は「俺がこの環境を変えるんだ!」と意気込んでいたころもありましたが、今は全く思いません。

なぜなら、会社を変えることはめちゃくちゃ大変だし(何を今更)、なによりその変化は先輩社員の方々のメンツをつぶす行為になるからです。

 

おかしな職場

時代遅れな働き方

これはあくまでも一年ちょっとしか勤めてない私から見た主観的な意見でしかありません。

その環境で長年頑張ってきた諸先輩方が沢山いる。その人たちにたいして、新人が”正論”をぶつける。これめちゃくちゃウザいんですよ。

 

例えば私は今普通に仕事で悩んでるわけですが、このブログや呟きを見た高校生や大学生が私に

「え、なんで就活頑張らなかったんですか?そもそももっといい大学に入っとけば選択肢は広がったのでは?つまり会社のせいじゃなくて最初から全部あなたのせいでは?」

と"正論"をぶつけられてみなさい。

私はキレる。

その通りなんだけどよぉ!

お前ら何も知らないだろうが!!

 

そう。

何も知らないフレッシュな立場から放たれる"正論"ほどウザいものはありません。

新人が思い付く程度の改善案なんて既に誰か思いついてるし、提案の姿勢が『そんじゃ、あとは会社がどうにかしてくれよな』ってどこか他人事。

会社を背負って仕事してる立場からしたら「なんやこいつ、何も知らんくせに」ってことです。

 

片手に満たない勤続年数で全容が見えてくるほど会社はクリアではありません。

長い歴史の中で様々な葛藤があって、潰れてった改善案も、しみついた愚案も、何で残ってるかわからない風習もあって、何かを変えようものなら部署間の利権に挟まれ、奥歯を噛み締めながら妥協を繰り返した先に今の環境があるのです。

そこに入社したての若者が

「え、それだと組織力が培われませんよね?その働き方時代遅れだと思います。そもそも会社のシステム全体がアナログすぎませんか?もっとデジタル化進めましょう。やっぱり僕は紙よりもタブレットでいいと思うんですけどね。あともっとキャリアの深掘りができる環境を目指すべきだと思うんですよね。実際に他社では〜…」

なんて理想だけを押し付けるようなご提案をしてみんしゃい。

めちゃくちゃウザいし、先輩方にこう思われておしまいです。

「いやーほならね、自分でやってみろ!って話でしょ?私はそう言いたい」

 

つまり会社のカラーに染まれない者は、去るのみ。

土台となる仕事の価値観はここで培わせてもらいました。あとは立つ鳥跡を濁さずの精神で頑張っていこうと思います。

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