淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

左ききのエレンが面白い【だったらサラリーマンやれよ】

おすすめされたモノの距離感

会話は探り合いから始まる。

全くのはじめまして状態だと、相手の情報が顔と名前と+α程度しかないから、どう切り込んでいこうかと逡巡し、たいていは「趣味とかってありますか?」陰キャは”とか”を多用しがち)と当たり障りのないかつ相手を傷つけることのないプラスチック剣程度の鋭さを持った質問で切り込んでいく。

趣味の話を振れば、その後の展開は容易だ。

極まれに「あっ、趣味とか…ないです」と早々に話の尾がぶった切られることもあるけど。

ある程度趣味紹介が進めば、タイミングを見計らってこう質問するのが定石だ。

「おすすめの○○とかってあります?」

すると相手は嬉しそうに口角を上げて語り始める。

こちらも笑顔でこう返答する。

「へぇ〜面白そうですね。今度、私も……」

 

しかし、この”今度”が遠い。

ほぼ一生訪れない”今度”。

 

おすすめされたものを実際に手に取ることは意外と少ない。

「なぜおすすめされたものを手に取らないのか」と詰問されれば「うーーん、、、忙しいから?」と答えればいい。忙しいをすべての理由に使う権利は社会人の特権だ。

そんな”忙しい”私が一昨日、珍しく手に取った。

それは左ききのエレン』である。 

 

 

 あらすじ

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大手広告代理店に勤める駆け出しのデザイナー朝倉光一は、いつか有名になることを夢みてがむしゃらに働く毎日だった。3億のキャンペーンのデザインを担当する光一はプレゼンで勝利するものの、プロジェクトから外されてしまう。失意の中光一は地元の横浜へタクシーで向かい、学生時代の過去を思い出す。

wikipedia『左利きのエレン』より

 

天才になれなかったすべての人へ

世の中に広く知れ渡っているモノ。その創造者は間違いなく天才だろう。

特に人の感動に直接呼びかける作品の作り手は、様々な肩書や異名を付けられ崇められる。

 

主人公、朝倉(26)は大手広告代理店でデザイナーをしている。

デザイナー……いいよね。専門職の中でもデザイナーは知識だけでは追いつけないセンスを持った”才能人専門職”だ。その0から1を生み出せる仕事に有象無象の営業サラリーマンの私は羨望の眼差しを向けている。

ただ、就職活動で下された評価はデザイナーとしての評価ではない。朝倉自身も自分の才能のなさに気づきながらも幼少期から夢にしがみついてきた努力人。しかし、自分の力を発揮できる機会がないまま日々仕事をこなす生活に嫌気がさしていた。

その姿はなんだか今の自分を見ているようで、だけど朝倉の置かれた悩みだらけの環境が羨ましいなとも思った。

 

自分は天才じゃない。そう気かせたきっかけはなんだっただろうか。たぶん圧倒的才能を目の前で見たときだったと思う。

身近にいる天才を見て、劣等感に押し潰されそうにもなるけど、同じステージ(ここでは会社をさす)に才能人がいることを俺はとても羨ましいと思う。スポットライトが当たるカリスマや楽々と仕事をこなす天才たちを近くで眺め続けるだけの生活は地獄そのものだが、その劣等感や敗北感は確かな成長に繋がる。当事者のうちは冷静に受け入れることができないけど、それは絶対に無意味な時間ではない。

苦味がない無味乾燥な環境こそ本物の地獄だ。

 

サラリーマンになると才能や天才とは縁がなくなる。安い言葉を使えば社会の歯車。替えの効く消耗部品だろう。業務をこなす上で要領は必要だが、それは向き不向きの問題であって才能は関係ない。 そもそも才能があったらサラリーマンをやっていない。

 

だから、朝倉のいる環境はとても羨ましい。

尊敬できる先輩、有望な後輩、熱を持った同期、違う世界で活躍する友人、信頼できる営業、そして天才のライバル。朝倉は天才ではない、だがこの漫画の”主人公”だ。歪を纏った整然な世界でうじうじ悩む彼の姿には多少イライラはするけども、天才に囲まれながら、ぶつかりながら必死に仕事に立ち向かう姿には胸打つものがある。

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紡がれる言葉の力強さ

左ききのエレンで特筆すべきは、言葉の強さ。

一番印象的な言葉は営業部で働く流川がアーティストにはなれなかったと嘆く朝倉に向けた言葉。

「だったら……サラリーマンやれよ」

流川いいキャラしてるんだよなぁ……。

 

読めば明日の活力につながる言葉が見つかるかもしれません。

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ジャンプ+で1~2話が無料で読める!

shonenjumpplus.com

 

左利きのエレンは週刊少年ジャンプ+で好評連載中!

つまり、最新話は無料で読める!

けど、俺はたとえ無料でも単行本派なのでネットでは読まない!

 

ジャンプ+で連載しているものは原作者かっぴーのリメイクになります。原作はcakesで読むことができるので続きが気になった人はこちらもチェックです。

cakes.mu

 

最近ドラマ化もしてました。

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おわりに

そういや、同じ友達におすすめされてTHEBOYSにもハマったな。あいつはいいセンスをしてる&俺のことを分かってるわ。

reyu.hatenablog.com

 

活字もいいですが、最近漫画ブームが来ています。

仕事をテーマにした漫画を探しています。

おすすめとかあったら教えてください。あ、島耕作は大丈夫です。

 

 

過去記事もどうぞ

 

reyu.hatenablog.com