淡々と、かつ着々と。

やるせない26歳が綴るこれは独り言

入社1日で退職代行を使われた中小企業

その時、会社に衝撃が走った。

「さっき電話がかかってきて、新人辞めたらしいですよ」

メールを打つ指が、枚数を数える口が、受話器に伸びた腕が、トイレに立ち上がった足が、従業員がみな、止まった。

「「え」」

今日はゴールデンウィークを控えた4月最終週の月曜日。

 

退職代行から連絡きたみたいですよ」

退職代行。

その言葉を使われる側で聞くとは。

薄汚れた天井を仰ぎながら大きくため息をついた。

 

 

退職代行を使われた側のレポって少ないよね

『退職代行を使ってやめました!明日から無職です!』

と呟けば祝福ムードに包まれる。そんな摩訶不思議な界隈に足を突っ込み早2年が経とうとしている。

私はこれまで沢山の人たちが退職代行(今更だが説明すると退職代行とは退職連絡から手続きまでを被雇用者に代わって済ましてくれるサービス)にお願いして現職にバイバイしていく様子を見てきた。

 

私が思うに退職に至る不満の大半が”期待と現実のギャップ”によるものだと思う。

やりがいのある仕事、尊敬できる上司、成長できる環境、切磋琢磨し合える仲間……その全てを会社が用意してくれて、社会が自分を歓迎してくれる。

そんな期待していた時期が僕にもありました笑笑

 

閑話休題

 

そんな悩める界隈に居たおかげもあって退職代行に馴染みがあったわけなんですが、まさか自分の職場で使われるとは思いもよらず、初動インパクトは想像以上に大きかったです。

そんなわけで私の記憶の鮮度が高いうちに今日という日の出来事を書き記しておこうと思う。

 

0、始業と同時に入電

辞めたのは事務の新人Aさん。

年齢は20代後半で事務部に配属。正社員雇用。

金曜日に初出勤、土日を挟んで月曜日に連絡があったので勤務日数1日での退職となる。

 

連絡は突然、始業と同時に来たらしい。

その5分後に私がいる営業部にも話が上がってきた。

「さっき電話がかかってきて、新人辞めたらしいですよ」

 

1、やっぱり驚く

「「え」」

ぶっちゃけ退職事情にドライな弊社員でも流石に「まじか」と口を開ける。

実際「まじか」とマジで思ってるのは事務の人間だろう。

 

今回の採用に至るまでの事務部の苦労はなかなかだったからだ。

不慣れな転職サイトの運営、のくせに事務職人気からの膨大な応募処理、これまた不慣れな面接を忙しさな合間にこなして、やっと内定を出した1人目には

「貴社の益々のご発展を……」と逆にお祈りされ、

第二候補にも「すみません。他で内定承諾してしまいました」と断られ、

そして三度目の正直、やっと入社を決めてくれた人にはなんと1日で三行半を突きつけられたのだ。そりゃもう可哀想でしかない。

 

2、なぜと憶測が飛び交う

「どうしてなんだろうねぇ」

光の速さで辞めた新人をアジェンダに今日の井戸端会議が始まった。

私は先週の金曜日に有給を使っていたので、一度も顔を合わせることなくお別れの運びになってしまいった。

『20代は僕たちしかいないですけど、がんばりましょう!』

せっかく用意した励ましの挨拶を言うこともできなかったことが悔やまれる。

 

「教え方が厳しかったのかね」

「すぐこの会社に合わないって思ったとか」

「他にも内定があったのかも」

「〇〇さんが変に声をかけたからだ」

考えたところで辞めた理由はさっぱり分からない。なんせ一日しかいなかったから。俺でも弊社のヤバさに気づくのに3日はかかったのに。

てことは8時間で気づいた彼女は優秀だった、、、?

 

上司がここでポロっと

「定時すぎまで業務を教えていたからじゃないの?」

('_')

 

3、わずかな印象が肥大化していく

理由を聞くすべはないし、代行を使われた我々が知ることは永遠ない。今後のために理由くらい知りたいけど。

すると盛り上がりは原因追求から、その人自身の話題に変わる。

「〇〇っぽかった」

「たしかにそんな気がした」

「△△に実家があるって言ってたからお金持ちだ」

「じゃあ辞めても問題ないね」

1日で得た情報をかき集め、理由を当人に落とし込もうとする会話が始まった。

新人が1日でやめた。これは大問題であり大損失だと思う。まだ戦力になっていないからセーフとか他部署だから関係ないとかそんなわけがないだろう。大量採用も定期採用もしていない平均年齢40オーバの中小企業が一人の若手を失った。

完璧なミスマッチなんだろうけど、もう少し重大に捉えてくれてもいいのでは。

 

追記 9/20

と思ってたけど、これは社風故にもう仕方ないし、改善も見込めない。というのが今の私の意見だ。

なぜなら人を育てない会社ではなく、育てられない会社だからだ。

 

4、「退職代行ってなに?」

「なんか退職代行から連絡きたみたいですよ」

「へぇ、そんなのがあるんだ……」

で、この話題おしまい。

いつもの業務へ。

そう、一日でやめた新人を気してる暇など中小企業にはないのだ。

 

 

5、こんなもんよ

この程度である。

正直書くことを無理やり絞り出したくらいで、ほんとあっという間だった。

辞めた人への悪口とか全く聞かなかったし、その後話題になることも一切なかった。ほんと有名人の結婚ニュース程度の話題で終わった。

だから「裏で何か言われてるのでは…」という心配は半分当たっているが、その日限りなので安心して退職代行を使ってほしいと思う。

 

ではでは。楽しい退職ライフを。

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中小企業という名の小宇宙

今の職場で働き始めて一年が経った。

ハンドルをぎゅっと握ってビクビク右折待ちしていたあの頃が懐かしい。馴染めない環境と業務に慣れるまでずいぶんと時間がかかった。この一年で身についた営業力なんて微々たるものだが、営業マンとして一つのコマにカウントしてもらえる程度には働けるようになったかなと思う。ぼちぼち仕事の緩急具合もわかってきて、ときには肩の力を抜きながら淡々と仕事をこなしている。

 

実は入社して2ヶ月後には「もう辞めたいな」と思っていた。その理由は専ら”仕事の辛いから”。誰も何も教えてくれないとか、担当が多すぎるとか、会社の雰囲気が悪いとか、組織としてなってないとか、入社早々「ひどい会社」だと後悔しながら仕事をしていた。2ヶ月程度の何もできない人間がなーに偉そうに会社を評価してたんだろうと振り返りつつ、今の私があらためて弊社を総評するならたった一言で済む。

 

「ほんとやばい会社だぜ!」

 

そう言って笑顔で烙印を押すくらいには成長した。

 

 

 

そう、弊社はやばいのである。この”やばい”にブラック企業的な意味はない……こともないが(労働法的にはグレーな出来事はこの際置いといて)、弊社は組織的にやばいのだ。

例えるなら将軍を亡くした家臣たち状態といったところだろう。会社を導く経営者が、いない。

 

私「誰が会社の方針を決めているんですか?」

上司「さあ?」

 

中軸がないおかげで各部署ごとに異なる方針と考え方が独立し、部署をまたぐ業務の統制が全く取れていない。

他部署『それは営業判断で決めてください』

そんな言葉で、責任を丸投げされることも珍しくない。そんなボークぎりぎりの直球にはこう打ち返すしかない。

「じゃ、そのまま行きましょう(どうなっても知らんけど(鼻ホジー

 

部署間の仲の悪さは弊社に限った話じゃない。どこの会社にも確執ゆえの働きづらさに悩んでいる人は少なくないだろう。だが弊社のやばさはそこじゃない。

 

こういった諸問題を”改善しようとすると潰される”のだ。

”会社を変えようとした社員は上に潰される”。のだ。

これまで個々で潰されていった社員は多々いるらしいが(この時点で笑っちゃうけど)、聞く話では過去に2回ほど大きなクーデターがあったらしい(笑っちゃうけど)。

1回目の反乱では複数の社員が飛び出して同業の新しい会社を設立した。今では弊社とシェアを争うほどの力をつけている。良きライバルとか前向きな言葉で評価されてて笑った

3年ほど前?に起こった2回目の反乱は失敗。みんなビビってしまって呼びかけに応えられなかったとかなんとか。立ち上がらなかった人を私は責めることはできない。なぜなら弊社の平均年齢は40オーバー。社員の多くが家庭を持ち、スキルあっても転職が厳しい年齢である。積み上げてきたキャリアを無碍に賭けずに現状を受け入れて耐え忍ぶのも家族と自分を守るための立派な選択だ。

 

上の”ご機嫌”で社員の明日が決まる。社内は”整える”が、会社は導かない。それでも会社は回っていく。

私は一つ大きなことを理解した。

 

会社を動かすのに正論は必要ない。上に立てばいいのだ。

 

とまぁ1年勤めてみて「にゃるほど、こういう会社ねぇ」と察した今日この頃。他の社員たちはみんな本当にいい人(その優しさに上が付け入るわけだけど)で、会社の話題になれば「おかしいよね」「納得できないよね」と一斉に口にするが、改善に動く人はいない。でも今の私はそこに憤りは全く感じない。だって”仕方ない”のだから。潰されちゃうもんね。

コロナ禍でさえ一切変化がなかった弊社。ならこの環境は雨が降ろうと槍が降ろうと上が変わらない限り変わることはない。では、変革を迎えるのはいつか。それは上が定年退職するまでの年数を指折れば自ずとわかる。

 

あと10年。

 

その頃、我35歳。

 

現在20代、私だけ。

 

こりゃ転職しちゃってもいいか。

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『才能とは集中力の質である』

最近忙しくて、疲れてて

週一投稿になってきました私です。

投稿頻度が減った理由は単純に時間がなくなったからです。仕事して、残業して、ご飯食べて、お風呂入って、友達と連絡を取って、勉強して…気付いたら日を跨いでる日々、そんな毎日を繰り返す日々…うーん悲しい寂しい。

そんな毎日に輝きがあるわけもなく、記事にするできごともない、わけでもないのだが、まぁ一件落着してから書きたいので現在進行形の他人事を面白おかしく執筆することはしたくないし、だからといって営業車で道交法をいかに守っているのかを力説するような記事を書いたところで面白いわけもないし、仕事の愚痴を書いてもいいけどリア友が結構な数読んでる(らしい)から、あんまり愚痴ばっかり書くと「ほんとあいつって口だけ達者だよね」とか「理想だけが高いよね」とか「なにもできないのに求めすぎだよね」とかもう色々な罵倒がラインやら電話で飛んできそうだから憚られるし、恋愛の話を書いたらリア友の中に含まれる過去にちょっと色々こじれた人もいて解釈の角度が違うせいで絶対怒られるだろうから昔の話は掘り起こしたくないし、つまり自由に書けなくなってきてるようにも見えるんだけど、そんなことは全然なくて、ありのままを書ける場所があってそれを読んでくれている人がいることが私には救いになってて、オフ会であった初対面の人とか久しぶりに再開した友人たちも「ブログ読んでるよ」を会話の糸口として使ってくれているみたいで、書いててよかったそして読んでくれてほんとうに感謝というか、勢いだけでここまで打ち込んでいるので誤字脱字は御勘弁って感じだ。

と、3分で打ち込んだ文章をさっさと投稿して今週のブログを締めてもいいのだけれど、それは甘えかつ癖になってしまいそうなので、今日は何度か私のブログでも紹介している漫画『左ききのエレン』から「才能」の話を切り取って、それっぽい記事にしたいと思う。

 

才能とは

左ききのエレン』をパラパラめくっているとこんな言葉が出てきた。

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『才能とは集中力の質である』

 

結果を出すには努力が必要。

努力に必要なものは“集中力”である。

といった至極わかりやすい話である。だらだらと机の前で時間を浪費することを努力とは言わない。集中して取り組んでいる時間にこそ成長の一歩がある。

 

またここでいう「集中力の質」は3つの要素から成り立つ。

①深さ

 集中力の強度

 外的動機に対しての集中力の持続性。

 ex.携帯の着信にすぐ反応してしまう→浅い/周りの音が聞こえなくなる→深い

②長さ

 集中力の継続時間。

 内的動機に対しての集中力の持続性。

③早さ

 集中に入るまでの瞬発力

 集中の燃焼性

 

この3つの掛け算によって集中力の質が決まるという。

つまり

集中力は深くて、長くて、早いものが最強!

……と胡散臭い自己啓発本の帯みたいなこおを言われても今更無理である。ここの読者は英才教育の対象年齢はとうの昔にすぎている。

そして作中でも言われているが、そんな集中力を持っているやつは『化け物』である。現にその化け物たちはSNSで拝見することができる。Twitterで人生掛け算している元商社マンとかあそこらへんの人たちである。大手商社で仕事を終えて毎日3時間勉強、1ヶ月でTOEIC400⇨800、朝活(AM2時起き)で幸せを掴もう!…とか正気の沙汰じゃない。

だが安心してほしい。人類の9割強は人間である。みなそれぞれ“整っていない集中力”を持っている。

そしてそれは自分の生き方そのものに繋がっている。デスクワークが苦手、作業のような業務が好き、マルチタスクがこなせない、すべてを一気に片付けたい。など自分が求めるライフスタイル、キャリアプランそこにはどんな時に集中できるのか、自分はどんな集中をしているのか、つまり自分に最適な仕事=自分が集中できる仕事と仮定するならば、この集中力の質は天職を見つける大きなヒントになるだろう。

ニートを含め、就活の路頭に迷っている人はこの『集中力の質』から自己分析をしてみるとなーにか見えてくる、かもしれない。(正直、さっさと働いた方が色々見えてくるけど)

 

ちなみに私は①浅い ②短い ③遅い。

つまり、集中するまで超時間がかかるくせに積み上げてきた集中力はLINEの音で0に戻る。

私の天職、どこ。

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新卒採用をしてこなかった会社に就職すると。

新卒採用をしてこなかった会社に就職すると

この暑さ、NEET生活をしていた去年を思い出す。

就職してから仕事についてあまり語らなくなった1番の理由は、ブログが会社にバレても「そうなんすよーブログが趣味なんですよーあはははは」と言い逃れするためです。

転職後の私の環境は”結局前職とあまり変わらなかった“という衝撃のオチをこっそり迎えていた。順風満帆な人生を過ごすためにはどうやらもう少しだけ苦労が必要なようだ。

ということで、こんにちは私です。

たまには仕事をテーマに書こうと思います。

今回は新卒採用をしてこなかった会社に就職すると…を実体験を元に語っていきます。愚痴というより、「まぁこういうもんだよねぇ」という9割方諦めの独り言ってテンションで書いていきましょう。

 

 

その1  研修制度がない。

「マナー研修寝てたわ笑」

「伊豆で2泊3日の合同研修だりー」

「3ヶ月かけて会社の勉強する必要ある?」

「グループワークまじ大変」

 

ああ、羨ましい!!

私は就職してから一度も研修を受けたことがない。つまり「学ぶだけでお金が発生する時間」を過ごしたことがありません。

俺はOJTの叩き上げ、本物のビジネスワーカー(社畜)よ。充実した研修、整った研修がいい!っておいおい会社は学校じゃないんだぜぇ。気合が足らないんじゃないか新卒諸君。

入社初日から営業同行に駆り出され、扱ってる商材も展開してるサービスも営業車の中でお聞きして必死にメモって覚えました。テキスト?そんなもの一切ありません。自分のメモった情報を家で復習。そしてわからないことは仕事をしながらその都度質問。まぁいいんですけど、別に質問とか遠慮なくできる性格だからいいんですけど(せめて会社概要の説明くらい欲しかった)

 

その2  後輩育成経験がない

これは先輩がダメというわけではなく会社のあり方の問題なんですが、新卒採用を毎年行わない、後輩が入社する機会が少ない会社では後輩育成を経験しないまま役職を持ったり、管理職になることが可能です。そりゃそうだ。

つまり育成マニュアルができてない、存在しない会社では「俺らの時代は〜」「俺が新人の頃は〜」が会社規範として適応されてしまうわけです。おいおい時代は令和だぜとツッコミたくなるような旧態然としたやり方は、郷に入れば郷に従えという言葉があるにしても、なかなかストレス。

手取り足取り丁寧に教えてなんて請いませんが、回答に「あー…やってけば分かるよ」は勘弁願いたい。

 

その3  同期がいない

同期がいないって辛い。

私は就職してこのかた一度も同期を持ったことがないので”同期“には異国語の響きすら感じます。

同期がいない。つまり「愚痴を吐く相手がいない」。

特に愚痴は絶対に同じコミュニティで吐き合うべきなんですよ。

例えば未経験SE関係の人が「今日も何もわからないまま終わった」って呟くのを見かけるますが、正直私は「わからないのにお金貰える仕事って最高じゃん」と思っちゃいます。愚痴が愚痴としてちゃんと機能するには同じ立場の相手が必要なわけです。

だから職場が違う友人に不満を嘆いたところで…

「いや、そういうもんでしょ」

「俺の方がもっとひどいよ」

「お前、それは恵まれてるほうだから」

と地雷を踏んだかのごとく険悪な空気が辺りを包み、不幸マウント合戦が始まります。

「他の人も苦労してるとかそんなこと知ってるわ!」

と泥沼の喧嘩へ……

 

 

 

その4  年の近い先輩がいない

年の近い先輩がいないって辛い。

私が所属する部署で20代は私だけ。1番歳が近い先輩でも一回り以上離れてて、社歴はみな10年以上。そこにポーンと投げ込まれた新人の私。

あまりにも、あまりにも周りと年の差がありすぎる。1年後、3年後、5年後の自分。次はこういう仕事をやるんだな。来年までにこれをできるようになればいいんだな。こういうキャリアの積み方をしていくんだな、そういう将来のビジョンが一切見えてこない。これからのキャリアの指標がないのはとても不安です。

 

まとめ

そんなかんじでこんなかんじ。

人はいい人ばかりなのでとりま頑張ってます。

 

みんなに伝えたいことは

「会社選びは慎重に。」

そして

「平々凡々は無難な会社を選ぶべき」

 

それが難しいんだよなぁ。

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埼京線を使うか、山手線を使うか。

2019年6月15日 

池袋から新宿に向かおうとしている私はあえて埼京線ではなく山手線に乗った。これは山の手線の方が早く到着しそうという直感からだ。そして山手線のホームの方が西口に近い。Yahoo!乗換案内アプリを使えば正解は一目瞭然だが、あえて使わない、頼らない。東京人としての勘は確かに持っているはずだから。

10分後、埼京線に遅れること5分、私は新宿駅に着いた。

ホームに降りるだけで第二の古郷池袋との差を感じてしまう。同じ副都心というイケイケグループに属しながらも、駅に溢れる人の様相や駅中に構える店の風格が全く違う。甘いスイートポテトの香りが鼻腔をくすぐる。

 西口まで着けば都庁までの道のりは案内板に従って「真っすぐ」進んでいくだけだ。ただ、この”真っすぐ”が異様に長い。その距離を裏付けるように平行型エスカレーターが設置されている。この「真っすぐ」も新宿駅に含まれるなら、『新宿駅から都庁まで徒歩5分!』と言ってもけして間違いではないわけだが、ここはどう見ても駅外でしょ…。虚偽情報に騙されたあの日の悔しさを私は忘れない。

 足に馴染んだ革靴を鳴らしながら、歩みを進める私はふとその足を止めて天井に視点を映した。大理石のような天井が鏡のように反射していた。そこにはシワがついたスーツに虚ろで疲れた目、光と対極にいる面持ちの自分と目が合う。それはもしかしたら将来の自分の姿かもしれない。私は自嘲気味に顔を綻ばせて、また一歩足をハローワークに向けて前に出した。

 

たぶん疲れていた時期

なにを思って書いたのか覚えてませんが、たぶん疲れている時期に書いたんだと思います。下書き保存の山に埋もれていたのを発掘してきました。ハローワークに通ったおかげで新宿にはそこそこ詳しくなりました。ハロワの帰りにお酒をひっかけたり、映画を見たり、喫茶店で本を読んだり……おいおいフリーター生活満喫してるじゃねぇか、なに悩みに耽ってるフリしてんだ昔の俺('_')

こうして読み返すと恥ずかしさを覚えたのはブログを始めた当初だけで、今では「ここ変だな」とか「これは自分に酔いすぎだな」とか「これは絶対誇張した」とか批評できる余裕を手に入れました。 こうやって下書きのまま眠っている記事というか愚痴は沢山あるのでちょいちょい手直しして公開していけたらと思います。

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最近の池袋の勢いは凄い

【既卒OK】利用者が語る新卒応援ハローワーク【評判】

そうだ、新卒応援ハローワークに行こう

若者に問う。

ハローワーク』と聞いてどんな印象を持ちますか。

きっと若者の9割がハローワーク悪い印象を持つと思う。2ちゃんねるSNSでは負け組の巣窟のように罵詈雑言書かれているのをよく見かける。たしかに『普通に』過ごしていたらお世話になることはない。だからハローワークを知る機会はない。作為的な負のイメージに染まるのも納得だ。私も現にそうだったし。

しかしいざ使ってみると、ハローワークはけして負ではないことが分かった。

・学生に向けたアルバイトの求人票もちゃんとある。

・ワークショップを随時開催している。

厚生労働省の組織なのでビジネス臭くない

・失業手当を受け取るためにはハローワークを通じて申請する必要がある。

そう、我々若者はハローワークを知らない。

今日はハローワーク新卒&既卒就活支援をしているという事実を大きな声で伝えていこうと思う。

新卒応援ハローワークとは

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 ハローワークって、仕事を辞めた人だけが行くところだと思っていませんか?
新卒応援ハローワークは、全都道府県にあるワンストップで新卒者を支援する施設です。
新卒応援ハローワークでは、大学院・大学・短大・高専専修学校などの学生や、これらの学校を卒業した方を対象に、学校との連携の下、ジョブサポーター(※)によるきめ細かな支援など、様々なサービスを無料で行っています。お気軽にご利用ください。

 新卒応援ハローワーク 公式サイトより

名前の通り新卒者向けのハローワークですが、卒業後3年以内の人も対象なので既卒者の方も安心してご利用できます。(俺が既卒者として利用してたから信じてOK)

求人紹介はもちろん面接練習から履歴書添削、マナー講習、業界紹介セミナーなど様々なサービスを無料で受けることができます。私は人生のお悩み相談、哲学的問い掛けにまで乗っていただきました。なにをしに行ってるんだ俺は。

新卒応援ハローワークは全国56箇所。各都道府県に1つは設置されています。ただ所在地は中心部なので地方の人は大変かも……

私は新宿の東京新卒応援ハローワークに通っていました。

普通のハローワークと何が違うの。

新卒応援ハローワークを使い続けた私が普通のハローワークと新卒応援ハローワークとの相違点を簡単に説明します。

1.雰囲気が明るい。そこには仲間がいる。

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先ほどハローワークは負の存在ではないといいましたが、普通のハロワには負のオーラが漂っています。

私は一度池袋のサンシャインの中にある普通のハロワへ行ったことがあるのですが、なんか怒鳴っている人もいたし、おっさんばかりだし、服装よれよれの人ばっか。中にはスーツ姿のスラッとした方もいましたが、悪いところが目立ってしまい居心地はよくなかったです。

 

が、新卒ハロワは全くの逆。

新宿の小田急第一生命ビル21階にある東京新卒応援ハローワークは静かでお綺麗。中を覗くと利用者も20代の同年代ばかり。その光景をみて私はこう思いました。

「あ、仕事がない仲間がいるんだ」

あの時、心の底からホッとしました。

全然仕事が見つからなくて孤独感に押しつぶされそうだったとき、同じ悩みを抱えている同年代の姿をこの目で見て、1人じゃないんだと思えたのは自分にとって大きな救いでした。

2.紹介される求人が新卒&既卒向け

新卒ハロワで紹介される求人はどれも新卒&既卒向けです。

既卒者&早期退職者は就活サイトに登録したものの「え、これって自分が応募しても大丈夫なのかな」と心配になったり、せっかく応募したのに「すみません、こちら新卒者のみなので…」と出鼻をくじかれることが多々ありますが、新卒ハロワなら大丈夫。大半の求人が既卒3年以内の応募可なので既卒者、第二新卒者でも安心して応募できます。(新卒のみの求人もありますが稀)

 

「え、でもハロワの求人なんてゴミばっかでしょ」

なーんて思ってたら痛い目見ますよ。

確かに超大手や外資系の企業の求人はありません。ネームバリューなら○○ナビ系の方が断然いいでしょう。

しかし、大手の子会社求人は沢山あります。

基本給20万以上、年休120日以上、ボーナス2ヵ月以上!

親会社と変わらず福利厚生は超充実

〇通、〇立、〇ヨタの子会社がこっそり募集をかけていたり……ゲフンゲフン。

そしてハローワークの強みはやっぱり中小企業の情報量。その量は他を圧倒しています。隠れた優良企業はここから見つかるかも。

 

大学等就職情報WEB提供サービス 

ハローワークの求人はご自宅のネットからでも調べることができます。あまりこのサービス知られてないんだよね。まさに求人のピンキリを見ることができるので眺めるだけでも楽しいです。

そして気になる求人があったらジョブサポーターに聞いてみましょう。その会社が求めている人柄や詳しい業務内容を教えてくれます。

job.gakusei.go.jp

3.合同説明会や面接会も一年を通して随時開催中

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 東京新卒応援ハローワークでは大規模な合同説明会を一年を通じて実施中です。もちろん参加費は無料。事前登録も必要ありません。次回の開催は2月上旬を予定。

・一日に50~100社と出会えるチャンス!

・職種は営業、事務、業界はIT系が多め。

・大企業の子会社さんがちらほら登場したり(人気ブースになる)

合説はとても落ち着いています。しつこい勧誘や声掛けもなく、ほどよく混みあっているのでとても回りやすかったです。

 

また新卒ハロワが定期的に開催している面接会では、履歴書を持参することでその場で一次面接を受けることができます。私はそこで自分の経歴を語る練習のため沢山面接を受けました(笑)。もちろん面接を受けずに企業説明を聞くだけでもOK。

また企業の個別説明会も随時行っています。イベント情報をチェック↓

イベント情報(会社説明会・面接会) | 東京ハローワーク

路頭に迷ったら新卒ハロワへ

「どうしたらいいのか分からない」レールに沿って歩いてきた人は一歩でも外れてしまうと一気に堕ちていく。周りは社会と向き合って生きているから、「わからない」なんて甘い言葉を吐くわけにもいかない。そう奮起して書類を書き上げても返事は全てお祈りだった。

新卒ハロワ。出会わなかったら私はどうなっていたのだろうか。いや、死ぬことはないのだけれど、進路が決まった今ふと立ち止まって振り返りたくなる。

 

進む道が見えない時、ぜひ一度訪れてみてはいかがでしょうか。

最後にこんなこと言って締めるのは無責任なんだけど、満足するかどうかは担当ジョブサポーターとの相性次第なんだよなぁ…

 就活関連の過去記事もどうぞ


 

3032文字 2h

『環境』ってとても大切だよねって話。

『環境』ってとても大切だよねって話。

私のタイムラインにあるツイートが流れてきた。

私はこのツイートを見て「ああ、こうやって差が生まれていくんだな」と思った。

ハイスペックな友人(中学の時は偏差値あまり変わらなかったのに涙)

ちなみにこの発言の主は私の友人Fである。もちろん本人の了承済み。

一見、この発言は意識が高いだけでなんの意味を持たない戯言のようにも感じる。しかし、彼のことをよく知っている私は戯言とは思えない。強い意志を感じる。きっとこの発言の裏には彼が先日行ってきた内定者懇談会での出来事が関係しているのだろう。

彼が来年度の4月から務める会社は誰もが知っている大企業である。特段就活が上手そうなやつではないのだが、TOEIC800点越えを始めとした多様な言語スキルと機械学習に関するPythonの知識(彼の影響で私もPython勉強してます)、そしてあのちょっとメンドクサイ人の好さは高く評価されたに違いない。理系大学生のお手本とも称賛される人材……と私のお墨付きだ。

世間的に見れば彼は間違いなく「高スペック」である。不況だのなんだのと騒がれているが、(収入的な意味では)人生安泰コースに乗っていると言っても過言ではないだろう。にもかかわらず彼はさらに学ぼうとしてる。なぜ就活の結果に浸ることをせず成長を望むのか。

環境がその人の常識を作る

これから言う発言はけして煽りでもないし、勘違いさせるだろうなと分かってるからこんなまどろっこしい前置きをして発言するのだが、

「私は大学に行くことは普通のことだと思っている。」

もちろん見渡せば大学進学を選ばなかった友人も沢山いるし、高校に行かなかった人もいる。その理由はもちろん前向きなものから辛く苦しいものまであるだろう。私は進学しなかった人を見下しているわけではない。ただ「なんで進学しなかったんだろう」と疑問に思うだけだ。私の中で『大学進学は当たり前』なのだ。

こうなったのはやはり高校が進学校だったことが大きいだろう。※なおここでの進学校は『大学進学率が80%を超えている高等学校』を示します。友達が大学に行くから、私も大学に行く。周りを流れる当たり前が私の常識を削り上げ、形作っていった。「みんな受験受験言い始めたから勉強しなくちゃ!」と思って私は「普通の高校生」になるために一生懸命勉強を始めた。そもそも『勉強をすることは普通』という私の常識でさえ周りの環境から自然と刷り込まれてきたものだったと思う。だから、周りのおかげで私は大学までこれたようなものだ。みなさんありがとうございます。(小学校のM君や中学校のY君は特に)もし周りがパッパラパーだったら、今ごろ脳内お花畑の常識に染まり切っていたと思う。えまぁ、大学は…聞くな。

友人はきっと懇談会で同期や先輩を目の前にして、何か火種に触れてしまったに違いない。並みの企業ならば彼のスペックは称賛の嵐で体が吹き飛ぶほどのものだが、夜景が綺麗そうな会場で彼が浴びたのは辛酸の雨だった。今日を境に彼はさらなる努力を始めるだろう。その会社での「普通の社員」になるために

ここに頭いい人はどんどん頭がよくなる図式が出来上がる。頭がいい人はもちろん知的好奇心旺盛な変態パターンもあるが、友人達を見ると劣等感が根幹にある気がする。彼らは普通になるために努力をやめない。そのスタイルが5年、10年と続いて、30歳を超えたとき、それは単純な知識量では埋められないほどの大きな差を持った人間なっていることだろう

 

終わりに ~Pythonで彼女は作れないらしい~

だからこそ自分がいる「環境」は大切なのだ。

「普通」は自分が属するコミュニティによって大きく違う。

つまり普通の水準が高い環境に身を置けば、自然と成長に繋がるんじゃないのかな。

ただ水準の高さだけで仕事を選ぶと『未経験でも1000万!』みたいな会社に釣られちゃうから、自分の価値観と合ってる職場を面接で直接見極めましょう。

 

なお、彼の次のツイート。

知識だけでは解決できないこともあるようだ。

 

最後にこっそり彼のブログを晒しておきます。

覗いてみると「よくわからないけど、きっとこの人頭いいんだろうな」って記事が読めます。

lazystudent.qrunch.io

 

過去記事もどぞ

 

 

 

既卒者・早期退職者の職務経歴書【見本有】

語るに足らない職務経歴をどう語るか。 

アルバイトに職務経歴書は必要なのか…とりあえず準備するけど。

周りを見ると既に会社を辞めた新卒社員がちらほらいる。かれら早期退職者には多くの関門が立ちはだかるらしい。

中でも特に頭を抱える問題は職務経歴書だろう。転職活動には「あなたを動物に例えると」(模範解答・ファーストペンギン)のような大喜利大会は実施されない代わりに職務経歴書が必須となる。これは自己PRを経験から掘り下げ、即戦力の証拠として突き付けるために必要なものだ。だが、職歴〇ヵ月が堂々とPRできるわけがない。なのに提出を求められてしまう。見様見真似で作ったところでA4の半分以上が白く染まり、無能証明書が完成する。

 そこで「早期退職者&既卒者向けの職務経歴書の書き方」をお伝えしようと思います。あくまでも参考程度にどうぞ。

おすすめ職務経歴書フォーマット

職務経歴書のフォーマットがなにを使うも自由ですが、私はリクルートエージェントの職務経歴書が一番書きやすそうと思いました。

www.r-agent.com

 早期退職の汚名を拭うPRを

新卒一年以内に辞めた人の一番のネックは「すぐやめたことです」なのでまずアピールするべきことは「自分の有能さ」だけではなく「辞め癖はないよ!」「継続力があるよ!」ということです。早期退職の経歴を見た面接官は「辛いことすぐ逃げる人」「我慢ができない人」「うちに入ってもすぐやめるのでは」と悪い印象しか持ちません。ほんとに、まじで(経験談

早期退職者を「決断力が早い人」なんて高く評価されることは絶対ありません。一番力を入れて書くべきことはアルバイト経験などを根拠に「私は働ける人だよ!」とPRすることが大切なのです。

職務経歴には、学生時代のアルバイト経験を書いても大丈夫です。

アルバイト経験がない?それは……うん。

職務経歴書の見本こんなかんじにかけばいい(あくまでも参考)

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大切な『結びの一言』

現職では非常に短い期間での勤務ではありますが、貴社においては長く腰を落ち着け、社会人としての基礎を身につけ、貴社に貢献できる人材となるよう頑張る所存です。どうぞ宜しくお願い致します。

あるだけでだいぶ印象が変わります。

 

 

 

職務経歴書には自分のPRを

まとめると

1.リクルートエージェントのフォーマットが使いやすい

2.職務経歴書にアルバイト経験OK!

3.会社の愚痴ではなく、自分のPRを!

4.結びの一言は大切!

 

検討を祈る。

 

 

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