淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

ミスターパーカージュニア(鬼)

「サングラスを忘れた?そんなのときは……」

次のセリフを待つ自分がそこにいた。

32型テレビに映っている二人組は今をときめく人気芸人チョコレートプラネット。「どんだけぇ〜」の一発屋かと思えば、泉元彌の「そろりそろり」で人気再爆発。鮮度が早いモノマネに依存することなくオリジナルネタTT兄弟を創造しつつ、さらに梅沢富美男坂上忍と物真似のレパートリーを増やしながら従来のネタのクオリティも上げていく。まさに芸人の鑑、そんな彼らの最新ネタがこれ。

 

「かぶれぇ!」

目元が完全に隠れるまでフードを深く被り、レニークラヴィッツの自由への疾走に合わせてステップをキメる。テーレレーレレー♪

そして決め台詞。

『ミスターパーカージュニア! \ドーン/』


Mr.パーカーJr.

 

これのなにが面白いのかはさておき、子供にはめちゃくちゃウケているようだ。

その日偶然パーカーを着ていった24歳は子供達からミスターパーカージュニアの称号をいただいた。子供の遊び相手には定評がある私だが、流行の鬼滅の刃についてはごっこ遊びに付き合えるほど知識がないので(柱を知らなくて激怒された)、やけくそ気味にとりあえず”ミスターパーカージュニアが鬼になった設定”でそれとなく戦いに参加することにした。

 

「お前らにもパーカーを着させてやるぜぇ…俺の名前は(スマホで自由への疾走を流す」

これが結構役にハマっていたのかキャッキャッと2人の炭次郎と1人の善逸が遠慮なく切りつけてきた。

「〜かた!なんとかかんとか!」

「おいっ!頭は危ないからだめ!腰、腰を狙って!ぐああああああ」

子供達の機敏な動きに注意注視しながら役作りにも務める。この空間で唯一の仲間はこのパーカーだけ。厚手の生地は四方から飛んでくる刀の打撃を和らげてくれる。だけど痛いものは痛い。股間を容赦無くついてくるのはやめてほしい。

 

パーカーを深く被れば被るほど強くなる設定のせいで5回ほど蘇生と討伐を繰り返し、最後は床に平伏したまま「もう、許して(疲れました)」と懇願することで決着した。満足げに去っていく戦士達の後ろ姿をぼーっと眺めながらふと昔の自分を重ねる。そこには同じように刀を振り回す幼き自分と、その隣に見覚えのあるお兄さんの姿が浮かんできた。

「あー……そういえば……」

今のいままで完全に忘れていた。ずっと昔、まだ自分が保育園に通っていたころ、同じように一日中チャンバラに付き合ってくれたお兄さんがにいた。思い出した瞬間、あの日の残滓が俺の口角を上げる。なんで忘れていたのだろう。もう俺はあの時のお兄さんより年上のはずだ。知らぬ間に''お兄さん''になっちゃってたんだな。あの日ずっと笑顔だったお兄さんは今の俺と同じような気持ちで付き合ってくれていたのだろうか。もう名前も思い出せないその人は蜃気楼のように消えていき、ゆっくりと哀愁が心を満していった。

 

はたしてあの子たちは今日のことを覚えててくれるだろうか。

俺はミスターパーカージュニアとして君たちの心に残るだろうか。

幼い戦士たちよ、俺の屍を超えてゆけ。

f:id:lovelive-yuki:20201101190925j:image

We are going to GO TO 小豆島 その3

初瀬戸内海で初の島。

f:id:lovelive-yuki:20201028233427j:plain

ここにあります。

小豆島(しょうどしま)は、瀬戸内海播磨灘にある。行政区分は香川県小豆郡に属し[注釈 1]小豆島町土庄町の2町からなり、人口は28,764人

小豆島は淡路島の左に位置する比較的小さめの島である。特産物は醤油、胡麻、佃煮、オリーブなどなどラインナップ豊富。オリーブに関しては国内栽培発祥の地として知られているらしい。また角田光代さんの代表作『八日目の蝉』の舞台にもなっていて、映画化の際には島をあげて撮影に協力したそうだ。

 

そしてこの島には橋が通っていない。あらあら完全に鳴門海峡を通っていく気満々でした。つまり行く方法はたった一つ。

フェリーに乗るしかない。 

神戸で少し箸休め

f:id:lovelive-yuki:20201028230840j:image

(今回の旅行はほんと天候に恵まれたと思う。)

フェリーの当日予約を電話で済まし、我々は神戸に到着。フェリー出発までまだまだ時間の余裕があったので、ご飯とお風呂をここで済ませることにした。

f:id:lovelive-yuki:20201028230857j:image

(神戸牛のステーキ丼、美味しかった。)

食後の温泉でガチ眠をかますアクシデントがありつつも(あの節はすみませんでした)、無事乗船。

23時に神戸を出発したこの船は一度香川県を経由して翌朝6時ごろには小豆島に到着する。つまり宿泊しつつ翌朝から動けるという素晴らしく出来すぎたムーブになっていた。

エンジンの振動を足元で感じながら船の奥へと進んでいくと、なるほどこれが格安フェリーと理解する。個人の寝床は用意されてないので早いもの勝ちで席(エリア)を確保し、あとはお座敷風シートを広げて床で寝るのみ。カプセルホテルのような寝室は期待しすぎるだったようだ。想像してた一泊と全然違うけど雑魚寝上等。

f:id:lovelive-yuki:20201028230918j:image

(船に乗る前のコンビニで手に入れた。ニコちゃん懐かしい)

船から眺める朝日

f:id:lovelive-yuki:20201028230933j:image

この景色こそフェリーの醍醐味。

船内の騒がしさは到着が近いことを意味する。流れてくる潮風に少し肌寒さを感じた。朝日を浴びる船が轟音を鳴らしながらゆっくりと速度を落としていく。

さあ大人の遠足が始まる。

 

 前回の記事

reyu.hatenablog.com

reyu.hatenablog.com

 

一年前の記事を振り返ろう 10月篇

私が去年書いた記事の数をご存知だろうか。なんとその数147記事。ほぼ二日に一回ペースで更新していたことになる。それだけ意欲に満ちていたというか、時間があったというか……。その中身も小説もどきかと思えば超絶プライベートなことも書き、臆面なく自身の内心を綴り、アフィリエイトにも挑戦する。24才の自由帳のページ数は今や200件を超え、ここに人生のポートフォリオを制作しているといっても過言ではない。

 

今日は人生の一部、一年前の記事を読んで過去の私を今の私が批評してみようと思う。そこに私が気づいていない成長があるかもしれない。

 

一年前の記事『気づくのが遅いから。』

reyu.hatenablog.com

 

やはり私はいつだって気づくのが遅い。後悔してから手を伸ばすことがほんと多くて、そして結局なにも掴めない。

 ちょっと疲れている時に書いたようだ。私がへこんでいる時に文章を書くと「〜ない」と体言止めを多用する癖がある。今も変わらない。

この記事のキーワードは「後悔」

読んでみるとどうやら一年前の自分は後悔を感情として受け入れられなかったようだ。だから悔しいと思う前に”仕方ない”と言い聞かせて自己の選択を正当化していたようだ。あー超絶保身的な考え方が原因で色々失敗するんだけどね、まさにこの記事を書いたあとに……

今だから言えるけど、どれだけその選択を正当化しようとしても後悔は昇華することはない。だって後悔は結末なんだから。もう終わったことなんだから。触れられない過去なんだから。結末の続きを生きる私たちができることは同じような後悔をしないように努めることだけじゃないかなぁ…

ま、それでも似た失敗を繰り返しちゃうんだけど。その人間らしさ、愛おしくない?

 

そんな私にとって大人の世界は厳しいようだ。なんて言っているけど、別に大人を軽視していたわけではない。

まず、 お前このころ働いてないくせに「大人」を語ってじゃねぇぞ。

柵が外れた夜の街を跋扈する大人の姿

 我ながらいい表現だね。跋扈は”ばっこ”と読みます。

夜の街で騒ぐ大人が下品に見えた時期もあったんだなぁ、一年後そっち側の人間になるぞ。下品に見えるこの世界も悪くないよ、くっそ大変だけど。

そんな些細な成長を喜んでいる私はやっぱりまだみんなの百歩後ろにいるんだろうな。

いやいや素直に喜べばいいのにと思う。

 

読み終わった感想は「自分に期待しすぎ」に尽きる。ダメな自分を認めようとしない根本的なナルシスト精神が23歳になっても抜けてない。まじか1年前の自分…

けどわかる、ダメな自分じゃダメだって意地があるのもわかる。だけど、よく自分と現実をよく見つめ直したほうがいい。23年生きてみてわかってるはずだ、私はスマートな生き方はできないって。それでもまだ無理してカッコつけようとするから理想の自分との乖離が酷くなって自己嫌悪のドツボにハマり、スマートにもなれず、バカにもなれないつまらない人になっていく。

 

たった一年前の記事なのになんだか高校生のころの自分を見ているようだった。え、もしかして高校生のころから精神の成長が止まってたってことでしょうか???😶

f:id:lovelive-yuki:20201028003409j:image

ボヤキ

10月も残り5日間。そしたら今年も残すところ二ヶ月になる。

つまり入社して10ヶ月が経つ。仕事にも職場環境にもだいぶ慣れてきて、ようやくプライベートにも目を向けることができるようになってきた。この前ブログにも書いたが、ジムに通ったり、マッチングアプリで出会いを探したり、旅行に行ったり。少し遅れを取ったが24才社会人の生活がやっと始まった気持ちだ。

だがすぐに来年になる。そして私は25歳になる。四捨五入をしたら「あら、30歳」でアラサー、成人して5年も経つことに驚きだ。そろそろ余裕ある大人になりたいと思っているが現実は想像以上に過酷だ。社会人として三年目でも、まだまだ自分のことで精一杯だ。弱い自分、臆病な自分、不甲斐ない自分、なにもできない自分……自分と向き合わなければいけない現実、そこに余裕はない笑

だからこそ「彼女が欲しい」その願望は”今の自分”を肯定してほしいという想いからきたのだろう。弱くて、臆病で、不甲斐なくて、何もできない自分を認めてほしい、抱きしめてほしい、愛して欲しい。仮に愛する人がいたならば、どれほど今が楽しかっただろう。砕け散った自己肯定を拾い集めてくれる人がいたならば、どれほど頑張れただろう。自分のために生きてくれる人がいたならばどれほど幸せだっただろう。

そんな「もし彼女がいたら」なんて妄言が様になるのは高校生までだ。彼女はいない、会社はブラック、弱音は許されない。たとえヒロイン不在でもこのストーリーは止まらない。たとえ守る者がいなくても痛みに耐えながら自ら戦わなければ確変イベントは起こらない。達観してページをめくってる側にいてはなにも手にいれることはできない。この人生は演者も脚本も演出も全て自分。それがこの、人生劇場。

 

今年はまぁーうまいこといかない年だったが、それは本厄のせいにして、残りの2ヶ月くらいなにか一つ”いい変化”が起こればいいなと思う。

愚痴でもなく抱負でもなくこれは、ボヤキだ。

We are going to GO TO 小豆島 その2

We are going to GO TO 小豆島 その2

名古屋は西日本であって関西ではない。

コメダから始まった1日目。

大きなたまごサンドと甘いアイスコーヒーで腹を満たした私たちはもう一人の友達をピックアップするために大阪へと向かった。

この年になるまで名古屋と大阪は”関西”で近所さん同士だと思っていたが、どうやらそうではないらしい。ハンドルを握る名古屋在住の友達に

「やっぱ周りは関西弁ばっかりなの」

と聞くと、他に誰が聞いているわけでもないのに、

「それは禁句だ、名古屋は関西じゃない」と小声で注意された。

確かにその通りである。区分は中部地方近畿地方だし、大阪と名古屋は結構距離があるし、そもそも名古屋は県じゃなかった。ナチュラルに愛知に喧嘩を売ってしまった。
f:id:lovelive-yuki:20201026095005j:image

 田んぼ、静か、雨降りそう

温泉に憩う

三人集まれば文殊の知恵とはいうが、私たちは悩んでいた。長い付き合いの友達がノープランで集まってしまった時にありがちな命題「で、これからどうする」は何歳になっても悩ましい。

ここは大阪の高槻市、静かな空に電車の走る音、長閑な住宅街。昔なら「とりまラウンワンでも行きますか」の一声でその日が決まったが、今の私たちには限られた時間と引き換えに無限の移動手段(と多少のお金)がある。もうカラオケフリータイムで満足できるほど青くはないのだ。(体力もない)

「温泉行こう」

誰の提案だったか定かでないが、私ではないのは確かだが、温泉に決まった。目的地は有馬温泉

「駐車料金払ってくるわ」

私は200円を投入しながら後ろの車を振り返る。運転が大人の権利だったころがとても懐かしく思えた。

f:id:lovelive-yuki:20201026095034j:image

 途中のサービスエリア。賑やかでコロナはどこへやら

有馬温泉は大繁盛

コロナウイルスの脅威は終わっていないが、”自粛”は終わったようだ。車を走らせて何時間、ようやくついた有馬温泉だが、駐車場があいてない。

「おいおいマジかよ」

その焦りは駐車の先にある、全く別の意味を持っていた。

「もうだめだ」

 

尿意の限界を迎えたズッコケ三人組は人気のないところに車を止めて、自然に向けて立ちションをしながら次の策を練る。膀胱がすっきりすると頭もすっきりするもの、隣駅に車を止めて電車で有馬温泉まで戻ってくることにした。

f:id:lovelive-yuki:20201026095105j:image

意外と本数はある

再び有馬温泉に到着する。駐車場を求めて右往左往する車が後を絶たない。他県ナンバーの車も目立つ。車も多ければ人も多い。とにかく多い。比較的ではなく絶対的に多い。”ソーシャルディスタンス”の看板が意味をなしてない足湯を始め、全ての施設が人でいっぱいだ。もちろん目的の温泉も例外ではない。あらあら外まで列が伸びている。

「これは、むり」

f:id:lovelive-yuki:20201026095134j:image

 カレーライスとサイダーをいただきました。雰囲気がとてもよかったです。

 

 

「で、これからどうする」

再びこの命題。「温泉に入ろう」ではなく「温泉に行こう」だったので目的は半分達成されたようなものといえばものだが、この不完全燃焼感をダラダラと炭化させていくのはどうも後味が悪い。タバコをふかしながら空を見上げると空が薄ら暗くなってきた。

「島いかね?」

誰の提案だったか定かでないが、私ではないのは確かだが、島に決まった。島…淡路島ならここ神戸から南下していけばすぐに着く。だけど淡路島って何があるんだろと思いながら、友達のスマホを覗くとそこには

小豆島 観光』

 

「…あずき、しま?」

どこそこ。

 

つづく

f:id:lovelive-yuki:20201026095402j:image

白Tは基本被る

前回の記事 

reyu.hatenablog.com

 

 

We are going to GO TO 小豆島 その1

We are going to GO TO 小豆島。

 

 

ココロを休めに

f:id:lovelive-yuki:20201022230501j:image

(小豆島にて)

東京のGOTOキャンペーンが始まる前のこと。

祝日に全く縁がない10月のせいで大半の人は忘れていると思うが、先月9月は土日に敬老の日&秋分の日が整列して4連休が発生していた。連休…いいよね、またほしいね連休…

この貴重な4連休をどう過ごすか。休暇、休養、静養、養生、英気を養う……つまりだらだら過ごすこともありだが、肉体的な疲れは実のところそこまでなかった。疲れているのはもっと内面的な部分、そしてその原因はこの社会だ!日本だ!TOKYOだ!

これはもう行くしかない、友人が待っている関西に。

  

夜行バスの醍醐味

f:id:lovelive-yuki:20201022230553j:image

(コロナ自粛もだいぶ薄れ待合所の椅子はほぼ満席)

”頂いた”おやすみを有意義に過ごすため、私は都会から逃げるように名古屋行きの夜行バスに飛び乗った。あ、別に名古屋が都会じゃないって言いたいわけではないです。ちなみに片道のお値段¥3500でめちゃくちゃ安かった。

そしてバスはバスタ新宿を出発する。なんか出発の瞬間ってワクワクするよね、高揚感のピークはそこだけど。

硬い座席にフィットしない尻を労わりながら、腰と首を何度も据え直しながら、耳からこぼれ落ちたairpodsを手探りしながら、隣の人と肘置き合戦をしながら、眠気を求めて目を瞑り続ける。ああ、この苦行こそ夜行バスの醍醐味。

帰りは新幹線で帰りました。

f:id:lovelive-yuki:20201022230619j:image

(深夜のサービスエリアはなぜワクワクするのか) 

名古屋の喫茶店

f:id:lovelive-yuki:20201022230639j:image

(名古屋の記念すべき一枚目。なぜ撮ったか覚えていない)

無事に名古屋駅に到着した私はそのまま友人宅へ向かった。

名古屋駅から徒歩10分、好立地でかつ新築で家賃も安いくせに会社が8割出してくれているというもう書いててイライラしてくる福利厚生万歳企業に勤めている友人が朝早くから出迎えてくれた。俺は東京住みだし全然くやしくないっすけど(ジリ貧

「朝どうする」

「あ〜名古屋の喫茶店がいいな」

「了解、車で行こう」

🚗〜〜

f:id:lovelive-yuki:20201022230124j:image

着いたのはコメダ珈琲

たまごサンド美味しいね。

 

続く

 

過去記事もどうぞ

reyu.hatenablog.com

reyu.hatenablog.com

 

走り続ける理由

 

延々と回り続ける床に振り落とされないよう必死に足を動かす。苦痛のピークを乗り越えて息が軽くなった時ふと「俺は何のために走っているのだろう」と考えた。残り6分、時速12km。

ここが区営のジムであること、半袖半ズボンの運動着に着替えていること、入念なストレッチのあとにエアロバイクを漕ぎ、5分のインターバルを置いてエプリティカルで体を温めてから休憩なしでランニングマシンのクイックスタートボタンを押した。つまり私は有酸素運動をするため、つまるところダイエットをするために走っている。では私はいったい何のためにダイエットをしているのだろうか。

 

彼女がほしい。そう心から願ったのは中学生以来かもしれない。

今の環境は義務教育時代とは大きく異なる。クラスもなければイベントも用意されていない。茶化してくる友達も、陰キャ陽キャラの差別も、男女グループの諍いもここにはない。ましてや同年代すらいない。私が勤める会社はどうやら自然発生の恋愛は望める環境ではないようだ。

どうしても彼女を作るというなら既存の繋がりを頼るのも一つの手段ではある。だがそんな便宜的な恋愛を腐れ縁の延長線上でやりたくないし、その結末はお互いに何かを諦めた末の打算的妥協なのでまだまだ若気が満ち満ちる愚かな24歳の今考慮すべき手段ではない。てか新しい環境には新しい出会いと相場がきまっているし、俺の中で。

「こうなったら少し抵抗があるが、これを頼るしかないか……」

そうして私はなけなしの4000円を投じてマッチングアプリに手を出した。

 

いいね!いいね!いいね!と好みの女の子にどんどん投げていく。

「年齢は20〜24歳で結婚願望は薄め、できれば身長は低め、髪は肩にかかる程度で、ディズニーはほどほどに、趣味はインドア寄りがいいな、音楽好きならなお可、あー洋楽オンリーはきついかも、あと可愛い子で……」

まるでオーディションの審査員のように女性の価値を計り選別していく。それはとても気持ちがいいものだった。自分の意志だけで他人の優劣を決めることができる。一生懸命書かれたプロフィール、厳選された写真、自己PR……それをさっと読み流して表面上の情報だけで甲乙を付けていく。ただただ勝手に選んでいく、それをただただ繰り返す。

彼女にしてやってもいい女の推薦を終え、スマホの電源を落とす。暗くなった画面に映る影。醜い自分の顔がはっきりとそこにあった。

そして気付く。

こんな自分を誰が選んでくれるのだろうか。

たいした学もなければ、お金もない。身長も特別高くないし、スタイルがいいわけでもない。イケメンではないし(最近ミキの亜生に似てると言われた)、なんか仕事も続かないし、自信もない。ないない尽くしの自分が選ばれることはきっと”ない”

「だよね、そんな人生甘くないよねぇ、仕方ないか…」

と諦めるほど俺もバカじゃ”ない”。

ならば今一度頑張ってカッコよくなればいいじゃないかと。大丈夫、モテ期は確かにあった、はず、勘違いじゃないはず。そのころの自分を思い出して一歩でも近づくんだ。年齢は近づくことができない。でもなにかヒントはないかと過去の遺物を漁っていると当時のスペックが記載された健康診断表が出てきた。

「今より13kgも痩せてるじゃん…」

 

ああ、そうだ思い出した。俺は彼女を作るために走っているんだ。

残り5分。速度を上げてラストスパートをかける。速度は時速13.5km。

 

少しずつ消えていく脂肪と不安。だんだん増えていく筋肉と自信。

人生3回目、最後のモテ期に向かって走り続ける。

f:id:lovelive-yuki:20201018222317j:image

過去の記事もどうぞ

reyu.hatenablog.com

reyu.hatenablog.com

reyu.hatenablog.com

 

【デビュー】アップルウォッチを3ヶ月使ってみた件【レビュー】

アップルウォッチを3ヶ月巻いてみた。

f:id:lovelive-yuki:20201017172733j:image

スマートウォッチって気になるけど、そこまで必要じゃない気がする……

 

と、思っているそこのあなた!

 

その通り!

 

私も「いらなそうだけど、面白そう」の出来心から型落ちのApple Watch3(¥19800)を手に入れた口です。スマートフォンのような世界を変えるほどの期待はなくとも、「手首で情報をフルタイムに確認することができるなんてまるで情報化社会?だッ!」と内心結構ワクワクしてました。(まぁスマートフォンは手元で情報を確認できるデバイスなんですが。)

 

そして3ヶ月間使って出た答えは

”あってもいいけど、べつにいらない”

という想像通りのものでした。

だけど実際に使ってみて情報とはちょっと離れた場所で少しだけ暮らしが豊かになりました。

www.apple.com

実はこれが一番使う機能『タイマー機能』

f:id:lovelive-yuki:20201017173218p:image

一番使う機能はなんですかと聞かれたら迷わず答えるのは「タイマー機能

スマートウォッチのタイマーは音ではなく振動で時間を教えてくれます。

つまりは図書館やカフェや会議など、眠くなってしまったけど眠れない、けどほんの少し眠りたいからこっそり起こしてほしい時に有効な機能です。

普通なら「だめだ、5分だけ目を閉じよう」その覚悟はすでに敗北を意味します。が、スマートウォッチがあれば大丈夫。5分後ジャストに音は小さいけど強めの振動であなたに目覚めを届けてくれます。しかし30分以上のガチ眠にはおすすめできません(船に乗り過ごしそうになった経験有)。

 

そんな確認するほど友達いる?『LINEが見られる』

f:id:lovelive-yuki:20201017173422j:image

なんと手首でLINEのやり取りができます。

(普通にスマホでやった方が楽なんだけど。

ラインが届くと小さく振動して画面にメッセージを表示してくれます。これが運転中や手が離せないときは結構便利なんです。

返信機能もついていて、定型文を設定してそこから送ることも可能です。私は”了解”程度の返信であれば手元で済ませてしまいますね。さらになんと音声入力もできます。いやー最近の音声入力ってすごいね、入力早いしちゃんと変換してるんだから。DSのマイク機能に感動していた時代の人はびっくりだよ。

 

 

自販機での浪費が止まらねぇ『電子マネー機能』

f:id:lovelive-yuki:20201017173526j:image

買い物で財布を出さない時代から、電子マネーを経て、なにも出さない時代に突入しました。

スマートウォッチがあればポケットに手を回すこともなく、手首を近づけてピピッで買い物完了。スイカはもちろん、さまざまなクレジットカード電子マネー、ポイントカードにまで対応しています。別に収入は増えたわけじゃないのに”気軽に”お金を払えるようになったためか浪費が、特に自販機での買い物が多くなった気がします。喉が乾いてても財布を出す面倒さに負けて家まで我慢していた自分がまさか毎日のように帰りのホームでリアルゴールドを買うようになるなんて。

そう便利は金をこっそり食べている。浪費感覚がないから月末の請求には毎回おったまげー。

ちなみに

「スマートウォッチって電車の乗り降りする時とか便利そうだね〜」

という意見もありますが、これに関しては右利きの人にとっては全然便利じゃないです。

なぜなら改札の右側にタッチ部分がついてるので、左手首を近づけるためにツイスト運動が必要になるからです。さらに後ろから急かされてる状態で時計に傷を付けないように優しくタッチしなければならない。あ、この時期は長袖着てるから袖も捲らないと。すると左肩にかけてるトートバックがずり落ちてきて……改札は赤く灯り大きな音と共にゲートは閉じる。

 

 

体づくりのモチベーション『フィットネス機能』

f:id:lovelive-yuki:20201017173558j:image

腕に巻くだけでその日の消費カロリーを計算してくれます。それ以外にも心拍数や歩数、酸素の取り込み量から体の傾き具合、さらには歩幅まで。日々の実感しにくい運動量を数字で教えてくれるのでダイエットのモチベーションにも繋がります。いや、歩幅とかどうやって計ってるんだろう逆に怖いんだが。

せきららに暴かれる自分の体の癖は20年以上連れ添ってきた私でも知らないことだらけでした。健康志向上昇しますね。

 

終わりに。

こんくらいです。あとは…会議中でも手元でTwitterInstagramが見られるとか、腕につけてると自動でMacBookにログインできるとかそのくらいでしょうか。便利ちゃ便利、あってもいいけどなくてもいい。けど気になってるなら買ってみてもいい。それがスマートウォッチですね。

厚みがもう少し薄くなって、バッテリーがさらに改善されればいいなと思います。

まだ堅物のデバイス感が強くて”腕時計”って言葉が似合いませんから。

 

 過去記事もどうぞ

 

 1年前の記事。ほんと二十歳を超えてから時間の進みが早くなりましたよね。

今ではairpods使ってるけど、このコスパはよかった

今もときたま食べに行きます

reyu.hatenablog.com

 

若い。

reyu.hatenablog.com